『MUNETAKA』ってどんなイベント?今注目のアーティストが大集結した『MUNETAKA SPECIAL 2019』総括レポート!

ライブレポート | 2019.10.07 15:00

the shes gone

2017年のRO JACK for COUNTDOWN JAPAN 17/18 優勝アーティストとして注目を集め、今年1月にUK.PROJECTから全国デビューを果たした3人組がサポートドラマーを招いた4人編成で登場。スマートなライブ運びは映画を観ているように滑らかで、繊細なメロディと浮遊感のあるサウンドは、あたたかくもどこか仄暗いクールさを孕む。「今日いちばんあなたのそばに行けたらと思います」という宣言のとおり、切なさにポップネスを溶かしていく音色とボーカルで、聴き手の記憶や感傷を色付けた。「甘い記憶」は煌めくミラーボールが楽曲の素朴な美しさをより引き立て、バンドのアンサンブルも効果的に響く。東京出身のバンドならではの洗練された佇まいにも天性のセンスが垣間見られた。

the shes gone セットリスト
1. 最低だなんて
2. 化物
3. ラブストーリー
4. 想いあい
5. 緑とレンガ
6. 甘い記憶

みゆな

2018年に活動をスタートさせてからというもの飛ぶ鳥を落とす勢いで注目を集め続けている宮崎県在住のシンガー。強さと色気を併せ持つ歌声は代表曲「ユラレル」のようなマイナーキーのメロディと相性が良い。リズミカルな「グルグル」ではラップライクなボーカルアプローチやファルセットで色を付ける。残念ながら頭2曲しか観られなかったが、大胆不敵な歌いっぷりに彼女の脂の乗り具合を感じた。

みゆな セットリスト
1. ユラレル
2. グルグル
3. 僕と君のララバイ
4. ガムシャラ
5. 缶ビール
6. 願い
7. ふわふわ

THREE1989

西暦1989年生まれのボーカル、DJ、キーボーディストで構成されたアーバンポップバンドがこの日の大トリ。ドラマーと女性コーラス2名とともに繰り出す心地いいビートとスタイリッシュなメロディ、オープンマインドなステージングでもって、ピースフルな空気感を作り出す。ロマンチシズムと人懐っこさを兼ね揃えた楽曲は、たちまちその場に集まった観客の心の壁を壊していった。現在10週連続リリース中ゆえに制作詰めとのことで、Shohey(Vo)はその反動からか「まじで楽しい!」と興奮が止まらない様子。まさに“MUNETAKA”になった結果、彼は突如キーボードとともにマイクを通さない生歌で「涙のダンスフロア」を1コーラス歌うことに。まさかの展開と彼の迫力ある歌声に、フロアの熱視線も高揚も勢いを増すばかりだった。アンコールは「僕らをここまで奮い立たせてくれてありがとうございます」という言葉のあと代表曲の「UMBRELLA」で軽やかに彩る。最後は一本締めという意外性も彼らのキャッチーな人柄がよく表れていた。

THREE1989 セットリスト
1. UNIVERSE
2. mint vacation
3. High Times 2020ver.
4. 涙のダンスフロア
5. DA・KE・DO
6. Part Time Summer

ENCORE
UMBRELLA

名は体を表すとはよく言ったもので、『MUNETAKA』という名前に引っ張られてか出演アーティストたちもより強く「自分たちと観客たちの胸を高鳴らせるステージ」に意識的だった印象を持った。もし『~CARNIVAL』という名前だったら、またイベントやライブの雰囲気も違うかもしれない。胸を高鳴らせる――それは見た目にはわかりにくい変化かもしれないが、人間の興奮、喜びや楽しみにとってとても重要なこと。同イベントに覚えたフラットながらの充実感はそれも影響しているのかも、なんて思う終演後であった。

様々な会場とコンセプトで開催されてきた『MUNETAKA』シリーズだが、次回はイベント過去最高規模の新木場Studio Coastで開催。その名も『MUNETAKA Special Halloween Night』ということで、MUCC、首振りDolls、ミオヤマザキというかなり濃厚なスリーマンが組まれている。どんなMUNETAKAな時間を過ごせるのか、それはぜひ現場で体感していただきたい。

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