ペルシカリア、オーディエンスと魂をぶつけ合った渋谷CLUB QUATTROワンマンをレポート

ライブレポート | 2026.03.27 22:00

ペルシカリア 6周年ワンマン 「一方通行」
2026年3月19日(木)渋谷CLUB QUATTRO

「今日、誰かを見返すためにソールドしたいと思ってた。だけどここに立ってみたら、あんたが拳を真っ直ぐ挙げてくれてたから、期待してくれてたから……俺、いつも言ってるよな? ロックバンドは孤独で強くなって、期待でカッコ良くなるんだって。ソールドアウト? クソくらえだ! 今日も変わらない、あんたのど真ん中目指して歌ってやるよ!!」

ライブ序盤を駆け抜けると、この日のワンマンをソールドアウト出来なかった無念を語った矢口結生[Vo&Gt]が、フロアを埋める“ほぼ満員”のオーディエンスにそう宣言して。始まった曲は「歓声の先」。「俺が信じたロックバンドは、あんたの拳に真っ直ぐ歌ってたんだ」と叫び、鳴らす爆音と真っ直ぐな歌声は一番後ろで見てた僕のど真ん中を貫いた。

結成6周年を迎えたペルシカリアが東京・渋谷CLUB QUATTROにて、6周年ワンマンライブ『一方通行』を開催した。

開演時間となり、SEと歓声に迎えられて登場すると、ステージ上で円陣を組んで気持ちをひとつにした4人。ギターのフィードバックから「埼玉県! ペルシカリア!!」と矢口が叫び、中垣[Ba]の荒々しいベースで始まった1曲目「ハウオールドアーユー」から、自信に満ち溢れた歌と演奏でブチアゲると、間髪入れずに始まった「離愁」でフロアがうねりを上げる。

矢口結生

中垣

「ペルシカリアはクアトロ止まりやろなぁ」と関係者に言われた、悔しさやムカつく感情をエネルギーに変えて。「ソールドしてやろうといろいろ頑張った」と語った、冒頭のMCへと続いて。「歓声の先」から「たとえばなし」と続いた前半戦。中村達也[Dr]のパワフルかつ正確なビートに、たいぴょん(フルギヤ)[Gt]の必殺ギターソロも炸裂した「ビビって」は、矢口の「デカい声、聞かせてもらって良い?」の煽りに会場中の大合唱が起きて。そこにいる一人ひとりとガッチリ繋がっていることを確認。ソールドアウト? クソくらえだろ!

中村達也

たいぴょん(フルギヤ)

「今日はずっとデカい音です!」と宣言して、爆音鳴らした「Knife」に熱い歓声が起きて。「俺らのライブのルールはひとつだけ。後ろで涙活(るいかつ)しててもいい、拳上げて来てくれてもいい。ただひとつだけ、目ぇそらすんじゃねぇぞ!」と「ショートカット」「PiN」でフロアをぶっ掻き回すと、ショートチューン「風道」を叩きつけて。「今日初めて観る人? 紹介します、こういうバンドです」と「風道」を再び披露。

「死ぬほどどうでもいい」では、フロアにダイブした矢口に代わって、フロアから沸き起こる大合唱がリードボーカルを務めて。「どうしたって」「情けない」とデカイ音を鳴らし続けて、天井知らずの盛り上がりを見せた中盤戦。彼らのワンマンを見たのは、1年前に下北沢シャングリラで行われた5周年ライブ以来だが。歌や演奏の技術や説得力、構成やライブ運びといったライブスキルの向上っぷりは目を見張るほどだった。

矢口結生

「クアトロこんなにブチアゲてる俺、めちゃんこカッコよくねぇか!?」と矢口が自画自賛していたが。この1年、たくさんの舞台を経験して。孤独で強くなって、期待でカッコ良くなってきたのだろうなというのが容易に想像出来る。矢口の弾き語りでしっとり始まった「おもいでばなし」から「右手」と続き、感傷的な歌と演奏で会場の雰囲気を変えると、「素敵な景色を見せてくれてありがとうございます」と観客に感謝を告げる。

続くMCでは、「このメンバーで6周年迎えられて、めっちゃ良かったです」とメンバーへの感謝を告げると、たった一人でペルシカリアを始めた頃の思い出を語った矢口。「なんでロックバンドやってるの?」という質問に「魂が震えるから」と答えたたいぴょん(フルギヤ)の言葉を受けて、「そう。魂を震えさせてくれるのは、あなた(お客さん)の魂と俺らの魂がぶつかるから。あなたが魂ぶつけてくれるから」と熱く語って。「なにが言いたいかっていうと、ウジウジして遠回りばっかしてる俺たちを応援して、一緒に魂ぶつけてくれること。こうしてライブハウスで出会えること、普通じゃないと思ってます。どうもありがとうございます!」と告げて始まった曲は「優しい人」。

「魂ぶつけに来いよ!」と矢口が煽り、観客一人ひとりと魂をぶつけ合う4人。「東京」「煙」と畳み込んで、熱く激しくも丁寧な歌と演奏で想いやメッセージを届けると、ライブはいよいよ終盤戦。「バンドをしている」の曲中には、「みんなのおかげで自分がカッコいいと思えるロックバンドが出来てます!」と叫び、「タイムオーバー」でロックバンドの誇りと矜持を見せて。フロアの熱いシンガロングで始まり、観客と愛を確認し合った「ラブソング」で、ラストに向けて会場中の気持ちをひとつにする。

たいぴょん(フルギヤ)

中村達也

中垣

「ドキドキ出来る音楽よりも、肯定つうか、一人にさせねぇつうか。「あんただけじゃねぇよ」って歌ってくれるロックバンドがカッコいいと思ってます。時が経てばみんな大人になっていく。あの時カッコいいと思ってたものが、自分の正義じゃ無くなっちゃうかも知れない。大人になるってそういうこと。でも大丈夫、それはきっとあなたに守るものが出来たから。それでも、あなたの心の一番下にある感情にいつまでも寄り添っていたい」

本編最後となるMCで、この日一番伝えたかったであろう言葉を観客に届けた矢口。うん、分かってる、届いてる。一人ぼっちの弱さも強さも知っている矢口が、この日集まった650人に向けて歌ってたんじゃなくて、そこにいる一人ひとりに届けようと本気で思って歌ってたこと。これが650人のひとつのライブ体験ではなくて、一人ひとりの650通りのライブ体験であること。彼らがその意味や重要さをちゃんと理解しているから、この日のライブはすごく良かったのだ。

矢口結生

「悲しい歌じゃない、再会の歌です」と本編ラストに披露したのは「黎明」。6周年を経た彼らがまだまだ終わりのない旅を続けて、再びあなたに会う日を約束する決意表明の曲。いつまでも旅が続けられますように、あなたと再会出来ますように。たっぷり気持ちを込めた演奏に乗せて、願うように歌い叫び本編を終える。

鳴り止まないアンコールの「ワンモー!」の声に、再びステージに登場した4人。「最初に大事なことを」と告げた矢口が、5月に東名阪でワンマンツアー『ゲンテンカイキツアー2026』を行うことを発表。「俺たちはイチからやり直します」というコンセプトで回るこのツアー、東京は5月14日(木)下北沢MOSAiCにて開催することを発表すると、観客から歓喜の声が上がる。

アンコールは「17」、「悲しみについて」で再びフロアに熱狂を生むと、「今日は言えるわ。死にたくなったらライブハウスでまた会いましょう」とメッセージを贈り、「最初の晩餐」へ。<お前らを守るため生きていたいよ>と歌詞を変えて歌うこの曲で、生き辛さを感じてるあなた、そしてあの日の自分の手をギュッと握るように歌う矢口。

最後は「次やる時、絶対にここに居てて下さい。生き残って下さい」という切実な言葉を残し、ライブを締めた矢口。こんだけ心を熱くして、魂をぶつけ合えるこんな夜がある限り、みんなはきっと大丈夫。明日からも強く生きていけるはず、と老婆心ながら思った。

SET LIST

01. ハウオールドアーユー
02. 外苑西通り
03. 離愁
04. 歓声の先
05. たとえばなし
06. ビビって
07. knife
08. ショートカット
09. PiN
10. 風道
11. 風道
12. 死ぬほどどうでもいい
13. どうしたって
14. 情けない
15. おもいでばなし
16. 右手
17. 優しい人
18. 東京
19. 煙
20. バンドをしている
21. タイムオーバー
22. ラブソング
23. 黎明

ENCORE
01. 17
02. 悲しみについて
03. 最初の晩餐

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