「あ、ライブやりたくてしょうがない子がいたな」って思い出して(まり)
──で、帰国後も国内ツアーが。
まり はい。大阪、名古屋、東京と、あと福岡の『Bassic Rock Fest.』に出してもらいます。ドラマーが新しくなったので──。
──そうだ、まいこさんは初めての海外ツアーだったんですよね。
やよい っていうか、国内もやったことないって言ってたから、ツアー自体初だったみたいで。途中でへばったらどうしようって思ったけど、最後まで元気にやってくれました。
まり うん、すごいなって思った。
やよい 飄々としてたよね。ずっとお腹をすかせてた(笑)
まり ツアー後半の方で、やよいとふたりで朝ごはん食べながら、「あれだけ図太かったらやっていけるな」って(笑)
──そもそもはどこで出会ったんですか?
まり 知り合いのエンジニアさんの紹介です。最初は、みずえがやめる前に会ってて、私の弾き語りライブの時に、パーカッションをやってもらって。
その時の打ち上げで、「ツアーとかバリバリやって、ほんとうらやましいです。ヨーロッパ、どんなだったですか? いいないいな、そんな生活してみたい!」とか言ってて。
ドラムやりたくて東京に出て来たのに、組んだバンドがライブが好きじゃなくて、こもって曲を作るみたいな感じだったみたいで。「いちばん遠くでライブやったの、栃木の夏祭りです」って。
だから、やりたくてしょうがない子なんだなあと思っていたんです。
その後、みずえがやめたいって言い出して。
その1年前にも言い出して、説得して……っていうのもあったから、これ以上やりたくないのにやらせるのもかわいそうだ、ってなった時に、「あ、ライブやりたくてしょうがない子がいたな」って思い出して。
「とりあえずサポートでやってみるか」って。声をかけて……そうだ、1ヵ月で14曲覚えてもらったんだ。
やよい みずえがやめたあとのライブが間近に迫ってたから、すごいあせってて。最初にスタジオに入って合わせてみた時はダメで、「ああ、やっぱりこうかあ……でもがんばんなきゃ」って思ったけど、その次のスタジオから、もうよかったよね。
まり そうそう。「あ、大丈夫じゃん」って。
──でも遠くて栃木だった人が、いきなりヨーロッパで6日連続ライブって、差が激しすぎません?
まり ねえ? だからあっけにとられてたのかもしれないです、飄々としてるように見えたけど。意味わかんなかっただろうな。それまでいちばん多いお客さんの前でやったのが、100人いるかいないかくらいだったらしいんですね。だから「人がいっぱいいる!」って興奮してましたね。人が少ない日もあったけど、「今日は人がいない……」「いなくてもやるんだよ!」って。
やよい 「少なくても人はいるんだ、観に来てるんだ!」って。
まり だからちょっと、育てる気分で回ってましたね。まいこのドラムは好きだし、一緒にやっていきたいけど、ドラム以外の……海外ツアー回って大丈夫かとか、人間的にありな人かなしな人かとかは、今回だいぶ見えました。毎日一緒にいるのでいろいろありますけど、やよいが「まあ、15年ぐらいは大丈夫じゃない?」って。
やよい (笑)
まり 「そうか、だいぶ保つな、それ」って。6月7月のツアーが、国内での正式なお披露目というか。で、そのあともアメリカ・ツアーがあるし──。
──あ、アメリカも行くんですね。
まり はい、9月に。ヨーロッパ回って、日本を回って、8月に台湾と韓国も行くんですね。そのあとアメリカだから、これはワールド・ツアーって言っていいだろうなと思って(笑)