すたぽら 2023 Summer Tour 〜 StarLand Splash!! 〜
2023年8月30日(水) Zepp Haneda(TOKYO) 2部
2021年4月に結成した新進気鋭の5人組歌い手グループ・すたぽらことStarLight PolaRisが、初のZeppツアー『すたぽら 2023 Summer Tour 〜 StarLand Splash!! 〜』を開催した。全国4箇所8公演すべてをバンドセットでパフォーマンスし、ファイナルのZepp Haneda公演2部はサプライズも用意されるなど、プレミアムなステージとなった。
オープニングムービーと同時にジャケット姿のメンバーがステージに登場すると、夜の遊園地をモチーフにした「ミッドナイトカーニバル」を1曲目に届ける。ポップでありながらもダークで妖しげなムードを醸し出すと、その後は憂いのあるメロディとエモーショナルなボーカルがインパクトを残す「Lovelight」、モンスターをイメージした振り付けも特徴的なロックナンバー「Star Ride Monster」を間髪入れずに披露した。元気で無邪気なイメージが強い5人であるが、冒頭3曲ではアダルトかつシリアスなパフォーマンスで観客を魅了。すたぽらの表現力の振れ幅を強く印象付けた。
観客とコミュニケーションを取りながら5人が順々に自己紹介をすると、コール&レスポンスで場内をあたためて自己紹介ソングの「すたぽらってなぁに?」へとなだれ込む。キュートでキラキラした楽曲を5人それぞれが自身の個性を生かしながらエネルギッシュに届け、会場をハッピーな空気に包んだ。
Coe.と如月ゆうがコール&レスポンスを交えてバンドメンバーを紹介すると、演目はインスト演奏へとシフトする。メンバーが協力し合いながらテンポ良くライブを運ぶことで、会場の一体感が高まるという展開は、観客との距離が近いライブハウスという場所でよく映えていた。5人が全力で観客と向き合う姿は、ひたすらに眩しい。
ここからはメンバーのソロステージのセクションへ。5人それぞれが、今年7月にリリースされた3rdフルアルバム『星空ワンダーパレード』収録のソロ曲を披露する。まずトップバッターとしてカジュアルな衣装にチェンジしたこったろがひとりでステージに登場し、「シャンデリアに愛を込めて」で色気のあるクールなパフォーマンスを見せた。くには「Dear From…」で会場一帯を甘く包み込み、Reluはロックナンバー「Be Myself」でたくましい歌声を響かせる。Coe.はハードロックテイストの「徒花の証明」で持ち前のハイトーンボイスの威力を遺憾なく発揮し、最後に如月ゆうが「LOVE♡RATION」でミステリアスかつキュートなボーカルで歌詞の世界観をリアリティたっぷりに届けた。
歌い終えた如月ゆうと入れ違いに、くにとこったろがすたぽら結成2周年を記念した楽曲「RESTARTED」MV内のイラストを模した王子風の衣装を身に纏って登場する。ふたりが「ウェーブをしてほしい」と観客に呼び掛けると、彼らの動きに合わせてフロアのペンライトが波打ち、両者ともに大きな感動を示した。そこにReluが現れると、真ん中から半分に分かれて声出し勝負をしたいという旨を申し出、観客もその期待に応えるように大声を返した。
3人のもとにCoe.と如月ゆうが合流すると、続いてはレクリエーション企画『リスナージェスチャーゲーム』のコーナーに入る。スクリーンに映し出されたお題を観客がジェスチャーで伝え、それをすたぽらメンバーが当てる協力ゲームだ。3試合を行った結果罰ゲームはCoe.に決定。和気あいあいとした空気感のなか企画を締めくくった。
くにが「このツアーファイナル、いよいよ後半戦になります。次のアトラクションは僕たちの決意や、君の笑顔の大事さをメッセージに込めた楽曲を届けます。この衣装が似合う曲があるんじゃないですか!?」と言うと、Reluが「僕たちの伝えたい気持ちをセットリストに詰め込みました」と続け「RESTARTED」、「StarLight」などを畳み掛ける。5人が心を重ね合わせるように歌詞を一言一言噛み締めるように、情熱的に真剣な思いを歌声に乗せた。
Coe.が「SPIRIT」を歌えたことの喜びを語ると、Reluはそれぞれが歌唱担当しているパートはそれぞれのメンバーの過去の思いを反映させていることを明かす。ソングライターがメンバーだからこそ、メンバーにしかわからない感情を曲にできることも、すたぽらの強みのひとつだろう。Reluが「最後にエモい曲を届けるので、みんなも全力で受け止めてほしいです」と力強く語り歌い出したのは「プログレスレコード」。強い決意が込められた楽曲と熱いボーカルが、5人自身を奮い立たせているようだった。
アンコールではタオルを持って回す「JUMP!JUMP!サマータイム!」、コール&レスポンスのあるアッパーソング「ワンダーパレード」を歌唱すると、メンバーそれぞれが自身の思いを言葉にした。くにはゲーム配信者から活動をスタートしたこと、周りからすたぽらへの加入を反対されたことを明かす。「俺は流されやすいタイプなのに、なんであのときに“確かにそうだな”と思わなかったんだろうなあ……と思うんです。でもやっぱり(自分がすたぽらに入ったのは)運命だったんだなと思います。自分の決断を信じてきて良かったなと思います」と話すと、観客への感謝と「絶対に東京ドームに連れて行きます」と決意を新たにした。
こったろは前日に“すたぽら学園”にいた夢を見たこと、天気雨のなか校庭に出たら虹が掛かっていたという内容だったことを話し、「とてもラッキーな夢を見られたので、今日のライブも気持ちよくて、幸せなライブになりました。みんなは幸せだったかな?」と観客に笑顔で問いかける。Zeppツアーの充実を噛み締める如月ゆうは、過去最大規模のツアーを行うことに不安を感じていたと打ち明け、「でもこの選択をして本当に良かったです。みんなが正解にしてくれたと思います」と強いまなざしで語った。
Reluは名古屋のライブの後にふと「自分は幸せやな」と思ったと告げ、つらい過去があったからこそファンの応援やZeppツアーが決まったことに喜びを感じられていると話す。そして「ずっとみんなが愛をくれるから前を向けるようになりました」と真剣な表情で観客を見渡した。最後にCoe.が今年の6月から身内の不幸で1ヶ月間活動を休んだことに触れると、当時のことを思い出して「みんなに迷惑を掛けてしまった」「きらきらしているメンバーを見ていたら、もう戻れないなと思った」「頑張らなきゃいけない時期なのに、僕がこんなことでどうするんだと思った」と様々な気持ちが湧き上がったことを涙ながらに話す。「僕はみんなが守ってくれたすたぽらをずっと続けたいし、もっと広げていきたいと思っています」と声を震わせると、あらためて観客に向けて「ただいま」と告げた。
「僕たちの大切な曲です。最後の曲です、聴いてください」とReluが言うと、5人が歌い始めたのは「First Star」。涙をこぼしたCoe.とReluを後の3人はフォローし、気持ちをひとつにするようにあたたかい歌声を響かせた。
メンバーがいなくなったステージのモニターには、この夏のツアーを振り返るドキュメント映像が流れ始める。そして最後に「本日新曲初披露」の文字が浮かび上がると再びメンバーがステージに登場し、新曲「Ray」をサプライズ披露。《何度も強くなれる 理由はほら君だった》など、今の彼らだからこそ歌える感謝と決意が綴られた同曲を瑞々しく歌い切り、ツアーを華やかに締めくくった。
あらためて心をひとつにし、初のZeppツアーを走り切った5人は、この経験を糧に今後さらに成長を遂げていくだろう。そんな不屈の精神を感じさせる、決意表明のようなツアーファイナルだった。
SET LIST
01.ミッドナイトカーニバル
02.Lovelight
03.Star Ride Monster
04.すたぽらってなぁに?
05.シャンデリアに愛を込めて
06.Dear From…
07.Be Myself
08.徒花の証明
09.LOVE♡RATION
10.RESTARTED
11.StarLight
12.SPIRIT
13.プログレスレコード
ENCORE
01.JUMP!JUMP!サマータイム!
02.ワンダーパレード
03.First Star
04.Ray