──アルバム『southview』のジャケット写真。これ場所どこですか。
Blaise(Vo&Gt) それはニュージーランド。ずっと泊まってたところ。
DICK(Ba) 泊まってた家のプール。
──ああ、これがプールで、向こうがオーシャンビュー。いいですね〜。
DICK 横に、バーベキューするところがある。その奥に、TAXがいつも座って歌詞を書いてた場所がある。
TAX(Dr) 最高の場所でしたよ。詳しくはDVDで(笑)
──特典映像のドキュメンタリー。でも前のギリシャの時(『westview』)もそうでしたけど、あんまり人の行かない、でも素敵なところに行きますね。ニュージーランドでレコーディングって、聞いたことないけれど。
TAX でも、うちらが行ったあと、ギリシャの経済がはちゃめちゃになったから。ニュージーランドは大丈夫かな(笑)
DICK ギリシャは、行った時にはもうはちゃめちゃだったよ(笑)
──嫌なジンクスが(笑)。それはさておき、かっこいいアルバムです。すごくいい。オールディーズなソウル、ディスコ感と、現代的なポップ・センスが、きれいに溶け合っていて。もともとそういう音楽は好きだから、たぶんずっとやりたかったんだろうなと思うんですけどね、丸ごと1枚それにしたというのは、ちょっと驚きましたけど。
Maynard(Vo&Gt) そうそう。実際、やってるからね。ただ1枚にしたのは初めて。楽しくやってみました。
Blaise 楽しいね。すっきりした。もともとのコンセプトで、素敵な場所で、フレッシュなものを作ろうと。この“view”シリーズは、毎回楽しいからね。楽しくリラックスしながら、いろんなコンセプトを考えて、自分のペースで、最高のアルバムになりましたね。
TAX 作品を作って、みんなに聴いてもらって、ライブをやって、そこまでが醍醐味なんで。早くたくさんの人に聴いてもらって、ライブ会場で一緒に盛り上がりたいなと。
Blaise 次のチャレンジは、曲を全部覚えなきゃいけない(笑)
──今までよりも、打ち込みは多いですか。そんなふうに聴こえますけど。
TAX いや、でもね、普通に叩いてる曲もあるし。バスドラをサンプリングして、かぶせてみたりとか。曲が一番リッチになるのはどうしたらいいか?ということで、試行錯誤しながら、楽しみながら。スタジオで、いい楽器も借りれたんで。
──ニール・フィンのスタジオ。クラウデッド・ハウスやスプリット・エンズで活躍した。スタジオの機材はけっこう揃っている?
Maynard ハンパない。
DICK 最新の機材ではないけどね。
Maynard ヴィンテージ。本人が80年代から集めて、自分で使っていた楽器ですね。そういう趣味も良かったかなと思った。15年間少しずつ集めて、やれば良かったかなって。でもめんどくさい(笑)
DICK 壊れるしね。
Maynard スタッフが、世界に一本しかないというギターを出してきて。何千万もするのかなと思ってたら、いきなりボン!ってぶつけて。“ニールに言わないでね”って(笑)
Blaise でも映像、撮ってたね(笑)
──ニール・フィンには絶対に見せられない(笑)。DICKさん、レコーディングは?
DICK 真面目にやってましたよ。予想を上回る真面目さで、最初の一週間、飲みに行かなかったからね。真面目にやってました。詳しくはDVDで(笑)
──今回、ベース、むちゃくちゃかっこいい。こういうダンスミュージックのアプローチで、ベースのグルーヴは肝じゃないですか。
Blaise すごく出てるね。
──DICKさん、もともとソウルやファンクのバンドをやってたから。こういう音はお手の物というか。
DICK そういう曲もあるし、そうじゃない曲もある。ソウルのような感じで弾ける曲もあるんだけど、たとえば「Splash」という曲は、似てるようで全然違うから。俺の引き出しにない、というものもあるし。ダンス系といえば、ひとくくりなのかもしれないけど。
──この間グラミー賞をとったマーク・ロンソンとか、少し前のダフト・パンクとか。ちょっと懐かしい感じのソウルやファンク系の音楽が、ちょうど流行っていることもあって。
TAX どんぴしゃですね。大好き。
DICK 昔のディスコみたいなのが、みんな好きなんだなって感じた瞬間が、ニュージーランドであったんだけど。クラブに飲みに行ったら、生でディスコ・クラシックみたいなのを演奏していて、ものすごい盛り上がってた。バンドもすごくうまくて。
Blaise ザ・ヒッツ。超最高でしたよ。
DICK 最終的に、俺たちは外に出されたというオチがつくんだけど。
TAX はしゃぎすぎて怒られた(笑)
──来てますね、そういう音。今の時代に合ってる。
Maynard 大好き。やっと時代が……逆か。
TAX 何様だよ(笑)
──あはは。時代が俺たちに追いついてきた(笑)
Maynard でもね、今日もそんな話をしてたんだけど。十何年で一回りというか、フル・サークルが来るんですね。自分が好きな趣味とか、15年間ちょこちょことやってきたことを、全部一つのアルバムにしようと。だから、時代だと思うんだけど。長くやって、そういう波がたまに来るというか、時代と気持ちが合うというのは、なかなか無理じゃないですか。ファッションが仕事の人はできるだろうけど、普通の人は、そんなにずっと回転できないから。でも最近、本当に世の中の音楽も大好きだし、特に洋楽はめっちゃかっこいい時代に来てる。売れてるアーティストで、嫌いなアーティストは少ない。だから楽しい。
──ほかにレコーディング・エピソードは?DVDに入ってない話をぜひ。
TAX なんだろう?あ、フーズボール。あれをずっとやってて、めっちゃうまくなりましたね。
──サッカーゲーム。スタジオに置いてあった?
TAX そうそう。みんな本気だから。YouTubeでいろいろ技を調べて、スネークショットの打ち方とか。
Maynard 70年代に、ワールド・チャンピオンは何億円も稼いでた。それぐらい、ビッグ・スポーツだったんですよ。80年代にピンボール・レボリューションが来て、フーズボールが消えたんですよ。で、90年代に僕が大学に行ってた時に、また流行り始めて。今も普通にプロがいるんですよ。僕、ずっとやってたんだけど、「テニスの王子様」みたいな、わけのわからないショットがあるの。そんなのできるの?っていうショットを、練習したらできるようになって。
DICK キャプテン翼。
TAX 奥が深いんだよね、シンプルだから。みんなちょっとずつ、差が縮まってきて。最初はMaynardがダントツにうまいから……。
Maynard 余裕で勝ってたんだけど。最後は、けっこうみんなうまくなって、困った(笑)
TAX 何でも真剣にやることが大事。
──まとめましたね(笑)。音楽と全然関係ないけれど(笑)
TAX レコーディング・エピソードって言ったじゃない(笑)
DICK あそこにあったドラムがすごくいい音だったとか、そういうことを言ってほしかったんじゃないの?
──そうです(笑)
TAX めっちゃいい音でしたよ。ラディックとグレッチのヴィンテージ。あんまりヴィンテージ機材に興味なくて、今の技術のほうがいいじゃんと思ってたの。でも叩いてみたら、その考え方がくつがえったね。ほしい!と思っちゃった。やっぱりすごい説得力あるわ、って。ちゃんとメンテナンスしてきたヴィンテージは、本当にいいんだなって。それも、最初の状態が良くないと、そうはならないから。
DICK そうだろうね。
Maynard 熟女好きになったってこと?
──そこ?(笑)
Maynard あれ?女性の話じゃなくて?
TAX 俺、どっちの話してたっけ(笑)
Blaise 一番良かったのは、ジャケットの、この景色。この写真の右側に、プライベート・ジムがあって、そこで毎日運動できるのが、すごく最高だった。ヘルシーなことしか考えない。音楽を作る前にリフレッシュして、レコーディングして。それで夜、ビールを飲んでワインを飲んで、また明日頑張ろうって。ペースがすごくよかった。自分のペースでいいものができたのが、一番楽しかったかもしれない。レクリエーションと、クリエーション。
──うまい!
Blaise ありがとう。アーティストですからね(笑)
──そして、最高のアルバムを引っ提げて、ツアーが4月からスタート。20か所22公演。どんなツアーにしますか。
Maynard せっかく、新しいアルバムを出したばっかりなので。なるべく新曲をやりたいなと。今まで行ったことないようなところも、行ける場所が何か所かあるから。それも楽しみ。
DICK 金沢とか、初めてだよね。
Maynard そういう場所で、新たな経験を。あとは、自転車ですね。時期的に、いい季節なので。
DICK MaynardとTAXは、全部自転車で行くって言ってる。
Maynard 四国に行く、しまなみ海道。自転車だけの道なんですよ。
TAX 自転車ごと行けるホテルとかもあって。
Maynard そこがメイン・アトラクションで、あとはどこまで走れるか。
──DICKさんはツアーの何を楽しみに。
DICK 新曲をなるべくやろうとして、準備を始めたんだけど。大変そうだなと思ってたんだけど、なんか、できそうな感じがする。一番楽しみにしてるのが、「Delicious」の時に、来てくれたお客さんがみんな、レオタードを着て踊ってくれること(笑)。それをステージから見たい。
──ちゃんとミュージックビデオを見て予習して(笑)。でも本当に、今までで一番躍動的な、楽しいツアーになる予感がぷんぷんしてます。
Blaise お客さんが動いたら、すごく楽しいね。この前練習したら、今までにやったことのないことが多すぎて、ちょっと心配だったけど。うまくいきそうだから、すごい楽しみにしてます。ただいつもの曲を歌うだけじゃなくて、新しいチャレンジがある。考え方が変わったので、みんなが喜ぶといいな。
──そしてBlaiseは、年男。申年ですよ。
Blaise 今年はモンキーの年。僕の年です!いい年になりそう。
インタビュー/宮本英夫