今回の『MUNETAKA』は、コニカミノルタプラネタリウム“天空”in東京スカイツリータウンで2017年から開催されている『LIVE in the DARK』とのコラボ企画。1日の時間の流れを追って「朝」「昼」「夕方」「深夜」になぞらえてアーティストをブッキング。「朝」=Absolute area、「昼」=Half time Old、「夕方」=GOOD ON THE REEL、「深夜」=ヒグチアイ、の4アクトが出演した。
朝:Absolute area
セカンド・ミニ・アルバム『無限遠点』のリリースを4月24日(水)に、そしてそのリリース・ライブ、渋谷Milky Wayワンマンを7月26日(金)に控えている3ピース・バンド。曲によってバック・トラックを用いる。
「1曲目から6曲目までで、さまざまな男女の出会いや別れを描いた、短編集のようなアルバムになっている」(MCより)そうで、その1曲目の「少年」でライブがスタートする。1曲目からオーディエンスの腕が上がり、ラストの「ミライゾウ」はハンドクラップが湧き上がったのは、抑揚の大きなドラマチックなメロディと、そのメロディにのってまっすぐリリックが飛び込んでくる、だから初めて聴いても瞬時につかまれるからだと思う。
SET LIST
01. 少年
02. 続く明日へ
03. パラレルストーリー
04. ひと夏の君へ
05. ミライゾウ
昼:Half time Old
「30分間、5曲だけお付き合いお願いします! 名古屋の本気を見せに来ました! 東京の本気を見せてください!」
という鬼頭大晴(Vo,&Gt)の雄叫びからスタート。ナチュラルにエフェクターかかっているような鬼頭の声と、「リード・ギターとはまさにこのこと」みたいな、ひたすら単音弾き(ライトハンド多用)の小鹿雄一朗(Gt)のギターが、強烈に耳にひっかかる。
中盤でドラム阪西暢が、今日のイベントの「朝・昼・夕方・深夜」というコンセプトを説明。「同じジャンルでもいいけど、今日みたいないろんな音楽は楽しめる夜もいいですよね」という言葉も。基本、歌詞のメッセージ性が強いバンドだが、ラストにやった「アウトフォーカス」が特に強く印象に残った。僕らひとりひとりの生がドラマなんだ、平凡でもカットされないし派手な演出も撮り直しもないけどだからこそ輝くんだ、という、ほぼ全部パンチラインみたいな歌。
SET LIST
01. 愛してるよ
02. 銃声と怒号
03. 忠犬ヒト公
04. ミニマリスト
05. アウトフォーカス
夕方:GOOD ON THE REEL
何年キャリアを重ねてもいつどこで観ても常に情熱爆発しっぱなし、「全身で歌う」という形容がまさにぴったりの千野隆尋(Vo)のステージ・パフォーマンスに、この日も目が釘付けになる。「MUNETAKA、MUNETAKA……なんかムネタカっていたよね? 歴史上の人物で……まあいいや」「今日初めて共演するアーティストが多いので、僕らを初めて観る方も多いと思います。ひとりひとり違う人間だからどうだっていいんですよ」「好きだとか嫌いだとか関係なくね、ここで僕らの音楽を届けられたことに感謝してます」というふうに、とっちらかっているからこそ本音でしゃべっていることが伝わるMCも素敵。
3・4曲目で「モラトリアム」「いらない」と、このバンドの中ではバラード寄りの、エモーショナルに歌い上げる2曲をやってから、ゼロの地点からポジティビティを歌う「灯火」で締める、という構成もよかった。
SET LIST
01. 砂漠
02. 雨天決行
03. モラトリアム
04. いらない
05. 灯火
深夜:ヒグチアイ
ひとりピアノ弾き語りの「そのまま」(新曲)でスタート、2曲目「わたしはわたしのためのわたしでありたい」からドラム伊藤大地とベース御供信弘が加わり、その編成で5曲目の「ココロジェリーフィッシュ」まで行って、ラストの「備忘録」はピアノ弾き語りで始まり、アウトロでドラム&ベースが入って来る、という構成。初めてライブ観たんだけど、とにかくもう撃ち抜かれた。
本人のピアノもリズム隊の演奏もすごいが(というのはこのメンツなのでそりゃそうだって話だが)、己を切り刻むことで聴き手も同時に切り刻む歌詞がまずすごいし、それが「堪忍して!」と言いたくなるほど一言一句クリアに耳に入ってくる感じがさらにすごい。というか痛い。あ、痛いのは、彼女がじゃなくて聴いているこっちがです。今は亡き橋本真也がタッグパートナーになってからの小川直也に叫んだ「俺ごと刈れ!」状態。などと、プロレスファンにしかわからないことを言いたくなった。圧倒されました、全曲に。
SET LIST
01. そのまま(未発表新曲)
02. わたしはわたしのためのわたしでありたい
03. 街頭演説(未発表新曲)
04. 聞いてる(未発表新曲)
05. ココロジェリーフィッシュ
06. 備忘録
次回以降の『MUNETAKA』は、5月29日(水)『Vol.7』@渋谷TSUTAYA O-nest(出演:オレンジスパイニクラブ、他)、6月11日(火)『Vol.8』@川崎Serbian Night(出演:首振りDolls、NoGoD)、6月12日(水)『Vol.9』@渋谷CYCLONE(出演:首振りDolls、ASH DA HERO)、7月5日(金)『Vol.10』@渋谷GARRET udagawa(出演:hy4_4yh、color-code、Skip the Chips、他)が決まっている。また、8月24日(土)には、渋谷TSUTAYA O-WEST/O-nest/O-Crest/duo MUSIC EXCHANGE/7th floorにて、サーキット・イベント形式で『MUNETAKA SPECIAL 2019』として多数のアクトが集結して開催される。