自分のバックボーンを生かしたまま音楽を突き詰めていく、また一歩、私が成長できたアルバムになりました
いやー、これは大変でした。難しかったです。曲が。これはプロデューサーから作曲家の方にアルバムの締めになるバラードを作って欲しいとオファーをかけて。そうして上がってきたのがこの曲だったので、聴いたときはぶっ飛びました(笑)。挑戦状を叩きつけられた状態ですよね。これを歌ったことで、この曲に出会う前とは違う私に出会えたと思うから。大変でしたけどやりがいはありました。
自分の当時の実力でいったら、まだまだ足りない部分があったので、11年目にしてもっと勉強しなきゃという気持ちになりました。自粛期間中に鈍りきってしまった音楽の感性を最高潮にまでもっていかないとこの歌は歌えへんで!と自分に相当喝を入れて挑みました。
そこは、私が声優と歌、両方をやってる強みが出たところだと思うんです。歌手として歌うときと、声優としてアニメのキャラクターとして歌うときでは心構えがまったく違うんですね。自分のなかのルーティーンも違いますし。また、音楽をやる上で、歌としての表現とセリフとして歌う表現も違うんです。どうやって声色とか雰囲気で、キャンパスに色を描いていくか。そこは歌手だけやってる方と一番違うところで。それは、自分が11年間やってきて感じとったことです。
ええ。歌、ヴォーカルとしてやっていく路線と、表現者としてやっていく路線はまったく違うベクトルなんです。表現者だけを追求していると音楽家としてのヴォーカルは上達しないし、かといってヴォーカルだけを突き詰めていくのは歌手としては正しいかもしれないけど、私のバックボーンにある役者をやりながらの歌うたいという特殊性はどんどん薄れて消えていくんです。そのバランスが難しくて。ある時期、私自身もヴォーカルだけ突き詰めていたときがあったんですね。そうしたら「音程はかっちりとれるようになったけど歌が味気なくなった」、「下手になった?」といわれたことがあって。そこで、私は自分のバックボーンを生かしたまま音楽を突き詰めていかなきゃいけなんだと気づいたんですね。だから、この曲は、それを最大限投入した歌です。新曲はどれも大変だったので、また一歩、私が成長できたアルバムになりました。
みんなが当たり前のようにライブに行ける日常が早く戻ってきて欲しい
今回、コロナがあって以降初めてのライブということで、私たちも手探り状態だったんですね。なので「Side Blue」に関しては、みなさんが席を立つこともなく、大声を張り上げることもない、安心して座ってずっと観ていられるバラードに特化して。私は本当は座って聴いて欲しい派なので、お客さんが座っていても全然大丈夫なんですよ。目で観てたら楽しんでるかどうかは絶対に分かるので。私のライブは「後半どんどんよくなっていったね」といわれることが多いんですけど。それは、観ているお客さんたちからもらったパワーでどんどんよくなっていくパターンが多くて。
ええ。「Side Blue」公演はバラード中心だし、久々のライブだし、着席なので、最初はお客さん寝ちゃうんじゃないかなと心配してたんですよ。でも、後方席までみなさん最後まで楽しんでくれてる空気が感じられたので。そこから次の2つは会場の規模も変わるので、じゃあまるっきりコンセプトを変えてやろうと。それで「Side Green」はLEDと照明の光、デジタルと生バンドの融合、「Side Red」は大所帯バージョンの生バンドスタイルでみせるステージになります。
自分はスタッフを含め、こじんまりとしたところでやらせていただいてるんですけど。大きな組織にいると、色々な理由でやりたくてもできない人が多いと思うんですよ。だったら、やれる人間から動いていかないと、スタッフさんのなかにはお仕事がまったくなかったという方もいらっしゃるんですね。そういう意味で、自分は動ける立場にあるんだから勇気を出して音楽活動を再開しようじゃないかと思ったんです。それで、ちょっとずつライブの形も手探りでチャレンジしながら進めていって。みんなが当たり前のようにライブに行ける日常が早く戻ってきて欲しいなという思いで、ライブはやってます。
アルバムの曲がかなり入ってくると思います。私のライブは曲間のトークも独特なんですよ。トークの部分はなにも決めてないんです。私は自分のことよりも人の話を聞きたがるタイプなので、目が合ったお客さんに「どこから来たの?」とかいろいろ話しかけながらそれを次の曲につなげていくというのが、ある意味私の特技の一つで。
めちゃくちゃします。もちろん嫌がってる人は、私は空気が読めるので絶対にふりません。目で分かるので。話したい人と話したくない人は。そこは安心してください。ただ今はこういう状況でお客さんが困ってしまうと思うので、早くまたステージから対話が出来る日常が戻って来て欲しいです。
これをご覧になっている多くの人は、日々いろんなライブに行かれてるような方が多いと思うんですが。ライブという自分の好きなものが封印されるということが、自分の人生にどれだけ負荷を与えるのか。それをみなさんも感じた1年間だったんじゃないかなと思うんです。まだまだ世界はどうなっていくか分からないなか、不安はありましたが、私は早い段階でこうして、もちろん人数は絞った状態ですがお客さんを入れてのライブを再開しました。早くみなさんが好きなものを謳歌できるようなときが来るように、私たちもいろいろなことを含めて頑張っていきたいなと思ってますので、一緒に音楽という世界をこれからも愛し続けていきましょう。
PRESENT
直筆サイン色紙を1名様に!
※転載禁止
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