今井麻美、「ここから第二章が始まる」と語る、新作リリース。3ヶ月連続、コンセプトの異なる有観客ライブも開催!

インタビュー | 2020.11.12 12:00

自分の想像を超えさせてもらえる、そこで期待に応えようとすることが力になっていく

──その思いを込めて、アルバム名をタイトルにした新曲「Gene of the earth」の歌詞は書かれたんですよね。きっと。

はい。コロナで「これからどうなるんだろう」って視野がどんどん狭くなって不安になってたんです。だけど、あれ、ちょっと待てよ、と。自分にとっては初めてのことだけど、地球の歴史として見ると100年に1度ぐらい地球規模で大きな出来事が起きているから、長い目でみれば今回のこともその中の1つでしかない。地球にとってみれば「なになに、人間たちが急におとなしくなったけどどうしたの?」ぐらいの感覚かもしれないなと思ったら「そんなに焦らなくてもいいんだ」って頭が切り替わったんですよ。それこそヴェネチアの運河が綺麗になったとか、公害が減って遠くの景色が鮮明に見えるようになったというニュースを聞くたびに、この休憩は人類に必要だから起きた可能性もあるかもしれないなと思えるようになって。身近なところで考えるとないほうが当然いいに決まってるんですけど。大きな歴史のなかで考えると「そんなに焦らないで」って地球がいってる気がして。その地球の声を代弁しつつ、自分にもいいきかせるように書いたのがこの歌詞です。

──つまり、地球目線で書いてる訳ですね。

そうです。私の1stオリジナルアルバムが『COLOR SANCTUARY』といって地球の自然をテーマにしたもので。自然はいろいろな色に満ちている。そのなかの一部である私が自然のパワーを受け取って、歌を歌うというものだったんですけど。今作は第二章としてそれと対になる作品にしたかったんですよね。

──素晴らしい!裏にはそんな壮大な伏線があったんですね。

はい。前は全体像が見えない地球というものに囲まれて、ちっぽけな人間である私が自然を感じとりながら歌ったので、今度はその私が大きな地球の上に立って地球目線で、いま地球はこんなこと考えてるんじゃないかなという気持ちで歌いました。そのぐらい心の余裕を持って現実を受け止めていかないと、さらに追い詰められちゃうなと感じたんですよね。だから、これを聴いて、みなさんにはまず、自分は気づかないうちに追い詰められているんだということを感じて欲しくて。そうして、ひと呼吸置いて欲しいなという思いですね。こうやって地球からのメッセージを受け取って歌ってみたんだけど、みんなはどう思う?というのがこの歌です。

──この曲のMVのなかの今井さん、あれは、地球の女神になった姿だったんですね。

そうです。髪の毛の色も地球色にしたんです!私は人生初の髪の毛のブリーチをしたら、髪の色が変わっただけですごい冒険した気持ちになれて心が踊るぐらい楽しく。以降、ブリーチにハマりまして。その流れで、ウチのマネージャーに今回どうしようかと相談したら「地球色とかどうですか?」と提案されたので、美容室でそれをオーダーして。MV撮影の現場に行ったら、みなさんに「本当に地球色だわ。優勝!」と感動されたので、美容室の方にもお伝えしました。いまはもう赤紫にしちゃったんですけどね。

今井麻美「Gene of the earth」Music Video short ver.

──MVで地球色のヘアも見られるこの曲以外に、「Astral World」という新曲もあって。こちらは鳥のさえずりに包まれながら、どんなに暗いストーリーがあっても、歩んだ最後にはきっと綺麗な星が見えると歌っているナンバーでした。

今回この楽曲については、たくさん曲があったなかから私がメロディーだけで選ばせていただいたんです。私、作詞は自分で選ばせてもらうことが多いんですけど、曲に関してはいろんなバランスやコンセプト、タイアップがあったりするので、プロにお任せすることが多いんですね。でも、今回はひたすらメロディーだけを聴き込んで「これだ!」と思ったのがこの曲でした。曲には最初からこのタイトルが付いていたので、歌詞もその方にお願いして。Astralという言葉から宇宙をイメージしていたら、あがってきた歌詞はこの地球を含めての宇宙だという広い視野のものだったので、まずそれにハッとさせられました。視野がすごく広い曲だと思うんですよね。

──鳥のさえずりは最初から入っていたんですか?

編曲の段階で入ってきたんです。要は、その鳥も含めて、すべてがAstralの一部なんだということをいってるんですよね。「Gene of the earth」で私たちは地球の遺伝子の一部なんだよというのとそこは重なってるなと思います。聴いてるとこの曲はすごくポジティブな気持ちになれるんですよね。いまの時代に届けたい曲になりました。

──歌詞はどうしても自分で書きたいというこだわりは今井さんにはないんですか?

ないです。自分のなかから生まれてくるものって、私は音楽に関して突出した才能があるとは思ってないので、いろんな音楽家の人の力を借りていままでやってきたんです。作詞家、作曲家、演奏家、編曲家、ライブのときのPA…すべて、いろんな人の力を借りて、私の想像の斜め上を超えたものができていくその瞬間がすごくワクワクして楽しいんですよ。自分の想像を超えさせてもらえることが私はすごく嬉しくて。じゃあ私はそれをどう表現するのか。そこで期待に応えようとすることが自分の力になっていく。というのを繰り返してきた11年なんですよね。なので、そこは一生変えずに音楽活動はしていくと思います。

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