HYDE、自身5年ぶりとなるオーケストラツアーを開催!制作中のアルバム、ツアーについてたっぷり語るインタビュー

インタビュー | 2026.01.09 18:00

DI:GA ONLINEに、6年ぶりにHYDEが降臨。日本、さらには世界をめぐり、激しいライヴでオーディエンスを魅了してきた動のHYDEに続いて、2026年、HYDEは静のHYDEにフォーカスしたニューアルバム『JEKYLL』(今春リリース予定)を制作。1月から自身5年ぶりとなるオーケストラツアー<HYDE Orchestra Tour 2026 JEKYLL>を開催する。いまなぜ静かなHYDEへと向かったのか、オーケストラツアーはどのようなものになるのか、HYDEに訊いた。
──まずは、終わったばかりのワールドツアー<HYDE [INSIDE] LIVE 2025 WORLD TOUR>お疲れ様でした。こちらは激しい動のHYDEさんのツアーで、HYDEさんもオーディエンスもはっちゃけまくって、カオスな狂宴を繰り広げてきた訳ですが。まず、HYDEさんが激しいライヴをやる意義から教えて下さい。

「なんでライヴをやってんだろうな?」って思ったとき「もっと熱いやつが欲しいな」って感じるのは、やはり、いまだに自分の“理想像”を追いかけてるんだと思うんですよね。それは、何だろう、ロックスターなのか何なのかは分からないですけど。で、その時の一番最高峰のピークを出したいなっていう気持ちでやってるんです。ピークはどこだかまだ分からないし、そもそもそのピークを迎えてない気もしてるし。すでに迎えたのかもしれないけど。それは最後まで分からないじゃないですか。だから、そのピークを達成するためにやってるんだと思います。

──しかし、この動のHYDEはここで一旦完結となるのですか?

ええ。次に出すアルバム『JEKYLL』のレコーディングや制作スケジュール的に、それどころじゃなかったんですよ。でも、スタッフがいろいろ模索してくれて、提案をもらったりしたので、それで最終的にはやることにしたんです。でも、やる意味はありましたね。ファンのためにも、国内ツアーの最後にでっかいところでバーンとやるべきだろうなとは自分でも思ってたんで。決めたからには出し切ろうという思いで挑みました。もう、本当にラストスパートのような気持ちで。ろうそくの火が消える最後の瞬間、一番明るくなるみたいな感じで、あのライヴを毎回やってると、もうね、結構キツいんですよ(苦笑)。血を浴びて(本編ラストの「LAST SONG」で、上半身裸になり、血糊を滴らせながらステージに倒れこんで狂気を歌にしていくパフォーマンスは、本ツアー最大のハイライトとなった)、本気でパフォーマンスして。そこから速攻でシャワーして何もなかったかのようにアンコールへっていう作業が、時間もないからバタバタで。

──あの演出は海外でも、毎回やられてたんですか?

基本的にはずっとやってました。そのためには、その前の「MIDNIGHT CELEBRATION Ⅱ」で限界まで出し切らないと効果的じゃないんですよ。そこで限界まで出し切ることによって、より最後の「LAST SONG」の演出が生きてくる。だから、演るたびに自分でもどんどんハードルを上げていってしまって。その結果「なんかもうやりたくない」みたいな状況になっていってたんですよ。まあ、自分で考えた演出なんですけどね。

──じゃあ、文句はプロデューサーのHYDEさんにいうしかない(笑)。

あの演出はもう最後にします。

──はははっ。ラストスパートで挑んだ幕張公演は、実際やってみてどうだったのですか?

とりあえず一番最高潮の状態で、ファンを含めて凄かった。最高潮の盛り上がりや、自分のパフォーマンスの限界、それをラストスパートでやったという感じで、いまのところ1番いいパフォーマンスだったと自分では思ってます。冷静に映像とかを見返してみたりしないと分からないですけど。この激しい(ライヴの)演出はもうないですね。これを超える別の演出、やり方はあるのかもしれないですけど、いまのところ、これは今回で終わりですね。

──そうして2026年からは静かなるHYDEへとシフト。

はい。

──本来ならアルバム『JEKYLL』を出してからツアーをやる予定だった?

本当はね。たぶん、誕生日とかにアルバムを出したかったんじゃないですか。スタッフは。

──HYDEさんのなかで、静かなHYDEのほうで『JEKYLL』というアルバムを作ろうというアイデアは、いつ頃からあったのですか?

アメリカにいる頃だから、コロナ前から考えてました。『HYDE』と『JEKYLL』というアルバムを出そうって。

──ああ~。だから、前作が『HYDE [INSIDE]』というタイトルだったのですね。

そう。本当は『HYDE』にしたかったんですけど、もう出しちゃってた(初のベスト盤『HYDE』)から、ややこしくなるなということで『HYDE [INSIDE]』にして。これと、次に出す『JEKYLL』の2枚が対になるというか。激しいものと静かなものを作ろうという構想は2018年ぐらいから僕のなかにはありました。

──ここからはニューアルバムに『JEKYLL』について聞いていきたいと思います。2025年12月現在、まだアルバムは絶賛制作中ということで。

そうです。明日もレコーディングです。

──アルバムはあとどれぐらいで完成する予定ですか?

残り3曲歌うだけです。本当はもっと作りたかったんですけど、ツアーも始まるし。さすがに物理的に難しいかなと。

──ニューアルバムは『ROENTGEN』の続編と考えていればいいですか?

はい。同じような心得で制作してますからね。オーケストラを主体に音楽を作っていて。ロックとはいいづらい感じじゃないですかね。でもシーンの主流じゃないので“精神的なロック”と自分では思ってましたけど。『ROENTGEN』のときは。オーケストラの演奏がメインで、ベースとかも生のコントラバスが鳴っていたり。エレクトリックな楽器はほぼ使ってないんですよ。『ROENTGEN』のときもそうだったんですけど、映画音楽に近いかなと思うんです。当時も映画音楽っぽいものを目指して作ってたし。あえていうと、そんな感じかな。ただ、今回はもっとジャジーな要素が増えますけどね。

──『ROENTGEN』と比べると?

はい。それはなぜかというと、僕は将来、ジャジーな音楽でしっとりとコンサートをしたいんです。そういうのが好きだから。

──ええー!

こじんまりとしたクラブみたいなところで、ピアノ1台で歌う、みたいなのをやりたいんですよ。

──そんな願望があったとは。

えっ、おかしいですか? もう、そんな遠くない話だと思いますけどね。まあいい年齢になってくると、自分がやりたいことだけをやりたいんですよ。なるべくそうありたい。と、思わないですか? 仕事をしてても、なるべくなら我慢はしたくないでしょ? 我慢は若い頃に散々したんで、歳をとったらなるべく好きなことだけをやりたいです。

──HYDEさんが将来、自分の好きなことをやるため、そういう流れを見据えてのジャジーな要素ということ?

そうです。だから、きっと『JEKYELL』の曲は数年後、コットンクラブかどこか分からないけど、そういうところでやるときも入ってくるでしょうね。要は、そのための布石みたいなもので。『ROENTGEN』の曲も、たぶんそこではやると思います。

──では、『JEKYLL』収録曲についてお伺いします。<20th Orchestra Tour HYDE ROENTGEN 2021>公演で披露されたシングル曲たち

「NOSTALGIC」や「FINAL PIECE」。

──あと、コンサートのみで披露されていた新曲「SMILING」。

これらは全部入ります。

──HYDEさんの誕生日である1月29日にリリースするニューシングル「THE ABYSS」は?

もちろん入ります。(Sg初回限定盤C/W収録の)「LAST SONG - Orchestra ver. -」は入らないですけど。

──トータル何曲になる予定ですか?

いまのところ全10曲で考えています。

──このあとはツアーの話を聞いていきたいと思います。今回のツアーは、スタンディングのライブハウス中心だった激しいHYDEのツアーと違って大半がホールでの公演です。

オーケストラツアーですからね。違うという点では、全員に着席して頂くところもそうじゃないですか。今回のツアーは、お客様全員に着席して頂いて、じっくり聴いてもらいます。

──オーケストラツアーは<20th Orchestra Tour HYDE ROENTGEN 2021>以来となりますが、あのときのコンサートとガラッと変わる点はありますか?

基本的には似てますよ。オーケストラツアーなので。ただ、選曲のメインは『JEKYLL』に変わります。ニューアルバムのツアーなので、『JEKYLL』収録曲がメインになって。それプラス、『JEKYLL』の雰囲気で自分がやりたいことを付属させていく感じじゃないですかね。

──新曲がちりばめられたコンサートになりますね。

でも、案外みんな知ってる曲が多いと思いますよ。僕が歌ってないだけで、これまで発表した曲がいろいろとあるじゃないですか?

──TOMORROW X TOGETHERに提供した「SSS(Sending Secret Signals)」ですか? これ、歌うのですか?

歌います。もともとその目的で作ったからね。僕がアルバム用に作ってる曲を、先に彼らが歌ってくれたということだから。そういう曲だったり、あとはちょっとネタバレになっちゃうからあれなんですけど。

──ほかにも、アニメ『黒執事 -緑の魔女編-』のOPテーマ曲でCö shu Nie feat. HYDEで発表した「MAISIE」とかもありますし。そのような楽曲のセルフカヴァーが聴けると。

ええ。だから、結構みなさんすでに知ってる曲が多いと思いますよ。

──前回のオーケストラツアーで披露した曲もアレンジが変わったりする可能性は?

多少あると思います。新しい発想で、聴いてて「ここは違うな」と思ったら変えていきます。当時といまではセンスが違うので。あと『JEKYLL』に合うかどうかも考えて。

──演出面でなにか考えていることはありますか?

極端な演出はなしで、集中して見てもらう、聴いてもらうものにしようと思ってます。

──こっちでは血まみれには。

もうならない(笑)。

──激しいほうが血まみれだったので、こっちはソロデビュー時のシングル形態に合わせて、棺桶に入って終わるというのはいかがでしょうか?

なるほどね。それ、いただきます(笑)。

──ドレスコードはありますか?

今回は考えてないです。

──HYDEさんはオーケストラツアーの醍醐味として、どんなところにエンタテインメント性を感じてらっしゃいますか?

たぶん、観に来るお客さんたちの大半は、オーケストラの生演奏って聴いたことないんじゃないかなと思うんですよ。もしくは、僕の前回のオーケストラツアーで初めて聴いたとか。僕の曲をオーケストラの生演奏で聴けるということ。さらに、完全なる着席スタイルということ。僕のライヴで、ラルク(L‘Arc-en-Ciel)を含めて、そうやって楽しむものはまずないので。落ち着いて、目をつぶって音楽を聴ける。そこが、僕は一番のエンタテインメントだと思ってます。あとは、僕が歌を頑張っているところじゃないですかね。

──歌が丸裸になりますもんね。

そうなんですよ。そこが、やってても面白いところだと思います。僕も真剣勝負でいかなきゃいけないから。怖いところでもあります。

──バンドではなく、オーケストラをバックに歌うというのは、ヴォーカリストとして気持ちいいものなのですか?

気持ちいいと思えば気持ちいいですね。思わないと、緊張感だけになっちゃうんじゃないですか。楽しいっていうことを理解して歌うと、ものすごく素晴らしいです。やっぱりね、みなさん音楽の英才教育を受けてきた方々なので、そんなみなさんに負けるとヤバいじゃないですか。

──HYDEさんの歌が?

そう。そういう心境になってしまうとプレッシャーで歌が楽しくなくなるので、それに負けないようにもっと気持ちよく歌う。“俺が主役!”という気持ちで歌う。そうなれたときは気持ちいいですね。だってね、そういう英才教育を受けてきた方々が、一生懸命自分の曲を演奏してくださること自体、普通に考えても嬉しいことじゃないですか。バンドだとごまかせるんですけど、オーケストラだとそこはシビアなので、上手く歌えなかったら「穴があったら入りたい」レベルになっちゃうんですよね。

──あの百戦錬磨のHYDEさんでも?

うん。ちょっとでも声が出なかったりすると、そういう気持ちになる。ロックだとね、声が出たらギリOKなところもあるんですけど、そこはシビアなんですよ。オーケストラは。だから、もっともっと本番までに練習しないとダメだなと思ってますね。

──練習するんですか?

練習しますよ。しすぎるとダメになるんだけど(笑)。 昔はしなかったですけど、いまはします。苦手なところとか。

──ロックヴォーカリストとして激しい動のHYDEでは幕張を制し、静のHYDEでは、オーケストラツアーのファイナルとして神奈川県・ぴあアリーナMM2daysを開催。こんなことは、HYDEさんしかできないと思います。

すいません(苦笑)。でも怖いですよ。風邪をひいたらどうしようって。

──そこは激しいほうとは違って、体調や喉の管理も。

かなりシビアになりますね。

──静かなほうは、激しいHYDEと歌い方も全然変わるのですか?

いや。歌は結局一緒なんですよ。激しいほうで得たスキルは、全部こっちでも使えて。互いに相乗効果があるんです。

──シャウトして歌ってるのと、静かにささやくように歌うのも変わりはないと。

やってることはそんなに変わらないです。もっとウィスパーにするのか叫ぶのか。(息の)量はちょっと違うけど、基本的には両方一緒なんですよね。

──ではJEKYLLとHYDE。HYDEさんのなかでこの2つはどんな関係性にあるのですか?

ご飯とパンじゃないですか。ずっとご飯だと飽きるでしょ? たまにはパンが食べたいなってなる。それで、パンばかり食べてると、またご飯が食べたくなる。そんな感じ。だからね、『JEKYLL』のツアーはすごい楽しみなんですけど、いまからその次にまた激しくなるのも楽しみなんです。ご飯が終わって、またご飯だったら楽しみは無いけど。間にパンがあるから、次のご飯がまた楽しみになる。いまからそのご飯が楽しみなんです。って考えると、普通のバンドって、凄いですよね。ツアーが終わったら、またレコーディングして、またツアーしてって。

──将来的にはJEKYLLとHYDEの対バンとか考えてたりするのですか?

いや、どうでしょう。考えたことなかったな。そのアイデア、いただきます(笑)。HYDEの日とJEKYLLの日、別々にっていうのはやりやすいけど、当日にやるのは…そうですね。考えておきます。

──静かなHYDEでも海外を攻めたいという野望は?

前回やったときから、アジア各国からオファーはありましたけど、時間があればっていう感じですかね。さほど、こっちの静のHYDEを世界に広めようとは思ってないんで。いまのところは。ロックのほうではそういう気持ちはあるんですけど、こっちを世界中でやりたいとは思わないですね。JEKYLLでマディソン・スクエア・ガーデンからオファーがきたとしても「え! こっちでやんの?」ってビビっちゃうかもしれないです。でも、今回はウィーンでやるんですよ(2026年5月25日<HYDE Orchestra Tour 2026 JEKYLL>追加公演としてオーストリア・ウィーンにて、日本人ロックアーティストとして初めてウィーンのオーケストラと共演する特別公演を実施)。

──すごいじゃないですか!

そうなんですよ。オファーがあったとき、これはもうスケジュールが大変でもやるべきだと思って決めました。

──では、今回オーケストラツアーに初めて参加するという方々に、HYDEさんからコンサートを楽しむためのアドバイスがあったらお願いします。

僕の歌を座って聴いてるだけでいいです。

──ソロ以外に2026年、LA’rc-en-Ciel は35周年を迎えますが。こちらは?

ツアーが発表されたので今から楽しみですね!

──最後に、HYDEさんから読者に向けてメッセージをお願いします。

この後はラルク、その次はたぶん激しいHYDEになるんじゃないかと思うので、しばらくこのオーケストラ公演を観られる機会はないと思います。なので、ぜひここで観ていただきたいです。着席なので、おじいちゃんおばあちゃんにも優しいので、お年を召した方にもぜひ観ていただきたいです。

PRESENT

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公演情報

DISK GARAGE公演

HYDE Orchestra Tour 2026 JEKYLL

2026年1月17日(土)けんしん郡山文化センター (郡山市民文化センター) 大ホール
2026年1月18日(日)東京エレクトロンホール宮城
2026年1月20日(火)21日(水)フェスティバルホール (大阪)
2026年1月23日(金)札幌文化芸術劇場 hitaru
2026年1月25日(日)大宮ソニックシティ 大ホール
2026年1月29日(木)東京ガーデンシアター (有明)
2026年3月1日(日)レクザムホール (香川県県⺠ホール)
2026年3月13日(金)広島上野学園ホール
2026年3月14日(土)山口KDDI維新ホール
2026年3月21日(土)22日(日)愛知県芸術劇場 大ホール
2026年3月24日(火)福岡サンパレス
2026年3月31日(火)4月1日(水)ぴあアリーナMM

HYDE Orchestra Tour 2026 JEKYLL in Wien
2026年5月25日(月)ウィーン・コンツェルトハウス 大ホール(オーストリア)

INFO

【HYDE Orchestra Tour 2026 JEKYLL】1月29日(木)映画館ライブ・ビューイング&全世界配信決定!

2026年1月29日(木)19:00開演 ※JST
全国各地の映画館にて

RELEASE

「THE ABYSS」

NEW SINGLE

「THE ABYSS」

2026年1月29日(木)SALE

※初回限定盤[CD + M∞CARD(エムカード)]、通常盤[CD]
※画像は初回限定盤

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