HYDE、声出しOK初のBEAUTY & THE BEASTでフロアのヴォルテージはMAXに!圧倒的な存在感を放つ

ライブレポート | 2023.07.05 18:00

HYDE LIVE 2023 BEAUTY & THE BEAST
6月18日(日) Zepp Haneda(TOKYO)

コロナ禍以降、初めての声出しOKとなったツアーHYDE LIVE 2023。なかでもHYDEが並々ならぬ気合いを入れて臨んでいるのがBEAUTY & THE BEAST公演だ。1階のBEASTエリアは男性限定、2階のBEAUTYエリアは女性限定ということで、男性客のパワーを間近にして熱狂の度合いが高まるライヴでもあるからだ。6月18日(日)、東京・Zepp Haneda (TOKYO)で行われた公演をレポートしよう。

開演時刻が近づくと、会場に流れていたSEの音量がしだいに大きくなり、ついには爆音の4つ打ちビートへと変化していく。ステージの幕に投影された時刻が16:66、つまり17:06ジャストにライヴはスタート。沸き起こる大歓声のなか、マスク姿のメンバーと白い布マスクを被ったHYDEが登場すると、轟音を響かせ、「MIDNIGHT CELEBRATION Ⅱ」が始まった。
檻を思わせるグリーンのレーザービームが頭上から射し、HYDEはスモークガンを持ち、容赦なく客席に向けスモークをまき散らす。「TOKYO!」と叫ぶと、観客も拳を突き上げて反応。それでもまだ足りないとばかりに、最前列の観客が触れるほどの距離まで近づき、会場を煽りながら歌う。

HYDEがマスクを外し、鋭い視線を会場に投げかけると、「AFTER LIGHT」でさらに熱気が上昇。会場全体に大きなウネリが生まれていく。そして、パワフルなサウンドに乗せてメロディアスな歌を聴かせる「PANDORA」では観客の合唱も生まれるなど、一体感が高まっていく。

「BEAUTY & THE BEASTへようこそ。今日は遠慮しないからね。1階、潰れてんじゃねえぞ。2階の可愛い子ちゃんたちも同時に可愛がってあげるからね。男たち、かっこいいところ、見せてやろうぜ!」
「DEFEAT」ではステージ上のスピーカーに登り、妖し気に歌うパートとスピーディーに歌うパートを巧みに切り替える。時には笑い声を挟み、ふてぶてしく振舞ってみせる。そして、6月16日に配信リリースされた新曲「TAKING THEM DOWN」では、叩きつけるような重厚なリズムと切ない歌声で魅了。メガホンを使って歌う導入部がスリリングな「SICK」では「頭を振れ!」と何度も煽り、HYDE自身も激しくヘッドバンキングをしながら、テンションを高めていく。

炎が上がり、幻想的に披露されたのは「WHO’S GONNA SAVE US」。全身を震わせるようなエモーショナルな声で歌い、曲の最後にはステージに寝転んでシャウトしながら歌い上げてみせた。ピアノソロを挟み、「THE ABYSS」が始まる。静かにスタートしながらも、美しいメロディをハイトーンでじっくりと歌っていく。それまでの激しさとは異なり、感情の揺らぎを表現したような哀切の歌声が会場に広がっていた。
イントロから手拍子が起こるなか、「ON MY OWN」のタイトな8ビートと優しくまっすぐなメロディが届く。様々なタイプの楽曲が散りばめられ、起伏に富んだ流れの中で、どの曲もライヴならではの輝きを増して迫ってくる。

「楽しんでる?いいね。やってよかった。思ったより人が多いな、今日。このノリ懐かしい!だって、BEAUTY & THE BEASTやってたけど、声出せなかったもんね。嬉しいよ。帰ってきたぜ、ライヴハウスへ戻ってきた!3年半、長かったね。ライヴハウスは感染源みたいなこと言われて、でも俺たちはコロナ禍でもめっちゃライヴしてきた。それはお前たちが協力して成功を積み上げてきたから続けられたんだ。俺たちが取り戻したんだ、ここで反撃しようぜ、TOKYO!後半、ちょっと激しくいくよ」

そのMCどおり、「MAD QUALIA」でさらにパワフルな空間へと突入する。途中、客席に降りて突き進むHYDE。中央で分かれてできた道をもみくちゃにされながら歩き、後方のPA卓で歌い始めるという新たな挑戦を示してみせた。それは、至近距離でファンの熱気を感じたいという大胆なアプローチでもあった。
ステージに戻ると、高まった気持ちのまま「DEVIL SIDE」に繋いでいく。「でかい声をきかせてくれよ、TOKYO!」と促し、コール&レスポンスが沸き起こる。そして、とことんヘヴィで切れ味の鋭い「INTERPLAY」を強烈に叩きつけてきた。
そのままHYDEは2階に移動し、客席の間を自由に歩みながら「ANOTHER MOMENT」を歌う。ステージ上には空気圧で動くエアダンサー(人形)も登場し、派手な演出でさらに会場は盛り上がっていく。

ステージに戻ると「身ぐるみはがされた(笑)」と、おどけながら上半身裸のまま「DUALITY」を再びメガホンで歌い始めた。メタル・パーカッションも加わり、さらにテンションが高まっていく。「(身ぐるみはがされたし)もう行くところまで行くしかない(笑)!次の曲はタオルの準備をしてください。この曲は君たちにかかっているから」タオルを回しつつ、何度もコール&レスポンスを繰り返し、熱量もさらに高まる「6or9」。この日のライヴの中でもピークと言える熱狂が広がり、最高潮に達していく。そしてラストは、「GLAMOROUS SKY」。「もっと暴れろ!一緒に暴れようぜ。やれんのかTOKYO!」と叫び、アッパーなビートに背中を押され、最後の曲を全力で走り抜けていった。

アンコールにこたえ、バンドメンバーが登場。ドラムソロに続く「UNDERWORLD」では、本来、プールに浮かべるようなメガイエローダックにHYDEが乗り、観客の頭上を前後左右に運ばれていく。湯舟の上を黄色いアヒルのオモチャが泳いでいくような光景だ。重いサウンドとのギャップが強烈な印象を残すシーンだった。
「クレイジー(笑)、なかなかだったね。案外、スピード速いんだね(笑)。2階の女の子たちも下の席すごいなって、ジェラシーもあるんじゃない?それに1階の男みんながかっこいいところを見せつけるから、その相乗効果がたまらないよね。残りの曲でみんなにしかできないカオスを作ろうじゃないの。2階も思う存分、暴れちゃって、1階も思う存分いこうぜ!」

「AHEAD」で再びスピーカーによじ登ったり、最前列ギリギリまで接近したりと、ひたすら観客との距離を縮めようとするHYDE。その熱量は無限大といっていいほどだ。
このライヴの最後を締めくくったのは「SEX BLOOD ROCK N’ ROLL」。力を余すところなく出し切るようなパフォーマンスとスケール感に満ちた歌声で、すべての観客を圧倒してくれた。

「日本を回ってくるよ。またどこかで会おう、また会うまで首洗って待ってろよ!」
この後に続くツアー、そしてツアーファイナルとなる9月9日(土)、10日(日)の幕張メッセ イベントホールではさらにスケールアップしたステージが見られるはず。果てしないエネルギーに満ちたHYDEのライヴが楽しみだ。

SET LIST

01. MIDNIGHT CELEBRATION Ⅱ
02. AFTER LIGHT
03. PANDORA
04. DEFEAT
05. TAKING THEM DOWN
06. SICK
07. WHO'S GONNA SAVE US
08. THE ABYSS
09. ON MY OWN
10. MAD QUALIA
11. DEVIL SIDE
12. INTERPLAY
13. ANOTHER MOMENT
14. DUALITY
15. 6or9
16. GLAMOROUS SKY

ENCORE
01. UNDERWORLD
02. AHEAD
03. SEX BLOOD ROCK N' ROLL

公演情報

DISK GARAGE公演

HYDE LIVE 2023

2023年7月5日(水) 大阪・Zepp Osaka Bayside
2023年7月6日(木) 大阪・Zepp Osaka Bayside
2023年7月8日(土) 大阪・Zepp Osaka Bayside 【SOLD OUT!】
2023年7月日9(日) 大阪・Zepp Osaka Bayside
2023年7月19(水) 愛知・Zepp Nagoya
2023年7月20(木) 愛知・Zepp Nagoya
2023年7月22(土) 愛知・Zepp Nagoya 【SOLD OUT!】
2023年7月23(日) 愛知・Zepp Nagoya 【SOLD OUT!】
2023年8月5日(土) 宮城・Sendai PIT 【SOLD OUT!】
2023年8月6日(日) 宮城・Sendai PIT 【SOLD OUT!】

◾️チケット発売中!

HYDE LIVE 2023HYDEPARK 2023

2023年7月7日(金) 大阪・Zepp Osaka Bayside
2023年7月21日(金) 愛知・Zepp Nagoya

◾️チケット発売中!

HYDE LIVE 2023 Presented by Rakuten NFT

2023年9月9日(土) 千葉・幕張メッセ イベントホール
2023年9月10日(日) 千葉・幕張メッセ イベントホール

RELEASE

「TAKING THEM DOWN」

2023年6月16日(金)SALE

≫詳細はこちら
  • 岡本 明

    取材・文

    岡本 明

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