Text:永堀アツオ
綾野ましろの初めて立ったステージは?
編集部:綾野さんが、人生で初めて立ったステージのエピソードを教えてください。
初めてステージで歌ったのはピアノの発表会ですね。私は4歳からピアノを習い始めて、中2でやめていたんですけど、先生にピアノを弾いてもらって歌で出て。
──ピアノの発表会で歌うって珍しいですよね。
歌う機会が欲しかったんですよ。歌手になりたいけれども、クライスメイトが6〜7人しかいないような田舎で育ったので、周りの人にとっては、夢のまた夢の話で、あんまり本気にされてなかったんですね。それを見返したいっていう気持ちもあって、声楽をやっていたピアノの先生に伴奏を頼んで、alanさんの「Diamond」を歌って。その時は恥ずかしいっていう気持ちもあったし、でも、やってやるんだっていう気持ちもあったんですけど、胃が痙攣するほど緊張して。なかなか思うように声が出ないし、顔もこわばるし、冷や汗も出るし。人ってこんなに緊張するんだなっていうのを、そこで初めて知って。でも、自分が納得するパフォーマンスができなかったことが悔しくて。こんなに悔しい思いをするならもっと頑張らないとなって思うような出来事って、それまでにあんまり経験したことがなかったんですよね。だから、より、私は歌手になるっていう夢を諦めたくないなって思ったステージでしたね。
──最初のステージで「犬夜叉」のテーマソングを歌ってるんですね。
初めて買ったCDがアニソンだったりとか、出会ってきてるのはアニソンが多いんですよね。高校生の時はL’Arc〜en〜Cielさんが好きだったんですけど、アニメの曲をたくさん歌ってるし。惹かれあってたというか、運命だったんだなって思うところはありますね。
──綾野ましろとしては?
デビューする前も路上ライブをやってみたり、ライブハウスでバンドスタイルで出てみたり、発表会に出るためにボイトレに通ってみたりとか。歌う場所を探して転々とさまよいながら自分のスタイルを探していたんですけど、綾野ましろとして初めてステージに立ったのは、札幌アニメマンガフェス『きたまえ↑』(14年9月15日)のオープニングアクトですね。当時は、サウンドプロデューサーをしてくださってる安田史生さんが企画に参加していたので、初めてのステージは北海道でやるのがいいんじゃないかっていうことで、デビュー曲「ideal white」を初お披露目しました。
──7月にはアニメ「Fate/stay naight」のOPテーマを歌うことが発表されてました。
だから、集まってくれたお客さんがもう私のことを知ってくれてたんですよね。そのことにすごくびっくりして。アニソンの世界じゃないとこういうことってないんじゃないかなっていう瞬間でした。アニメと主題歌が密接に関わってるからこそ、デビュー前にもかかわらずに知ってくれてて、一緒にノってくれることがすごく感動的でした。次の年の『きたまえ↑』も楽しかったし、初めての私を温かく迎えてくれた場所だったので、すごく大切な思い出になりました。でも、そこで、負けず嫌いの性格もあるかもしれないんですけど、もっとこうしたかったっていう悔しさや反省が出て来ちゃうので、次のモチベーションに繋がったステージでしたね。
編集部:悔しさもバネにする向上心が、現在の全力のパフォーマンスにつながっているんですね。
綾野ましろさん、ありがとうございました!
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