──面白かったのは「Kitchen」。これ、はっきり言ってないけれど、深夜のキッチンに何が出てくるんですか。
GENこれは負の感情というか、深夜にいろんな不安とかが出てきてしまって、眠いけど今日という1日を終わらせたくなかったりとか、眠りとの間で何時間もたってしまう感じを、こういうふうに書いてみました。
──そんな深い曲だったとは…。あと「Galapagos」も大好き。めちゃくちゃハードだけど賑やかでユーモラスで。
GENどうですかRYU-TAくん。出番かなりありましたよ。
RYU-TA俺が歌ってる部分って、すごいこと言ってるんですよね。俺の声を使える歌ができて良かったと思います。かっこいいし、展開も面白いし。
GEN僕らのふざけてる部分を、この曲には一番入れられたかなと思います。ふざけるって「尖ってる」に近いと思うんですよ。ここまで来たこの状況だからこそ、ふざけちゃう俺らというか、もうちょっと普通な曲にしてもいいはずだけど、そうしないアティテュードですね。
──これ、曲のバックでいきなり「コラァ!」から始まって、なんかいろいろしゃべってるでしょう。全然聞き取れないけど(笑)。何言ってるんですかこれ。
GENあれは某CMのパロディなんですよ、名古屋ローカルの。知ってる人もたぶん気づかないと思う。明宝ハムっていうハムのCMが好きで、ただそれを入れてるだけです(笑)。曲の途中でワチャワチャ言ってるやつも、一応全部意味があるんですけど、そこはあんまり説明しすぎたくないので。よく聴けばわかると思いますよ。
──「memory lane」もすごくいい曲だなあ。
GEN結成10年ということを考えた時に、「message」も僕らだし、「Galapagos」のRYU-TAのシャウトも僕らだし、「Milestone」も僕らだし、「Alien」とか新しさのある僕らだと思うんですけど、「memory lane」も、バンドを始めた時のパワーポップ感とか、少ないコードで突き進んでいく感じが、僕らの大事な要素だと思っていたので、ここに入れたかったんですね。
──あとはやっぱり「Shine」。これ、オルガン入ってるでしょう。
GENそうなんです。よくお気づきで。
──オルガンと、あとグロッケンみたいな音が入って、すごくサウンドが豊かになっていて。ものすごい成長を感じました。
GENそこ、みんなあんまり触れてくれないんですよ(笑)。やっと触れてもらえました。実は今回、SPECIAL OTHERSのキーボードの芹澤さんにオルガンと鉄琴を弾いてもらったんですよ。僕がスペアザに1曲参加させてもらうことがあって、その流れがあったのと、もともと鉄琴を入れたいなと思っていたところに、最近出たスペアザのアコースティック・アルバムにすごくいいグロッケンが入っていて。誰だろう?と思ったら芹澤さんで、頼んでみたら二つ返事でやってくれることになりました。おかげで「Shine」の多幸感がすごく増した感じがします。
──これ、ギターもめちゃいい音してる。
GENアコギ入れたのも大きいですね。
HIROKAZギター自体は、CM用に作った時(*ロート製薬「スキンアクア」CMソング)からそんなに変わってなくて。ただ、オルガン用のレスリースピーカーというのがあって、それを使って音の揺れを出したんですけど、そこはこだわったところですね。
──あれ、レスリーですか。道理で、昔のクラシック・ロックみたいな雰囲気ある音だなあと思った。ほかに、誰かプッシュしたい曲があればぜひ。
KOUHEIどれもプッシュしたいけど、今挙がってない中で言うと「Alien」かな。自分がライブのセトリを組んでる時に、「こういう繋ぎがあったら面白いな」というところから生まれたんですけど、まずイントロから作って、ドラムでミクスチャーみたいなリズムを作って、でもなかなかゴールが見えなくて。結果、全然違うものになりましたけどね。
GENよりミクスチャーっぽくしたかもしれない。好きなジャンルなんですけど、実際やることはあんまりなかったので、こういうリズムは初めてかも。あと、ギターのチューニングを初めてドロップDでやったんですよ。今は楽器チームもいて、ライブでも難なく持ち替えができるので。
──ああ、そうか。ドロップ・チューニングしちゃうと、持ち替えが面倒だから、ライブでやりにくい。
GENそう。僕らはいつも、ライブでやることを考えるので。再現しれきれないことはしたくないんですけど、今だったらできるなと。