堂珍嘉邦 LIVE 2022 “Now What Can I see ?
~Drunk Garden~”
2022年11月12日(土) 日本橋三井ホール
Band:Dr.kyOn(Keyboards, Backing Vocal)
木暮晋也(Guitar, Backing Vocal)
真城めぐみ(Backing Vocal, Percussion)
砂山淳一(Bass)
山下あすか(Percussion, Backing Vocal)
2022年11月12日(土)、東京・日本橋三井ホールにて、『堂珍嘉邦 LIVE 2022 “Now What Can I see ? ~Drunk Garden~』が行われた。
この時期に同名のライブを日本橋三井ホールで開催するのは、2020年11月17日(火)、42歳の誕生日に行って以来、三回目である (一回目の模様は、映像・音源で作品化された)。
ただし、前の二回は、コロナ禍のため無観客生配信だったので、有観客では今回が初。ゆえに堂珍、最初のMCで「待ちましたわ、この瞬間を!」と喜びを露わにする。なお、44歳の誕生日(の5日前)であることに加え、自身のソロデビューから10年の節目であり、CHEMISTRYデビュー20周年の一連の活動が終わった直後でもある、というタイミングでもあった。
前回と同じく、新旧の自身の曲が2/3、カバー曲が1/3、という企画ライブ。バンドは、Dr.kyOn(Keyboards,Backing Vocal)、木暮晋也(Guitar,Backing Vocal)、真城めぐみ(Backing Vocal,Percussion)、砂山淳一(Bass)、山下あすか(Percussion,Backing Vocal)、というメンバー。おなじみのミュージシャンも、初参加のミュージシャンも含めて、強力なプレイで18曲・2時間強、堂珍の歌を支えた。
1曲目は、2020年の時と同じ、ジェフ・バックリィ「LILAC WINE」のカバー(そういえば彼が亡くなってからもう25年になる)。厳かなピアノと儚い堂珍の歌声で、ライブがスタートする。続く「悲しみシャワー」から、一転してアップテンポになり、オーディエンスのハンドクラップが響く。
この日、歌われたカバー曲は、「LILAC WINE」と共に、前述のライブ作品に収録されているFishmans「いかれたBABY」のほか、スガ シカオ「黄金の月」や、今年9月の明治座の舞台で披露した山下達郎「SPARKLE」など、バラエティに富んだ選曲だった。
ただ、5曲目の「CHEEKY」と、8曲目の「HEAVENLY」は、ちょっと説明が必要かもしれない。前者は、1993年9月から1996年3月まで、わずか2年半の活動期間に3作のアルバムを遺した、車谷浩司(後にAIRとして活躍)と、石田小吉(後にScudelia Electroを結成、スピッツ等多数のアーティストのプロデュースも手掛ける)のユニット=Spiral Lifeの、ラスト・アルバム『FLOURISH』の収録曲。後者は、ハナレグミこと永積タカシ・クラムボンの原田郁子・Polarisのオオヤユウスケのユニット=ohanaの唯一のアルバム『オハナ百景』(2006年)からの曲である。
いずれもいい曲だが、いずれも誰かがカバーするのを聴けるのは、極めてめずらしい。「CHEEKY」も「HEAVENLY」も、まるで彼の曲であるかのように、自然にセットリストになじむ歌いっぷりだった。
そして、7曲目では、CHEMISTRYのファーストアルバム『The Way We Are』で堂珍がKeiko Leeと歌っている「星たちの距離(ディスタンス)」を、真城めぐみとデュエット。去年のクリスマスの配信ライブでも披露されたが、客前ではこれが初めて、ということで真城めぐみ「これはなかなかね、お客さんの前で歌うのは、緊迫しますね」。堂珍「じゃあ、いい歌歌うね」とフォロー、その言葉どおり、ふたりとも見事に美しいハーモニーを聴かせる。
「HEAVENLY」「いかれたBABY」、そして「黄金の月」(2022 年7月7日に東京スカイツリータウンのプラネタリウム・ライブで歌った時とはバージョンを変えて明るい感じにした、と紹介)と、カバー曲が3曲並んだゾーンを経て、「懐かしいやつ行くよ!」と11・12曲目で歌われたのは、「LOVE POTION」と「Damaged cupid」。どちらも2014年リリースのセカンド・アルバム『Bronze Caravan』の曲で、フロアの温度をアッパーにしていく。その熱い空気のまま「SPARKLE」、そして「Reflexion」「BIRDY」で本編が終了。
「まず、5年ぶりにこうやってみんなとライブを行えたことを、本当に幸せに思います、ありがとうございます」
「自分がソロでやりたいことは……大げさかもしれないが、生きるか死ぬか、ここで人生が決まる、ぐらいの30代だった。今は経験という財産をいただけて、すごくナチュラルな自分がいると思っています」
アンコール、そのようなMCを経てギター1本で始まったのは、ビートルズの「Black Bird」と、自身のソロ・デビュー・シングル「hummingbird」と、ジョン・レノンの「Happy Christmas」をつないだメドレー。
が、曲が終わると、また突然バンドが演奏を始め、バースデーケーキが運ばれてくる、というサプライズあり。何も知らされていなかった本人、慌てながらスタッフにうながされ、ケーキを持ち、メンバーと記念撮影をする。
「44歳、先は長いような、短いような……僕は、得意じゃないかもしれないですけど、コツコツこれからも、音楽活動をがんばっていきたいなと思います。よろしくお願いします。一緒に歳をとりましょう」と、44歳になる抱負を言葉にしてから、「今のところの最新シングルになるのかな」と、2021年4月に「愛の待ちぼうけ」と両A面でリリースした、「My Angel」を歌う。
さらにダブル・アンコールで「Euphoria」を追加。9年前の曲だが、「見つけた 限りない プロミスランド 忘れかけてた 笑顔咲かすよ all around」というラインは、今ここにいるオーディエンスに向けて書かれたかのように、幸福に響いた。
このライブの模様は、堂珍嘉邦の44歳の誕生日の当日である11月17日(水)から、Streaming+で配信される。
SET LIST
01. LILAC WINE(ジェフ・バックリィ Cover)
02. 悲しみシャワー
03. ALL MY LOVE
04. evergray
05. CHEEKY(Spiral Life Cover)
06. Reminisce
07. 星たちの距離
08. HEAVENLY(ohana Cover)
09. いかれたBABY(Fishmans Cover)
10.黄金の月(スガ シカオ Cover)
11. LOVE POTION
12. Damaged cupid
13. SPARKLE(山下達郎 Cover)
14. Reflexion
15. BIRDY
ENCORE1
01. Black bird(The Beatles Cover)~hummingbird~Happy Chraistmas(John Lennon Cover)※メドレー
02. My Angel
ENCORE2
01. Euphoria
※配信チケットは11月23日(水・祝)18:00」まで購入可能、11月23日(水・祝)23:59までアーカイブ視聴可能
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