ライブハウスから大規模フェス、さらにアリーナ単独公演へ。あっという間にビッグなバンドへと成長したフォーリミだが、人間の本質はそう簡単には変わらない。前作からおよそ2年ぶりに届いたサード・フルアルバム『SOIL』は、ルーツであるパンク/ハードコアの楽しさと激しさをキープしたまま、音楽的冒険と遊び心を自然体で表現した最高の1枚になった。結成10年を迎える記念の年、誰と比べる必要もない等身大の音を力強く鳴らし始めたバンドの現在位置について、メンバー4人に話を訊こう。
──オリジナル・アルバムは2年振りですか。聴き手からするとちょっと待ったな感もあるけれど、出す側としたらどうなんだろう。
GEN(Ba/Vo)ちょうどいいぐらいのペースですかね。これ以上短いと、作るために作らなきゃいけないという感じがするんですけど、これぐらい空いていれば、それだけ言いたいことや入れたい曲があるから、ちょうどいいなと思います。メジャーだったら、1年に1枚ぐらいは出せって言われるものだと思うんですけど、僕たち言うこと聞かないんで。
──あはは。えらい。
GENあんまりペースが速いと、消費されちゃう気がする。忘れられないために出すわけじゃないので、ちゃんと意味があるものが作れたと思います。
──ほんとそう思う。すごくいいアルバム。自然体ですね。やりたいことを伸び伸びやってる。
KOUHEI(Dr/Cho)本当に僕たちの中から自然と出てきた、「こういう音楽が好きだ」と声を大にして言えるアルバムになったと思います。前はもっと頭を使っていたというか、広げようとして作ったアルバムだった気もしていて。でも今回は、僕らというものをただただ体現した、等身大のアルバムになったのかと。この2年の成長が作品にできたのかなと思いますね。
RYU-TA(Gt/Cho)本当に攻めれたアルバムというか、僕らの好きな元々のルーツもわかってもらえるアルバムになったと思うんで。ライブハウスでライブをするのが楽しみなアルバムになりました。
HIROKAZ(Gt)1曲目がメロディックで速い曲で、しかも英語詞なんで。昔のお客さんがもう1回聴きたくなるようなアルバムだし、新しいお客さんにも刺さると思う。「やっぱりフォーリミ、変わってないな」っていう感覚を出せたんじゃないかなと思います。
──1曲目の「message」って、歌詞にもしっかり意味があるでしょう。「会ってない間にもいろいろあったよ」って、旧友との再会を喜ぶような。
GEN10年前の自分に留守電を入れてる設定なんですよ。あんまり大きな声で言うのも恥ずかしいんで、英語で照れ隠ししてますけど。
──この曲、ドラム最高。
KOUHEIありがとうございます。「Squall」ぐらいからなんですけど、一音一音を大事にしようと思うようになってから、音のカタマリ感が変わってきて、ちゃんと届いてるなという感じがしてるので。昔の2ビートとは乗り方が変わってる気がしますね。今まではパッションだけ、みたいなニュアンスだったんですけど、今は熱い気持ちもありつつ、音の正確さを求めた気がします。
──もう好きな曲ばっかり。「Milestone」は最高にいいメロディ。こういう、ポップス的な泣けるメロディを作れるのはフォーリミの絶対的強みだと思う。
GEN僕らのメロディックな要素はもちろんなんですけど、ただキャッチーというよりは、泣ける部分をちゃんと入れられたと思いますね。