心地よいバンドサウンドとピアノ演奏が一体化。大陸の原風景を思わせる響きに酔いしれて
〈韓国公演 スタッフレポート〉
2016年11月4日、5日、ソウルの街は現大統領に反発する人達のデモで道路が渋滞し、TAXIがなかなか動かなかった。
YANG BANG EAN(ヤンバンオン=梁邦彦)のコンサートが3日間開催される国立劇場『ヘオルムホール』はソウルタワーのある小高い丘の麓に位置し、文化と歴史を感じさせるアカデミックな雰囲気のある会場だった。
会場にはハイソな雰囲気の上品な女性が多く見受けられ、クラシカルなピアノリサイタルのような空気が漂っていた。
ロビーに設置されたアーティスト看板の前で、花束を抱えた女性たちが思い思いに写真を撮っている姿は、彼のカリスマ性を物語っている。
しかし幕が開き演奏が始まった時点でその空気は一変した。
YANG BANG EANを待ち望んだ客席と心地よいバンドサウンドに乗ったピアノ演奏が一体化し、グルーブ感溢れる会場となった。
スケール感いっぱいの曲やドラマティックな曲、かたや哀愁感漂う切ない曲やロマンティックな曲も含まれた起承転結な内容だった。
梁 邦彦のサウンドは、大陸の壮大な自然風景がピッタリとハマるとつくづく感じる。
演奏の合間のMCは全てハングルだった為、筆者はほぼ理解不能であったが、客席の笑い声が本当に楽しそうで、彼の三枚目のキャラクターがそうさせたのだろう。
2時間30分を超えるその内容は、本当に充実した素晴らしいものだった。
遅い時間に始まった打上げで、彼と酌み交わしたマッコリの力も加わり、改めて梁邦彦というアーティストに惚れ込んでしまった。
12月22日東京グローブ座の公演が実に楽しみである。
*国立劇場3日間のセットリストはこちら