ROCKGUILD presents ZIGGY vs LINDBERG 「今すぐGLORIA」
2024年10月14日(月)EX THEATER ROPPONGI
30年以上にわたって同じ時代を生き、深い縁で結ばれながらもなぜか共演機会がほとんどなかった二組が、今夜ついに相まみえる。ZIGGY vs LINDBERG「今すぐGLORIA」。“vs”となっているが、チケット完売の客席に対決ムードはまるでない。ピースフルな空間に、今日限りのグッズのバンTとマフラータオルと笑顔が溢れてる。オープニングアクトのSAHAJi(Cherryとdarling、Toshiが飛び入り!)が、気迫のこもったプレーで盛り上げる。舞台は整った。Ready to go!
先陣を切るのはLINDBERGだ。オーバーサイズのボーダーシャツ、タイトなブラックジーンズとラバーソウルで決めた渡瀬マキを中心に、キーボードに佐藤“darling”達也を加えた鉄壁の布陣でぶっ飛ばす。「Over the Top」「JUMP」と、知ってる曲ばかりだから誰でも乗れる。いや、知らなくったって乗れる。LINDBERGの曲は、時代を超えてキャッチーなメロディとリズムと言葉と共感しかない。渡瀬マキがマイクを客席に向け、クラップを求め、ジャンプし、「さぁみなさん一緒に!」と煽ればすぐに一体感が生まれる。
「ZIGGYファンのみなさん、はじめまして。私たちLINDBERGといいます。今日はZIGGYリスペクトでヒョウ柄にしてみました」(渡瀬)
茶目っ気たっぷり、森重樹一ばりのヒョウ柄スカーフを巻いたマイクスタンドを自慢する渡瀬マキ。「会いたくて」「君のいちばんに…」とシングルヒットを続け、「やりたくないですよね?(笑)」と言いつつ、ZIGGYファンも強引に巻き込んだ振り付けで盛り上がる「もっと愛しあいましょ」から「POWER」へ。小柳"Cherry"昌法のドラムは熟練と安定、川添智久は誰よりも激しく動き回り、平川達也はここぞという場でソロを決め、佐藤"darling"達哉は全体への目配りを怠らない。
「GAMBAらなくちゃね」のCherryのドラムの激しさとしなやかさに目を見張る。「恋をしようよYeah!Yeah!」の平川のギターソロにしびれる。堅実とハッチャケの塩梅が絶妙な、実にバンドらしいバンドサウンド。そんな宴もたけなわ、渡瀬マキが森重樹一の名を呼ぶと、今日イチの拍手と歓声が湧き起こった。二つのバンドだけで同じステージに立つのは、デビュー間もないLINDBERGが当時の事務所の先輩・ZIGGYのオープニングアクトを務めて以来、35年振りだ。
「こうして一緒にできるのは、お互い健康で、仲間に恵まれて、ファンの方に恵まれてるからだよ。みんなありがとう!」(森重)
曲はもちろん、森重が作曲したLINDBERGのデビュー曲「ROUTE 246」だ。森重自身がこの歌を人前で歌うのは初めてらしい。森重らしいキャッチーな泣きメロ、マイナーとメジャーが交錯するコード、シンプルなロックビートは今なお新鮮。さらにもう1曲「BELIEVE IN LOVE」のデュエットに狂喜乱舞、大合唱のオーディエンス。女性キーもなんのその、上へ下へと自在に歌い分ける森重のパワフルな歌声にあおられて、渡瀬マキの歌もギアが一段上がった気がする。
「最高に贅沢な時間でした!」(渡瀬)
ラストを締めるのは、LINDBERGファン人気No.1「LITTLE WING」の大合唱で。35年を経て未だにフレッシュ&パワフルなバンドサウンドはもちろん、一緒に歌って踊るファンの熱気と優しさ、そして渡瀬マキの変わらぬキュートな魅力を再確認したLINDBERGのステージ。11曲だが満足度はワンマン並みだ。