moumoon、20回目のデビュー記念日に、初のストリングス編成によるプレミアムライブを開催。生楽器とボーカルが美しく荘厳な音像で響き合う

ライブレポート | 2026.08.01 10:00

moumoon 20th Anniversary Premium Live
2026年7月26日(日)関内ホール 大ホール(横浜市市民文化会館)

moumoonが7月26日(日)に神奈川・関内ホール 大ホールにて、デビュー20周年を記念したワンマンライブ「moumoon 20th Anniversary Premium Live」を開催した。
2005年に結成し、2006年7月26日にリリースしたインディーズ盤「Flowers/pride」でデビューしたmoumoon。20回目のデビュー記念日当日となった本公演は、弦楽四重奏に鍵盤を加えた、長いキャリアの中でも初となるストリングス編成によるプレミアムなライブとなっていた。

開演時間が近づくと、スカーレット・ヨハンソンが長編初監督を務めた映画『エレノアってグレイト。』のサントラに収録されていたダスティン・オハロランのピアノソロ曲「Good Morning」の繊細で叙情的な音色がホールを満たしていった。やがて場内が暗転し、バイオリン、ビオラ、チェロの弦カルテットとピアノからなるサポートミュージシャンが黒を基調にした衣装で登場し、それぞれの位置についた。

続いて、白い衣装のYUKAとMASAKIがレモンイエローの雲の上のような装飾が施された舞台に上がった。この日はベースとドラムといったリズム楽器は不在。MASAKIのカウントに導かれ始まったオープニング曲は、2009年2月にリリースしたメジャー4枚目のシングル「EVERGREEN」。原曲では弦一徹によるストリングスアレンジが施されていた楽曲で、この日のヴィオラの村田泰子が弦一徹ストリングスへの参加経験者だったことも感慨深い。また、YUKAの歌声はいつもよりダイナミックで、両手も大きく柔らかく動かしながら歌っており、リズム隊のいないシクステットを牽引するコンダクターのようにも見えた。同じく弦一徹アレンジで、2010年3月リリースの2ndミニアルバムのタイトル曲である「リフレイン」はアコギのストロークに合わせて観客から手拍子が起こった。クラシックのコンサートのように緊張していた観客の心をほぐしてくれる演奏で、ウインドチャイムを操っていたYUKAは一人一人と目を合わせるかのようにたおやかに歌い、<あなたと私の絆>を軽やかに結んでみせた。

「私たちにとって20周年であり、そして、初めてのスペシャルな編成でのライブです。最後まで楽しんでいってください」という挨拶から、多保孝一とのコラボソング「未来よ、私を追いかけろ」で観客にパワフルなエールを送ると、ここで一旦、サポートメンバーがステージを後にした。そして、「ちょっと特別な曲をお届けしたいなと思います。20年前の今日、リリースした私たちのインディーズ1stシングルです」という言葉から、moumoonとファーストバイオリンの根本理恵の3人で「Flowers」へ。アコースティックギターとヴォーカルにバイオリンが入ってきた瞬間にカントリーのようなムードが漂い、独特のビート感で歌うYUKAが英語と日本語が交錯した恋物語を丁寧に届けていく。さらに、6年前からサポートを務めているピアノの真藤敬利(しんどうたかとし)を加えた「pride」では、YUKAは左足でリズムをとりながらタバコの煙をくゆらせる仕草も見せ、タフで強気な女の子に憧れながらもありのままの自分を受け入れていく過程を表現。

この日のために村田がストリングスアレンジをした「頬にキス」はヴィオラを加えた5人編成、「夏らしいソーダ色のブルーのイメージで描いた、涼しくなってくる曲」と語った「summer time」は跳ねるようなアコギとピアノのリフにチェロも参加した6人編成と、楽器が一人ずつ増えていくことで彩りがより鮮やかになっていき、いよいよ7人というフル編成に戻って演奏されたのは、初期からの人気曲である「青い月とアンビバレンスな愛」。原曲のストリングアレンジは宮川弾。ミニマムからアンサンブルへという流れの中で、ピアノが暗く重いタッチを鳴り響かせてムードを一変させ、YUKAも深海の底に沈み込んだような低い声を吐き出す。悲しみ、憎しみ、絶望、孤独……。多彩な色を混ぜ込んだ末に真っ黒になってしまったかのような演奏には心の奥の奥をぎゅっと締め付けられるような思いがした。

メンバー全員のステージ衣装と舞台の布の装飾をファッションデザイナーのsuzuki takayukiが手がけたというMCを経て、「I Say You Say I ♡ You」「こころのしずく」ではスタンドマイクで歌唱し、ドリーミーでロマンチックな音像を広げると、「moonlight」では奥行きのあるステージに設置されたルームランプの灯りのもとで、ベットルームで歌っているかのような親密でチャーミングな雰囲気を演出。そして、再び、ミニアルバム『リフレイン』収録曲の「Kiss me Baby」へ。甘い懐かしさと当時よりも深みと表現力を増した現在が交錯し、歌の言葉がより際立って胸に響いてきた。さらに、原曲では生音と電子音で熱さと冷たさを表現していた「I’m Scarlet」ではストリングス隊がスリリングでミステリアスな旋律を奏で、YUKAは転んでも立ち上がり、それでも前に向かって走り続けてゆくという姿勢を表現し、最後は咆哮のようなフェイクも響かせて観客を圧倒した。

「今までやってきた曲もストリングスアレンジで生まれ変わって。新鮮な気持ちで歌えています」とYUKAが語った後、「Cinderella」では美しい照明の中で宝石のようにキラキラと輝く歌声をたっぷりと響かせると、MASAKIがエレキギターに持ち替えた「Myself」からはたゆたいつつも、次第にパワフルさが増していった。8つのサーチライトが点滅した「ハレルヤ」では観客のクラップが鳴り引く中でスケールも拡大していき、YUKAが長いポニーテールを揺らしながらバレリーナのように華麗に舞っていた「エメラルドの丘」では決して揺らぐことのない強い気持ちを提示。本編最後の曲を前に、YUKAが「たくさんの方と出会って、ここまで来た気がします」と20年の歩みを振り返り、「これからも健康で楽しく音楽を届けていけるように頑張ってまいりましょう」とMASAKIと目を合わせて頷き、「20年をともに歩んでくださってありがとうございます」と感謝の気持ちを伝え、二人で並んで深くお辞儀をした。

また、この日の楽屋にはこれまでのシングルやアルバムのジャケットを並べたボードが飾られていたそうで、そのボートを目にした瞬間にYUKAが大号泣したという裏話がMASAKIの口から明かされた。本編では感動の涙を流さなかったYUKAが「やめてよ。言わないでよ」と返すと、場内は優しい空気で包まれていた。その後に歌われた「うつくしい人」は圧巻だった。MCの声の小ささからは想像できないほどの圧倒的な声量と伸びやかに響き渡る歌声。生楽器とボーカルがダイレクトに溶け合っていく音像はまさに美しく荘厳だった。

アンコールでは「夏らしい感じで、楽しい曲をお届けします」と語り、MASAKIのアコギと口笛、ピアノとバイオリンという編成で「Sunshine Girl」を演奏。誰もが知っている代表曲だが、この日だけのアレンジとなっており、YUKAがうまく入れずにやり直すという微笑ましいシーンもあった。そして、手拍子に加えて、観客が手を挙げて大きく振る「good night」で柔らかな笑顔と<今日はおやすみ>というフレーズをシェアし、2ndミニアルバム『リフレイン』がリリースされた2010年からずっと心待ちにし、15年の時を経て実現したストリングス編成のプレミアムライブは幕を閉じた。

終演後、場内BGMの「Good Morning」から始まり、「good night」で終えた意図を聞いてみたが、「あ、ほんとだ。好きな曲を流しただけで、偶然ですね」と返ってきた。そんなところもmoumoonらしい。これからもマイペースを崩すことなく活動を続けて欲しいと願っている。

なお、moumoonは8月16日(日)京都文化博物館 別館(重要文化財)にて「プレミアムアコースティックライブ「ふかく、はばたく」vol.4 」を開催。また、11月3日(火・祝)に東京国際フォーラム ホールCにて、moumoon20周年記念の第2弾として「FULLMOON LIVE SPECIAL 2026 〜中秋の名月〜」を開催する。さらに、この日のアンコールで、12月に約3年ぶりの開催となるプラネタリウムライブ「moumoon 20th Anniversary LIVE in the DARK tour」を東京と福岡の2ヶ所で行うことも発表した。

SET LIST

01. EVERGREEN
02. リフレイン
03. 未来よ、私を追いかけろ
04. Flowers
05. pride
06. 頬にキス
07. summer time
08. 青い月とアンビバレンスな愛
09. I Say You Say I ♡ You
10. こころのしずく
11. moonlight
12. Kiss me Baby
13. I'm Scarlet
14. Cinderella
15. Myself
16. ハレルヤ
17. エメラルドの丘
18. うつくしい人

ENCORE
19. Sunshine Girl
20. good night

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