斉藤和義、敢行中のレコ発ツアーでより高まった「うたうこと」への気持ち。デビュー25周年ツアーは“新旧織り交ぜた選曲でお祭りを盛り上げる”

インタビュー | 2018.06.25 17:00

──7月25日に25周年記念アイテムとして『歌うたい25 SINGLES BEST 2008〜2017』がリリースされますが、まず思うのは“たくさん曲を作ってるなあ”ということです。
それは俺も思いました。働いてるなあって(笑)。
──(笑)。キャリアを重ねるなかで、曲はどんどん書けるようになってきた感じですか。あるいは、けっこう毎回絞り出してるんですか。
絞り出してもいるし、でもデビューの頃と比べれば少しは早く書けるようになってるような気もします。デビューした頃は、本当にどうやって作っていいのかわからなかったし、アルバム10曲なら10曲だけで、余分な曲なんてないというような感じでした。ただ、俺はスタジオに入ってから曲を作り出すことが多くて、貯めてる断片をスタジオに持ち込んで組み合わせて作ったり、それとは全然関係ないところからできたり、いろいろなんですけど、それにしてもスタジオに入りさえすれば何かできるはずという思い込みがずっとあって、あとはもう本当に締め切りのおかげだと思います。

すぐに絵が浮かぶ、口ずさめる曲を作りたいのはデビューの時から変わらない

──シングル曲の場合はそれぞれいろんなタイアップが付いていることも多いですが、そういう形である種のお題というかリクエストみたいなものが先にある場合の作り方に慣れてきた感じもあるんでしょうか。
そういうこともあるかもしれないですね。人から出てくるお題が、自分では思いつかないようなことだったりする場合もあるし、それが自分にとっても挑戦になったりすることもあるんですよね。
──もうひとつ感じるのは、最近の曲、特にシングルの場合は、できるだけシンプルな作りにしようという気持ちがはたらいているのかなということなんですが、そのあたりはいかがですか。
特にシングルとアルバムの曲を分けて考えてるつもりはないんですけど、それでもシングル曲となると自然とシンプルでわかりやすそうなものになっていくのかもしれないですね。元々、難解な曲は聴き手として好きじゃないし。サウンドとしてサイケっぽいものとか、そういうのはいまでも大好きですけど、メロディや歌詞についてはやっぱり1回聴けばすぐに絵が浮かんで覚えられるようなものが自分は好きだし、作るのもそういうもののほうがいいと思ってるんです。
──ソングライティングに関して、目指しているものというか良いと思っているものはこの25年を振り返ってもあまり変わっていないように思いますか。
どうなんでしょうね…。でも、多分そうだと思います。いわゆる歌謡曲が小学校、中学校の頃は好きだったし、自分の音楽のベースにあるものとしてそういう音楽がけっこうデカいと思っていて、ギターを弾き始めてから洋楽もいろいろ聴くようになりましたけど、例えばビートルズでもやっぱり好きなのはメロディがはっきりしてて展開がわかりやすくてという曲で。聴いてすぐに覚えられる3、4分の曲で、1回聴いたら短編小説を読んだり短編映画を見たような感じがして、すぐに絵が浮かぶ、すぐに口ずさめるっていう、そういう曲が好きなので、自分が作るものもなるべくそうでありたいというのはデビューの時から変わらないです。

作り方は毎回色々試していて。手グセで作るのは自分がどうも盛り上がらない

──そういうベースがあるなかで25年にわたって曲を作ってきて、上手になったというか、思っていたことの達成度や達成率が高まったという感覚はありますか。
曲作りのコツみたいなものはいまだによくわからなくて、昔からそうですけど、例えばまずドラムのパターンだけがあって、このリズムに乗せて何か作りたいというところから始まる場合もあるし、ベースのリフだけがあって、それで1曲できないかなとか、そういう作り方が多いんですよね。聴いてるほうからすると、アコギ1本で歌詞もメロディもいっしょに作ったような印象の曲が多いかもしれないですけど、じつはそういう曲はあまりなくて。というのも、そういうふうに作ると、自分の手グセがすごく出てしまうから、「またこれ弾いちゃった」「また似たような曲になっちゃった」ということになるんですよね。手グセみたいなもので作るのも、それはそれでありかもしれないですけど、でも俺はそういうのは自分がどうも盛り上がらないから。
──同じことの繰り返しみたいになるのが嫌なんですね。
そうなんです。そういうことを避けるために、今回の新譜(『Toys Blood Music』)だったらいろんなマシーンとやってみたり、楽器は持たずにメロディだけを考えてレコーダーに録ったりするわけです。で、その録音するのも、歌メロだったり、ギターのリフだったり、ドラムのパターンだったりするんですよ。作り方については毎回いろいろ試しながらやっていって、その上で出来上がったものが似てる場合は、それも自分の個性ということにしようという感じなんですよね。だから、作り方というのではないですけど、いろんなところからどういうふうにでもできたらいいなと思っていて、そういう部分でのこだわりはどんどんなくなっていってますよね。ジャム・セッションから作ってもいいし、マシーンで作ってもシンセで作ってもいい。いろいろやった後でまたギターを持って作ると新鮮に感じることもあるんです。そういうことの繰り返しではあるんですけど、経験としてそういうふうにやっていけば何かできるはずだというのは昔よりも強く思ってますね。
──自分が盛り上がる出来上がりへの近道はないかもしれないけど、入り口は増えているような気がする、ということでしょうか。
そうですね。そういうことだと思います。普段聴いてるものもどんどんこだわりがなくなってますから。昔は「これはロックじゃないから、嫌だ」みたいな感じでもっと分けてたと思うんですけど、ここ10数年くらいはテクノも聴けばジャズも聴くし、ロバート・ジョンソンみたいなディープなブルースも昔より好きになってるし。昔はいつ曲が変わったのかわからないくらい、全部同じなんじゃないかと思ってたんですけど、ここ数年はちゃんと曲ごとの違いもわかるし、かっこいいなあと思ったりしますから。

公演情報

DISK GARAGE公演

KAZUYOSHI SAITO 25th Anniversary Live 1993-2018
25<26 ~これからもヨロチクビーチク~

8月24日(金)25日(土) 大阪 大阪城ホール
8月30日(木)31日(金) 福岡 福岡国際センター
9月3日(月) 宮城 仙台サンプラザホール
9月6日(木)7日(金) 東京 日本武道館
9月10日(月) 愛知 名古屋国際会議場センチュリーホール
9月15日(土) 徳島 アスティとくしま

Vo.&Gt.斉藤和義、Dr.河村吉宏、Ba.山口寛雄、Gt.真壁陽平、Key.崩場将夫

追加公演
9月19日(水) 北海道 Zepp Sapporo
KAZUYOSHI SAITO 25th Anniversary Live 1993-2018
25<26 ~これからもヨロチクビーチク~ After Party at Zepp Sapporo
Vo.&Gt.斉藤和義、Dr.玉田豊夢、Ba.隅倉弘至


≫ すべての詳細は下記サイトにてご確認ください。

KAZUYOSHI SAITO LIVE TOUR 2018 “Toys Blood Music”

6月26日(火) 奈良 なら100年会館 大ホール
6月28日(木) 広島 ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ 大ホール
6月29日(金) 愛媛 松山市民会館 大ホール
7月01日(日) 神奈川県民ホール 大ホール
7月05日(木) 長野 キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)
7月07日(土) 石川 本多の森ホール
7月08日(日) 富山 富山オーバード・ホール
7月13日(金) 福島 いわき芸術文化交流館アリオス 大ホール
7月15日(日) 宮城 仙台サンプラザホール
7月16日(月・祝) 宮城 仙台サンプラザホール
7月18日(水) 北海道 帯広市民文化ホール 大ホール
7月20日(金) 北海道 旭川市民文化会館 大ホール
7月22日(日) 北海道 北見市民会館
7月27日(金) 山口 下関市民会館 大ホール
7月30日(月) 広島 広島文化学園HBGホール(広島市文化交流会館)
7月31日(火) 香川 レクザムホール(香川県県民ホール)大ホール

※3月30日(金) 埼玉 川口総合文化センターリリア メインホール〜6月24日(日) 和歌山 和歌山県民文化会館 大ホールは公演終了


≫ すべての詳細は下記サイトにてご確認ください。

RELEASE

「Toys Blood Music」

19th Original Album

「Toys Blood Music」

(SPEEDSTAR RECORDS)
2018年3月14日(水) SALE
初回限定盤(CD+特典DISC、通常盤(CD)、アナログLP盤
「歌うたい25 SINGLES BEST 2008~2017」

デビュー25周年記念シングルズベスト

「歌うたい25 SINGLES BEST 2008~2017」

(SPEEDSTAR RECORDS)
2018年7月25日(水) SALE

3形態共通:3枚組SINGLES BEST
初回限定盤A(25周年バブルヘッド人形+斉藤和義選曲による裏ベスト)、初回限定盤B(斉藤和義選曲による裏ベスト)、通常盤

斉藤和義 25周年スペシャルサイト
  • 兼田達矢

    インタビュー

    兼田達矢

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