──4つ打ちのリズムではあるけど、拍が少しトリッキーに感じたりもしたし。
EYE
そうですね。Bメロとか13/16拍子だったりしますからね。ちょっと取りづらいかもしれないですけど、ライヴで散々やってきたんで、もう慣れちゃいました(笑)
SAKI
4つ打ちでお客さんと一緒に盛り上がれる曲がやりたいなと思って作ったんですけど、ちょっとした仕掛けを入れたいなと思ってBメロを不思議な感じにしたんです。ライヴで培った楽しい雰囲気が、アルバムの演奏の中にも出てるんじゃないかなと思いますね。
MARI
大きくアレンジを変えるというよりは、ライヴ感をそのまま活かせた感じですね。
RIO
ベースに関しては、ライヴでは盛り上がって、白玉(全音符)にしちゃってたとこも、アルバムではしっかり聴いてもらえると思います(笑)
──あははは。ちゃんとキッチリとね(笑)。しっかりと音源ではベースを拾って聴いてもらいたいね(笑)。いやね、こうして音源インタビューをするときって、全体的に聴く他に、それぞれの音に耳を傾けて1枚を聴くのね。"今度はドラム中心に聴こう""今度はギター中心に聴こう""今度はベース中心に聴こう""今度は歌詞をじっくり読み解こう"とか。それぞれ極めてるんだけど、MARIちゃんのツーバスはもう変態レベルだよね。
MARI
あははは。そういう聴き方してくれてるんですね(笑)。嬉しいです。ツーバスは全部ちゃんと踏んでますよ。
EYE
たまに、踏み過ぎてて周りの音が聴こえなくなりますからね。
一同(爆笑)
MARI
たしかにね(笑)。ずっと鳴ってると麻痺してきちゃうもんね(笑)
EYE
「ツキヨミ」とか「World's End」なんかは、ずっとツーバス踏んでますからね(笑)。私ね、レコーディングのとき、1日で「ツキヨミ」と「World's End」の歌入れをしたんですよ。そしたら、ドラムのデータが重過ぎてパソコンが立ち上がらなくてすごく大変だったんですよ!
──あれだけずっと踏んでたらデータもかなりな重量になるよね(笑)。「World's End」が1曲目、「ツキヨミ」が2曲目の並びだから、本当に圧倒されたもん。でもね、「ツキヨミ」はタイトルを見た印象的にメロウな曲かと思ったから、ツーバスが敷き詰められたヘヴィチューンだとは思わなかった。でも、サビはすごくメロウだけどね。
EYE
ギャップ萌えですよね、「ツキヨミ」は。
──それぞれ気に入ってる曲はある?
EYE
私的には、さっきも自慢しましたけど、一発OKだった「On the Rocks」が一番嬉しかったことではありましたが、お気に入りという面では、自分で作ったバラード曲「Say Love」ですかね。
──とてもドラマティックな1曲だよね。
EYE
そう。スローな歌モノなんですが、去年の年末にサポーターズクラブの限定イベントがあったんですけど、そこでお客さんにレクチャーしてこの歌を歌ってもらったんです。そのときのコーラスをそのまま入れさせてもらっているんです。自分たちだけでは作れなかった曲になったし、本当にこんなに綺麗にまとまると思っていなかったけど、みんなの声があったからこそこの形になった本当に大切な1曲になったなと思ってます。あと、「女神の裁き~Death Queen's March~」もすごく好きなんです。「World's End」もそうなんですけど、この2曲はL'Arc〜en〜Cielさんとかでも英訳されているリン・ホブデイさんをご紹介頂いて、共同作詞しているんです。「女神の裁き~」の方で、歌詞の中に造語を入れているんです。私が描きたい女性像をリンさんに投げて、何度かやり取りをして書き上げていったんですけど、この歌詞の中の国の言葉を入れようってことになって、ぱっと見英語に見える造語を入れたんです。だから、和訳しても出てこないんです。聴いた感じはラテン語みたいな感じなんですけど、ラテン語でもないんです。
──その呪文の様な造語の意味は?
EYE
主人公が自分の正義を貫いている悪役な女王様なので、"目を覚ませ、お前達!"っていう、周りに喧嘩売ってる感じですね(笑)
──ちょっとこの曲も歌い方に変化を感じるよね。
EYE
そうなんです。ラテン語っぽかったので、ちょっとオペラっぽい歌い方してみたんです。これもたしかにチャレンジした歌い方でしたね。3オクターブでハモリを入れたのは初めてでしたね。
──素晴らしい。「女神の裁き~Death Queen's March~」の悪魔感はね、SAKIちゃんのルーツを感じたりもしたんだけど。
SAKI
悪魔な感じがですね(笑)。この曲は、曲自体はアルバムの中では一番古いですね。1コーラスくらい作って置いてあったんです。こういうホラーちっくな曲はやったことがなかったので、これをMary's Bloodでやるのはどうなんだろう?って最初は思ってたんですけどね。でも、やってみたらハマったなって感じでしたね(笑)。いかにも妖しい感じで始まるというか。
──最初ピアノイントロだったから、こういう展開になっていくとは想像がつかなくて。
SAKI
最初、岡野さんと話していたとき、ホラー映画の劇伴曲みたいなイメージにしようって言っていたので、最初は静かな雰囲気にしたんです。1コーラスだけだったものを、ちょっと長めのハードロック、メタル曲として完成させたって感じですね。