──ところで。そのBUCK-TICKトリビュートをきっかけに、一緒に音楽を作られるようになったんですね。
都啓一
そうなんです。
CIPHER
D'ERLANGERのアルバム3枚(『#Sixx』『Spectacular Nite -狂おしい夜について-』『J'aime La Vie』)弾いてもらってるもんな。
都啓一
弾かせて頂きましたね。これもほんまに縁やなと思ってますね。D'ERLANGERさんの鍵盤はホッピー神山さんが弾いていらしたこともあって、本当に素晴しかったので、プレッシャーもありましたけど。
CIPHER
俺も"ホッピーさん超えてくれんとあかんで!"って言うてたからな(笑)。
都啓一
そうですね、それはそれはプレッシャーで(笑)。でも、ここのところずっと一緒に制作させて頂いているので、すごく勉強になりますし。それに、やっぱり何よりも楽しいんですよ。楽曲制作って、やっぱりゼロから生み出していくことなので、すごく大変な作業ではあるんですよ。でも、一郎さんとは、一緒に呑みながら、いろんな話をしながら作っていけてるということにすごく喜びを感じていて。自分の人生の中に一郎さんと一緒に音楽作れるってことがあるなんて!ってそんな想いがいまだにあるし、一緒に作っていて本当に毎回毎回刺激が多いんですよ。それが本当に嬉しいんです。良き兄貴みたいな感覚なんです。みなさん、一郎さんのことを"兄貴、兄貴"って言ってるんで、僕はなるべく兄貴とは言わないでおこうと思ってるくらい、特別に思ってるというか。心の中では"兄貴〜っ!"って思ってますけどね(笑)。
CIPHER
チョッパーみたいに"チョニキ~"でもええで。
都啓一
あははは。"チョニキ~"いいですねぇ(笑)。でも、俺、こんな感じで話してますけど、いまだに"俺、あの瀧川一郎さんとこんなふうに話してるんや〜!"って思いますからね。
CIPHER
嘘付けや!
都啓一
本当ですって!たまにふと信じられないな〜って思うんです!呑んでるときはまぁまぁまぁ、普通にお兄ちゃんみたいな感覚なんですけど(笑)、一緒に音を作ってるときは、本当にやっぱりすごいなって思いますからね。尊敬の連続ですよ。
──CIPHERさんからみた都さんは、可愛い後輩的な存在ですか?
CIPHER
可愛い後輩って感覚はあんまりないなぁ。俺は全然、呑んでるときも横並びで呑んでる感じやし。都はね、本当にフラットだからすごく付き合いやすい。ほんまに言ってくれてるように、尊敬してくれてるんやろうけど、変に距離を置かないというか。こっちも意識しないというか。クリエイティブなところもそうやし、都は、俺が欠落してる部分や、俺の持ってないスキルを持ってくれてるから、とにかくハマりがいい。呑んでもいいし、演奏してもいいし。ほんまにいい関係やと思うで。
都啓一
めっちゃ嬉しいです!
──作曲の段階からご一緒に作られているんですか?
CIPHER
いや、作曲するときは、1人で悶々として作ってるんやけど、曲が上がって、バンドでプリプロして、そこからレコーディングした段階で都のところにデータを投げてる感じ。だいたい、"都の感じるままにやってみて"って投げてる感じやね。で、そこから都から、"出来ました"って連絡が来たら、"んじゃ行くわ〜"って、都の家に行って。そこから、"OK"だったり、"もっとこここうしよかぁ〜"みたいなやり取りで煮詰めていくね。イントロダクションを作るときとか、俺は言うだけ言うて、"ほんで、ここ、なんとか出来るか?"って投げて、都がバ〜ッといい感じに弾いてくれて、"お〜〜〜っ!それやそれ!"って感じで。もぉ、それはそれは素敵やで。俺の頭の中のモヤモヤを音にしてくれるから。
都啓一
いやいやいや(笑)。めっちゃ嬉しいです。でも、一郎さんの,モヤモヤは、すごく明確なんですよ。"ここ、ちょっと声入れるわ!"とか。
CIPHER
"ここちょっと歪ませてみて"とかね。
都啓一
そうですね。で、だいたい後半は、どっかからエロ声を拾ってきて入れるっていう(笑)。
CIPHER
そうやな。だいたいエロ声探してるな(笑)。
都啓一
めちゃくちゃ面白いですからね。
CIPHER
何が一番面白いって、SE作りが一番おもろいよな。
都啓一
はい!めっちゃ面白いです(笑)!
CIPHER
SEは都の家に行って作るんやけど、だいたい昼間の2時くらいに都の家に行って、9時10時くらいまでやって、なんとか完成させて、"よし!終った!呑みに行こう!"って呑みに行くねんな。
都啓一
そうそうそう。
──呑みに行ったときは、どんな話してるんですか?
CIPHER
なんやろ?なんやろ?音楽の話はないなぁ。
都啓一
まぁでも、僕からしたら広い意味で音楽の話なのかなって思いますけどね。"都、この映画見たか?"とか"都、このアルバム聴いた?"って話してくれるのが、全部いろんなことと繋がっているなって感じるんですよね。
CIPHER
そうやね。音楽に関わらず、俺の中で心にチクッときたものを都に勧めてる感じやねん。たしかに、そういう話しするなあ。なんか、うだうだしてる時間なんやけど、そこで生まれるパッションってやっぱ気持ちええもんがあるんやと思う。譜面に向き合うだけじゃなく、気持ちの問題っていうかね。人を愛したりすると、そういう曲や歌詞が出来たりするでしょ。そういうね、心が揺れる感じって、めっちゃ大切やと思うんですよね。そういう時間が曲か歌詞を作らせてくれると思うんです。そんな心の揺れを探す夜な夜ななわけですよ、我々の吞みは。な、都。
都啓一
そのとおりですね!
CIPHER
あ、そうそう!思い出した面白い話があるわ!都ん家に行ってSEを作ってるときの話しやねんけど、D'ERLANGERなんで、デビル的な要素が醸し出されるイントロダクションが多いわけよ。んでな、夕方くらいになると、都んとこのチビが帰ってくるのね。そうすると、パパの部屋から怖い音楽が流れてきてるから、"あ、一郎さん来てるんだね"って言うんやって(笑)。
──すごい!可愛い(笑)。
都啓一
これね、本当の話なんですよ(笑)。子供にもちゃんと伝わってるっていうのがすごい(笑)。
CIPHER
でもね、だいたい俺がかなりな頻度でエロ声を入れたがるから、エロ声入れてるときは、いつも心の中で"お願い。今、娘ッ子降りてくるなよ!"って思いながらやってんねん。
都啓一
あはははは(大爆笑)!
CIPHER
だって、パパの部屋から"あぁ〜ん。あはぁ〜ん。ん〜〜っ"みたいな声が聞こえてきたらビビるやろ!
都啓一
あはははは(大爆笑)!
──面白い(笑)。それ、是非、制作レポート入りたいですね(笑)。
CIPHER
それは見せられへんなぁ〜。
都啓一
見せられないですね〜(笑)。けど、本当に楽しいですよ!
──制作が楽しみながら出来てるって、すごく素敵なことですよね。都さんは、いろんな映画音楽や劇中歌も手掛けていらっしゃいますけど、そういう音楽を作る感覚と、CIPHERさんと共に音楽を作り上げていく感覚とは違ったりするんですか?
都啓一
違いますね。モノを作るというところでの工程としては、楽器を弾くとか、そういったことは同じなんですけど、僕からすると、一郎さんが作っている世界観を一番最初に聴けるわけじゃないですか。それを聴くと、やっぱり自分から生まれてきたものとは違うので、まず、そこでインスピレーションが沸くんですよね。だから、自分が劇中歌を作っていく感覚とは、やっぱり違いますね。
──なるほど。劇中歌は、音としてはゼロからの構築になりますもんね。
都啓一
そう。視覚的なインスピレーションや、別の意味でのインスピレーションはそこにもあるから、それと自分がゼロから作り出した音がハマったときは、すごく嬉しかったりするんですけど、一郎さんの世界観に自分の音がハマったときの喜びというか、嬉しさは、また半端ないんですよ!"一郎さん、聴いて聴いて!"みたいな(笑)。たまに、勢い余ってやり過ぎるときもあるんですけどね(笑)。あとね、自分的に感動するのは、それをライヴで観るときですかね。おぉ〜、こんな感じなんやぁ〜って。ライヴだとビルドアップされてたりするので、そういうの見ちゃうと、"おぉ〜!カッコイイ!弾きたい!"って思っちゃうんですよね。
後編は「お互いのライヴについて」からスタート!
続きは5月7日(月)12:00公開予定
続きは5月7日(月)12:00公開予定
PRESENT
対談記念、2人の寄せ書きサイン色紙を2名様に!
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