TOKYO ISLAND
2022年9月23日(金・祝) 〜9月25日(日) 海の森公園(森づくりエリア)
2022年9月23・24・25の三連休に、野外音楽フェスティバル『TOKYO ISLAND』が、初開催された。
●毎年5月連休にさいたまスーパーアリーナで開催されている『VIVA LA ROCK』のプロデューサーである鹿野淳が立ち上げた、ふたつめのフェスであること。
●お台場の埋立地の島である海の森公園、つまり「東京都心にある無人島」という、他に類のない場所で行うこと。
●鹿野淳がこの会場を見つけたのは2011年で、実は『VIVA LA ROCK』を始めるにあたっての候補地のひとつでもあったこと。
●そして、さいたまスーパーアリーナで始めた『VIVA LA ROCK』が軌道に乗った後の2015年、公園がオープンする前に、第二のフェスの候補地として、ここでプレイベントを行ってみたこと。
●ただし、その後、海の森公園は、東京オリンピックの開催や、コロナ禍によるその延期等の事情で、2016年→2020年→2021年以降、と開園が延び、2022年現在も、まだ開園していない。よって、今年、「公園がオープンする前にフェスを開催する」という、異例中の異例みたいな事態になったこと。
と、箇条書きにしたくなるくらい、いろんな意味で、いろんな角度から前代未聞のこのフェスの初開催は、どんなものだったのか。体験記を書いてほしい。という依頼を、DI:GA ONLINEからいただいて、開催2日目の9月24日(土)の朝から3日目の25日(日)の昼過ぎまで、滞在して来た。
なので、「このアーティストのライブはこうでした」ということを書くのではなく、「全体にこういうフェスでした」という報告が、このテキストの趣旨です。
なお、言い訳ですが、1日半しかいなかったのは、23日と25日は、先にライブ仕事が入っていたからです。なければ初日から行ったんだけど。初日、Caravan出てたし。なお、彼は、2015年のプレイベントにも出演している。
では、どんなフェスだったか、どんな環境だったか、などを……これも、3つくらいに分けて箇条書きにした方が、書きやすいし、わかりやすいな。そうします。
あ、その前に、このフェスについての、プロデューサー鹿野淳のインタビューが、開催前にリアルサウンドにアップされていたので、まずそれを読んでいただくと、わかりやすいかもしれません。こちらです。
(Real Sound:鹿野淳が東京で見つけたフェスにとって宝島のような場所ーー苦節10年以上の『TOKYO ISLAND』立ち上げの背景を語る)
では始めます。
●天候について。
ご存知のように、この3連休の頭2日は、温帯低気圧が北日本〜東日本を覆っており、各地で荒れた天気になった。このフェスも、初日は雨風で大変だったらしい。僕が行った2日目も、雨は降ったりやんだりだし、風は全体に強いし、けっこうな天候だった。
特に夕方以降。17:25からISLAND STAGEで始まる予定だったBiSHのステージの直前に、(雨は降っていなかったのだが)雷警報が出て、参加者全員、ステージのすぐ右と後方の左にある避雷針、いずれかの半径100メートル以内に集まるよう、指示が出る。で、しばらくその状態で待ったが、警報が解除されないので、その「全員がどっちかの避雷針のそばにいる」状態で、BiSHのライブを始めることを、運営は決断。
よって、約半数の人たち(僕もそっちにいました)は、遠くからしかBiSHのライブを観れなかったが、半分くらい終わったところで警報が解除され、それ以降は前まで行って観れた。
さらに。続く、TOKYO STAGEのTHE BAWDIESは、普通にライブをやれたが……いや、普通じゃないな。途中でまた雨が降ってきて、フロントの3人、濡れながら演奏していたし。でも、それが彼らの中の何かに火をつけたのか、めちゃくちゃいいライブだった。
しかし。続くISLAND STAGEのトリ、マカロニえんぴつは、機材が濡れてトラブルが起きる危険性が高い、ということで、雨風が弱まるのをしばらく待ったが、このままでは参加者が帰れなくなってしまう時間になるので、断念。急遽、はっとりひとりでエレキギターで弾き語り、ということになった。
ラストの「なんでもないよ、」のみ、キーボードの長谷川大喜とふたりで演奏。そのあと、全員出て来てあいさつした。はっとり、空を見上げながら「……これ、やれたなあ……」と悔しそうだった。でも──この日しかマカロニえんぴつを観る機会がなかった方には、とても申し訳ないが、各地のフェスで何度も観ている僕としては──「うわあ、レアなもの観れた」という気持ちもありました、正直。トモフスキーのカバーとかやったし。
なお、そのあとのクロージング・アクト(このフェスでは「NIGHT TIME LIVE」という名称)のSuspended 4thのライブは、普通に行われた。って、普通じゃないんだってば、だから。「雨風の中、敢行された」という言い方が正しいです。でも「(雨に濡れてギターの)塗装がやべえ」とか言いながら、やはり逆にエンジンかかった感じのステージだった。アンコールもやってくれたし。
あと、本来ならマカロニえんぴつが終わったところで上がるはずだった花火が、BiSHの終わりに変更されたのも、悪天候によるものだと思う。BiSHが雷警報で遅れたので、マカロニえんぴつが終わるまで待ったら花火を上げていい時間のリミットを超えてしまう、とか。
そして、翌日=25日(日)は、朝から快晴。プロデューサー鹿野淳、前説で「晴れたぞー!」と叫んでいた。いかに初日と2日目が大変だったかが、うかがえました。