NYF
先攻はNYF。さっき「ニュー・カマー」と書いたし、King AJのMCによると福岡から東京へ住居を移したのは半年ほど前だそうだが、結成からは14年、だけのことはあって、ありとあらゆる現場を踏んできたことがうかがえる、百戦錬磨なステージング。1曲目「Rodeo Crazy-S×R×C」の途中でAJ、「YO YO下北、魂揺らせる奴は手ぇ挙げろ!」とオーディエンスをあおりまくる。
2000年前後あたりのニュー・メタル、ヘヴィ・ロックをルーツにして2019年型にアップデートしたようなこの4人の音、とにかく強烈で、耳や脳はもちろんだが肌にも直接ぶつかってくる感じ。「フォース」とか「人間力」とかいうような言葉で形容したくなる、強いものが終始スピーカーから放たれ続けるステージだった。中盤ではまだ音源化されていない新曲「Riot man」も披露。首振りDollsとは九州のバンド同士で、「東京で2マンやりたいね」と話したのが2年前だった、それが今日こうして実現できてうれしい、と、AJは笑顔を見せた。
SET LIST
01. Rodeo Crazy-S×R×C-
02. Perfect life
03. Blast feeling
04. NEVER SAY NEVER
05. Riot man
06. Flowers valley
07. Endless Change.
08. Paper song
09. From soul
10. Repunit
首振りDolls
続く首振りDollsも、中盤のMCで、この2バンドの関係について言及。19歳の時オーディションを受けた、その時のゲスト・バンドがNYFだった、ライブを観て打ちひしがれるくらい衝撃を受けて、「俺らもこんなふうになりたい」と思った。それが今日こうして東京の下北沢SHELTERで一緒にやっている、しかも俺らがNYFのあとに! というMCでフロアをいい空気にして曲に入ろうとドラムのカウントを始めたナオ(Dr.Vo)だったが、ギターのジョニー・ダイアモンドが「ちょ、ちょっと待って!」と制止する。で、「全然NYFみたいになってないじゃん俺たち! こんなんなってんじゃん!」。フロア、爆笑に包まれる。他のバンドならいざ知らず、メイクやMCやステージでのアクションを含めてキャラが立ちすぎるほどなこの人たちから放たれた「こんなんなってんじゃん!」、確かに、大変に説得力ありました。ナオ、「それはおまえに出会ったからだよ! おまえに出会ってこうなってしまったんだよ!」と返す。
ただ、キャラ立ってるのは見た目やアクションだけでない。それ以上に音のキャラ立ちがすごい、3人とも。ガレージ×ブルース×昭和歌謡、首振りDollsの音楽ルーツをざっくり言うとそんな感じになるだろうが、ナオのドラムも、ジョニーのギターも、2018年12月に加入したばかりのショーン・ホラーショーのベースも、鳴った瞬間にこの人の音だとわかるすさまじい記名性、それが3つ重なるんだからさらにすさまじくなる。そんな音を乗りこなすナオの歌もすごい存在感。
アンコールを求められて出てきたナオ、「ドラムボーカルの過酷さをわかってないだろ!」とオーディエンスに叫ぶ。みんな大笑い。ただ、ライブを観ながら「ドラムなんてやめてハンドマイクで歌うとこ観たいな」とも「歌なんかやめてドラムだけ叩くとこ観たいな」とも思ったので、「確かに!」と納得もしました。
とにかく、いいもん観た!いい対バンだった!いいもん観た! という時間でした。
SET LIST
01. ティーネイジ
02. 唐紅
03. サンドノイズ
04. 切花
05. PSYCHO CLUB
06. カラリカラマワリ
07. 黒い太陽
08. ニセモノ
09. 悪魔と踊れ
10. ロックンロール
EN. イージーライダー
次回4回目の『MUNETAKA』は2月27日(水)渋谷TSUTAYA O-nest、サブタイトルは「Popping Shower」で出演はcyberMINK・瀬川あやか・山崎あおい・RIRIKOの4人。5回目「Lock on you」は3月7日(木)shibuya GARRET udagawa、été・西沢幸奏・藤田恵名、そしてオープニングアクトで橋爪ももが出演する。