●その他の、このフェスの特色など。
僕はクルマで行ったのだが、駐車場に着いて、歩きで「入場はこちら」という看板のところに行って、坂道を上がって入場ゲートをくぐるまで、15分もかからなかった。会場内も、ステージとステージの移動も、先に書いたようにすぐだし、ISLAND STAGEエリアの後方にある飲食エリアも近い。というふうに、野外フェスにしては、延々歩くようなことがない方だと思う。
あと、遊びに来ていた人も、運営各社のスタッフも含め、何人か知り合いに会ったのだが、テントを張って泊まると言ったら、全員に驚かれた。最初は「なんでよ? キャンプできるんだから泊まるでしょ」とか思ったのだが、あれ、つまり、「こんなに家から近いのに泊まるの?」という意味で驚かれていたんだな、ということに、あとから気がついたのだった。
たとえば、『METROCK』や『PIA MUSIC COMPLEX』などのフェスが行われている新木場の若洲公園、この海の森公園の隣、と言っていいくらい、近いのですね。私は『METROCK』に行くのに、泊まるでしょうか。泊まるわけないじゃん、毎日余裕で通える距離だし。ということですね、要は。
あと、僕が知人たちに、「余裕で家に帰れる距離なのに、キャンプできると知ったら、したがるタイプの奴」と思われていなかった、というのもあるだろうな、これ。と、今、書きながら気がついた。まあ、思われていても、いなくても、どっちでもいいんですが。
でも、テントの前で煮炊きOKだし(直火はNGだけど)、エリアは広いし、雨風の中にもかかわらず、泊まり心地は悪くなかったです。
それから、もうひとつの特色として、各アーティストの持ち時間が長い。ISLAND STAGEが50分(初日と2日目のトリは60分)、TOKYO STAGEが45分、というのは、邦楽のフェスとしては、たっぷりな方だと思う。
3日目のISLAND STAGEのトップの四星球、「50分もあるんです!」とネタを山ほど詰め込んだ結果、4曲で30分使い、40分くらい経過した段階で康雄が「50分もあるんですが、押すと思います!」と宣言。で、実際、4分くらい押していた。
そして。先に貼ったインタビューの中で鹿野淳も話しているとおり、本当にここ、不思議な場所だった。
大都会にあるのに無人島。お台場からクルマで10分くらいなのに、巨大な森が広がっている。東京湾の中で、島だからあたりまえなんだけど、海に囲まれていて、あっちを向いてもこっちを向いても、巨大な橋がかかっている。会場を出ると、道路沿いに、でっかい風車がふたつ回っている。
TOKYO STAGEエリアの右側など、東京湾の景色が見える箇所があちこちにあるのだが、特に夜景、すごかった。見るたびに「うわあ……」と声が出る感じ。今自分はどこにいるんだ? 何をしているんだ? という、マジカルな気分になった、何度も。
四星球のライブの時、康雄は、「この一回目に自分は行ったんや、ということが伝説になるんですよ!」みたいなことを言っていた。そうなることを望みます。運営側も、来年いろいろリベンジしたいこと、あるだろうし。
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