back number『All Our Yesterdays Tour 2017』
2017年2月25日(土) 幕張メッセ 幕張イベントホール
TEXT:兵庫慎司
PHOTO:佐藤祐介
2016年12月26日にリリースしたベスト・アルバム『アンコール』がメガヒット、何年も前からとうにヒットメーカーだったがここに来てそれが最大風速値を記録する中、2月25・26日幕張メッセイベントホールからスタートしたback numberのアリーナ・ツアー『All Our Yesterdays Tour 2017』。
以下、その初日=25日の方のレポです。ネタバレ・セトリバレなしの範囲で書けることだけを書いていきます。
『アンコール』には16曲×2枚=32曲入っているわけで、当然ながら、全曲やるわけではない。映像・LED・照明・特効などなどの演出、1曲目からラストまでいっぱいあり。おそらくback numberのツアーとしては過去もっとも多いレベル。
が、基本、メンバーもサポート・メンバーも持ち場から動かずに、それぞれのポジションでじっと演奏し、じっと歌うバンドなので、華やかだったり大がかりだったりはするものの、そんな彼らの空気感を壊さぬように、それに寄り添うように、という軸からはぶれない演出だった、どれも。
とりあえずお客さんみんな、新鮮でとても楽しめると思う。
曲の並べ方やつなぎかたやそれに付随する演出などに対して「こうきたか!」とか「ここでこんな演出か!」とか言いたくなるポイント、何ヶ所もあり。練られているし気が利いている、ということです。それでなくてもいい曲だらけなのに、それぞれの曲がさらにいっそう輝くような構成になっている。
大規模なツアーの初日ということで、いろいろ気にかかっていたらしく、清水依与吏、本編最後のMCで「どうだったろう?気になる」と、オーディエンスがどう受け止めたかを心配。で、MCに自分でダメ出ししたあとで、「でも、全体的に言うと、これが俺たちなんで。間違ってないです」という言葉でシメた。
確かにそうだと思う。自分を大きく見せようとか、よく見せようとか、己にゲタを履かせようとかいう気持ちがちょっとどうかと思うほどない、ありのままの自分たちをありのままにさらしていく、そこが何よりもすばらしい。
アンコールのシメの清水依与吏のひとこと。
「来てくれて、ほんと助かりました。欲を言えば、また観に来てください」
はい、また来たいです。と、素直に思いました。
あと、男のファンの多さ、ちょっとびっくりした。こんなに多かったっけ?カップルで来ているお客さんは以前から多かったが、男だけで連れ立って、もしくは男ひとりで、というお客さんが増加した気がする。back numberがより広く世の中に届いて行っている最中なのが今だけど、理想的な届き方をしているという表れなのかもと感じた。
それから、『All Our Yesterdays Tour 2017』というツアー名、あまりにもback numberらしくて素敵だなあと思う。