──友達だから一緒にいるんじゃなくて、いつの間にか一緒にいるってことは友達だからなのかなっていうことですよね。
そうですね。<友達だからかな>っていうサビはすぐにできたんですけど、歌詞はいつものように男の悪口を言ってるばっかりじゃダメだと思って(笑)。子供に歌詞の意味が全部はわからないとしても、子供たちが自分で選ぶというか、大人も知らないことがあるから、それは自分で探さなきゃいけないんだっていうことを歌ってて。あと、お母さんも一緒に観るだろうから、親子の絆とか、親と子が一緒に過ごす時間とかを連想した親御さんたちが『ああ、なるほどね』ってほっこりしてもらえる方向にしたいなとも考えて。いつも思っていたことだけど、恋愛には落とし込めないことも結構、入れたりしましたね。
──恋愛ソングには入れられないことというのは?
歌い出しの<大事なものはポケットに入れないで/うっかり洗濯しちゃうでしょうが>っていうのは自分の体験からきてて。よく、ポケットには大事なものを入れるっていう歌があるけど、私はそれが嫌いなんですよ。なぜかというと、小学生の時に、すっごい大事な友達からもらった手紙をあとでゆっくり読もうと思ってポケットに入れておいたら、そのまま洗濯しちゃって……。
──うわぁ〜。一回も読まないまま?
読めなかったんですよ。あとでゆっくり読もうと思ってたから。そしたら、お母さんに洗濯されちゃって。小学生の時に、私は大事なものはポケットに入れちゃダメなんだっていうのを学んだから、なるべく大事なものは入れないようにしてる。あとは、<一等賞でもビリでもかまいません/悔しい気持ちもちゃんと教えてください>っていうところ。いまは、幼稚園とか小学校でも順位をつけない運動会が多くなっていて。自分の息子や娘がビリだったらかわいそうじゃないっていう親がいるんですよね。でも、私は、逆に順位をつけないほうがかわいそうだと思ってて。1位になる喜びとか、ビリになる悔しさをちゃんと小さい頃から教えてあげたほうがいい。社会なんてそんなことばっかりなんだから、メンタルが弱い子になっちゃうんじゃないかなって。ちゃんと順位をつける運動会をしたほうがいいのにって思ってることも、あんまり恋愛には落とし込めなかったので、ここでようやく言えたっていう思いがありますね。
──いろいろと考えてみた結果、友達ってなんだろう?って答えは出ましたか。個人的な答えだとしても。
わからないです。友達って離れてても、会わなくても、なんで友達って思えるんだろうって考えてて。なんで友達って思えるんだろうって思った時に、<悲しい恋のこと ちょっとここでは言えないこと>もその子と過ごしたから、過去を一緒に過ごしたっていう経験があるから離れてても平気なのかなって。共有できる物語や思い出があるから、会った時にその頃に戻れる。思い出って、大事なんだなって。一緒に過ごしたことを経験として思えることが友達なのかなって。でも、これが友達!っていうのは正直、わからないですね。いまでも、友達です!って言える子と、知ってる子ですっていう子の境目がわからず。どうやったら友達ですって言えるんだろうなって、自分でも思う。それはきっとそれぞれで違うんでしょうね。
──<笑顔ってブサイクだね>って言えるのが、コレサワ流の友達なのかなって思いました。
そこは、NGくるかなと思ったら、褒めていただいて。よかったです。私らしさをそういうところに求めてくれていたんだと思いますね。普通の友達ソングにならないっていうところに求めてくれたのかなって。実際に本気の笑顔って、ぶさかわじゃないですか(笑)。子供の頃は特にそうだし、愛着があるなと思って。ブサイクって言える距離感も、仲良くないと言えない。そう言えるってことはやっぱり友達なのかなって。大阪では特に『ブサイク』とか、『キモい』って言うけど、それは、親しいからこそ言える言葉なので、言えるってことは友達だなって思いますね。
──サウンド的にはウキウキするカントリーポップになってます。
子供が聴くから、なるべくリズムがあって、キャッチーなものにしたくて。サイレンホイッスルとか、可愛い音を入れたり、運動会みたいなわちゃわちゃ感も入ってて。当初から、明るくて楽しい音楽で感動できるものをって言われていたので、とにかく、明るくてポップでハッピーに、わちゃわちゃと楽しくっていうことだけにこだわってました。完成した作品を見た時に、映画のスタッフさんに『いいエンディングを描いてくれてありがとうございます』って言ってもらえたので、あ、ちゃんとかけてよかったなってホッとしました。
──初の声優にも挑戦してますよね。
それが一番ドキドキした。いや、もう、力不足です(笑)。声優さんという仕事を甘くみてましたね。喋ればいいっていうものじゃないんだっていう。声のトーンや出し方も、ドラマとアニメでも違うんだなって。アニメだからと思って、テンション高く言ってるつもりが、聞いてみたらすごく暗く聞こえて。『こんな暗くちゃダメだ!子供が泣く』って(笑)。もっと明るく、もっと声出しって何度も言われて。歌のレコーディングよりスパルタでした。
──(笑)何役ですか?
小学校の卒業生で、運動会とか競技のアナウンスをする女の子です。張り切ってやったんですけどね、大変でした。いつ出てくるんだろう?カットされてるんじゃないかなってドキドキしたけど、使われててよかった〜って。アニメも可愛く描いてくれてて。嬉しかったです。
──5月にはVIVA LA ROCK2018にも初参戦します。
フェスに出るの初めてなんですよね。どうしたらいいんだろう?みんなに、初めてのフェスってどんなだったのか、聞きたいです。私のライブを観たことがないという人も多いだろうから、そういう人には新しくて変わったものを見せられたらいいかな。何にしても初めてなので、緊張しますね。
──続いて、ワンマンショー「コレシアター04」が開催されます。
いつものライブは映像を流さないんですけど、今回は半分くらいは後ろに映像を流すつもりです。歌詞とメロディで伝えきれなかったものを、ウチボリさんが書いてくれたアニメーションで伝えられたらいいなって思ってます。テーマは映画館なので、遅刻厳禁。映画も最初見ないとわからなくなっちゃうじゃないですか。だから、遅刻せずに、最初から最後まで楽しんで見て欲しいです。今までいちばん大きいキャパで、できることも増えてくると思うので、いつもと違ったライブをみんなに観てもらえるのかなと思います。
──そのあとはどう考えてます?
リキッドで発表があるので、楽しみにしていて欲しいです。何かやりますよ。冬のコレサワは忙しくなりそうです。
PRESENT
「たばこっぽいメモ帳」を3名様に!
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