──自分が好きな音楽を創り出して、それをどんな空間でどんな風に届けるのか。映像やアートワークも含め、そのすべてを使って表現するのを楽しんでいるのがGOATBEDだとしたら、cali≠gariの石井さんは?
変な頭して、変な格好して、飛び回って歌っているだけ。それ以外俺はなにも知りたくないし関わりたくない。だから、いまはノンストレスになったんです。昔はcali≠gariしかなかったから、そっちにGOATBEDみたいなことを持ち込もうとしてて思い悩んでたんだけど、いまは(cali≠gariとGOATBEDが)完全に分かれてるんで、どちらも伸び伸びとやれてるんじゃないですかね。
──GOATBEDとcali≠gari、2つがいいバランスで自分の中に共存していると。
理想としては両方とも半々ぐらいでやれたらいいんですけどね。とはいえみなさんと一緒で、仕事をして生きていくのが一番ですから。趣味でやってる訳じゃないから。そういうバランスもあるので、2つあると忙しいですよ。お客さんから「もっと休まれたらいいんじゃないですか?」というお手紙を貰ったりしますけど。休んだらあなたは私の生活の面倒をみてくれるんですか、といいたいです(笑)。
──うはははっ(笑)。
不思議なもので、みなさんと同じように働くことを音楽でやってると、なぜかものすごい忙しい人に思われるんですよ。ミュージシャンって、基本暇ですから。どんなに忙しい人でも。ほとんどが社会適応能力がない人がやってて。
──石井さんも?
いや。俺は適応能力はありますね。
──そこが石井さんの面白いところなんですよ。あんなアーティスティックなショーやビジュアルをプロデュースして、創作してる人は絶対ぶっ飛んでる人なんだろうなと思いきや、そんな自分を社会人として冷静に見ているもう一人の自分がいらっしゃる。
そこが中途半端なところで。アートとか芸術はかなり好きではあるんですけど、とはいえそこに振り切ったこともできないし。普通の人間なんで(笑)。芸術家は破綻してるけど、俺は「ちゃんとそこは踏まえてますんで」ってことですかね。
──なるほどね。そこがGOATBEDの世界観に繋がってるんだと思うんですよね。アートなんだけどポップで間口は広いですからね。
広いんだったら、なんでみんな来ないんだろう。おかしいな〜(微笑)。
──石井さん、そんなこといって本当にみんなに来て欲しいって思ってます?
そりゃそうですよ。そこら辺歩いてる人も来てくれないかなって思ってますよ(笑)。難しい曲もありますけど、トータルで見たら割とポップスなんで。歌とかは。そういうバランスをとった作りにしてますから。
──じゃあそんな石井さんが、みんなに来て欲しいと心から願ってらっしゃるライブが12月10日、<Last mad feast of December 2017>と題して渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて1日2公演で開催されます。
年末はいつも通常よりも広いところで、ゆとりを持ってやってまして。1年やってきたことを年末に全部見せる。
──今年のGOATBEDの総まとめみたいなライブが見られるということですね?
総まとめなんだけど、めちゃくちゃ新曲をやるとか全然ありますけどね(笑)。
──なるほど。ライブの形態は?
2回あるんで、まったく違う形でやります。
──いつもの無料配布CDの方は?
ものすごいですよ! この日は5曲入ったミニアルバムが配布されるんで。それも、1回目と2回目は違う内容だから、両方来た人は10曲手に入る訳ですよ。
──それ、普通にアルバム作れますよね?
そうなんです(微笑)。チケット代も安いんで、相当お得ですよ。
──いつも思うんですけど、よくそれでお仕事として成立しますよね?
自分で全部やってるからできるんですよ。これを外の人に頼んでたら絶対無理。成立しない。こうやって自分の首を締めていく感じが俺は好きなんですよ。だから、いつも限界までやってしまう。でも、8月はそれで制作が間に合わなかったんですよ。
──無料配布用のCDの制作が?
ええ。cali≠gariとお盆進行との兼ね合いで。それで、郵送ってことになってしまったからもう1回やり直すかって、完全にやり直したんです。ライブで演奏してその場で貰ったCDと郵送でライブ後に届いたものとでは、貰った人が聴く感覚も違うんで、そこも踏まえた上で。
──さすがですね。12月は当日配布できそうですか?
いまから作業してますので、もちろん大丈夫です。今回配布できなかったらGOATBEDは解散することになってますから。
──本当ですか?
本当です。ライブでいいましたから。
──今回配布されるCDにはどんな曲が収録されるんでしょうか。
昔の曲をいまのGOATBEDにリアレンジした曲です。ファンは昔の曲を昔のまんま聴きたいっていうじゃないですか? 俺もそうで。ギターソロとか新しくアレンジされたりするのは本当に嫌なんですよ。なんだけど、GOATBEDは軽く昔を超えていく。そういう意味でのこの音源なんで。これを聴いて「昔の方が良かった」という奴はもう来なくていい。それぐらいのつもりで作ってるってことです(笑)。
──では解散しない前提で、来年のGOATBEDについても聞かせてください。来年はどんな活動をしたいなと考えてらっしゃいますか?
正規の音源を出してないので、来年はミニアルバムをちゃんと全国流通させてリリースします。来年は音源をたくさん作ります。
──では、最後に石井さんからライブへのお誘いメッセージをいただけますか?
GOATBEDのライブに来たらCD貰えたりするし。あんまり他にいないスタイルだと思うんで、興味持って来て下さい!
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