ウルフルズ ツアー2019 センチ センチ センチメンタルフィーバー “飛翔篇”
2019年6月14日(金)Zepp DiverCity(TOKYO)
【サポートメンバー】Gt.桜井秀俊(真心ブラザーズ) / Key.浦清英
東名阪福仙札8本を回った、ウルフルズの『ツアー2019 センチ センチ センチメンタルフィーバー“飛翔編”』の6本目、6月14日(金)Zepp DiverCity(TOKYO)。今年2~3月に回った対バンツアーは、サポートメンバーなしでトータス松本とジョンBとサンコンJr.だけの3ピース編成、トータス松本が歌いながら全曲ひとりでギターを弾くという、余裕ゼロ・終始必死な状態に自らを追い込んでのツアーだったが、今回はキーボードにおなじみ浦清英、ギターに真心ブラザーズの桜井秀俊を迎えた5人編成でのツアー。
両端のサンコンJr.(ドラム)とジョンB(ベース)は床の高さ、その横の一段上の左右に桜井と浦、そして中央に3段目があるステージセットで、そこにトータスがすくっと立った状態で、1曲目「センチメンタルフィーバー ~あなたが好きだから~」がスタート。ステージ前に貼られたスクリーンにまずトータスのシルエットが浮かび上がり、それが振り落とされて全員の姿が見える、というオープニングだった。
なお、「センチメンタルフィーバー ~あなたが好きだから~」は、このツアーの終了直後、6月26日(水)にリリースされるニュー・アルバム『ウ!!!』のオープニング曲で、ジョンBもリードボーカルを取る。ステージ後方中央には、『ウ!!!』のロゴが輝いている。
2曲目「ガッツだぜ!!」の後半では中央の3段目でソロを弾きまくったり、4曲目「かわいいひと」ではソロ明けのライトハンド奏法によるフレーズをオリジナル音源どおり再現したり、桜井秀俊、大活躍。プレイの確かさは言うに及ばず、プラス弾いている時の顔面の表情の豊かさが観る者の目を釘付けにすることでおなじみの浦清英も、8曲目「愛がなくちゃ(2018ver.)」のピアノイントロでシンガロングを巻き起こすなど、各所でライブをひっぱっていく。
Zepp DiverCity(TOKYO)といえば会場前のユニコーンガンダム、ということから、自分は大仏なんかの巨大建造物が怖い、怖いから各地に観に行く、もう国内のやつはだいたい観た──という話をしたり、大河ドラマ『いだてん』出演の話をしたり、「愛がなくちゃ(2018ver.)」を歌い終わって「いやあ、気持ちいい!」と叫んだと思ったら「ごめん、自分の気持ちを言うて。自己満足やん。『(お客さんに)気分はどうかね』言わなあかんのに」と反省してみせたりするトータス、前回のツアーと比べるとちょっと余裕ある気がする。歌は変わらず、いやそれ以上に終始全開だが。
13曲目「明日があるさ」で事件勃発。この曲、間奏で桜井が木琴を叩くという見せ場があるのだが、そこでソデから木琴を押して出てきたローディ、なんとYO-KING。トータス、「いつから仕込んでたん?」。突然のガチ乱入だった証拠にYO-KINGのマイクが用意されておらず、トータスのマイクを奪って「いや、今日はバイトで来て、まさかウルフルズの現場とは」とか、「桜井、衣装ハデすぎ!」などと話し続けるYO-KINGに、「トータスのマイクで長々しゃべるんじゃない!」と桜井がつっこんでオーディエンス爆笑。急遽マイクを用意してもらったYO-KING、「この曲終わるまでいてもいい?」と場に居座り、木琴を叩く桜井の横で「間違えろ!」と叫んだり、かと思うと「星野 源よりうまい!」とおだてたり、自由にも程がある言動の末に、真心の30周年を宣伝して去った。桜井は「大変ご迷惑を!」と詫び、トータスは「……あかん、完全に自分のペースを失ってる。ウィルスに冒されたみたい。ちょっと一回クールダウンするわ」と、次曲までちょっと間をとる。
14曲目「ロッキン50肩ブギウギックリ腰」を経て、2丁拳銃マイクのパフォーマンスを見せた15曲目「しあわせですか」と16曲目「ウルフルズA・A・Pのテーマ」は、2曲ノンストップでたたみかける。本編ラストは、『ウ!!!』(そういえばこのタイトルはサンコンの発案であることが途中のMCで明かされた)のリード曲「リズムをとめるな」。アンコールは「バンザイ~好きでよかった~」で、今日何度目かの大きなシンガロングを巻き起こし、幸福に締めくくった。
「センチメンタルフィーバー ~あなたが好きだから~」「ありがっちゅー」「パワー」「変わる 変わる時 変われば 変われ」「ひとつふたつ」「リズムをとめるな」、あと今回再録されている「愛がなくちゃ(2018ver.)」も含めると、『ウ!!!』収録の10曲のうち7曲を披露した、「これアルバムリリースのツアーなの?リリース前なのに?」というセットリストだったことに、終わってから気がついた。「先にこんなに生で聴けてうれしい!」という興奮が場を支配していて、そのことに対する戸惑いは皆無だったので。
なお、2019年の夏のウルフルズは、MCでトータスが「フェスいっぱい出ます」と言っていたとおり、『京都大作戦』や『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』、『ジャイガ』、『MONSTER baSH』など各地のフェスに出演する。トータス松本は9月29日(日)山梨での藤巻亮太プレゼンツのイベント『Mt.FUJIMAKI』にも出演。そして2020年の2月から3月にかけて、ファンクラブ会員限定のライブハウス・ツアー(全国14本)を行うことも、今回のツアーの終了と同時に発表された。
SET LIST
01. センチメンタルフィーバー 〜あなたが好きだから〜
02. ガッツだぜ!!
03. ありがっちゅー
04. かわいいひと
05. パワー
06. 変わる 変わる時 変われば 変われ
07. ひとつふたつ
08. 愛がなくちゃ(2018ver.)
09. 暴れだす
10. それが答えだ!
11. ええねん
12. 笑えれば
13. 明日があるさ
14. ロッキン50肩ブギウギックリ腰
15. しあわせですか
16. ウルフルズA・A・Pのテーマ
17. リズムをとめるな
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01. バンザイ〜好きでよかった〜