──ではその時期も重なる2017年から2026年までの10年で特に記憶に残っていることといえば?
谷川2015年。ロサンゼルスレコーディングを経験して、そこから先の10年みたいな感じかな?まあロサンゼルスレコーディングも面白かったですよね。考え方がちょっと変わったと言うか。インド行って人生観変わるみたいな感じで(笑)。当たり前に思ってたことがそうでもないのか、別にこれが普通じゃないのかというのを考えさせられたきっかけになったかもしれなくて、それ以降の楽曲に影響があったかもしれないですね。

──アルバム『10fold』ですね。日本で制作している時と何が違いましたか?
谷川まず環境ですね。立派なスタジオなんですけど、いわゆるコントロールルームというものが日本でもあると思うんですけどそこにももちろんあって、その周りにブースと呼ばれている例えばドラムが置いてある部屋、ギターアンプが置いてある部屋があるんですけど、日本だと防音が完璧にされていてめっちゃ厚みのある扉で閉めるじゃないですか。向こうは違っててめっちゃ薄い木の扉一枚だったんですよ。で、コントロールルームが真ん中にあって周りがブースだったんですけど、全部の音がめっちゃ漏れてきてて、っていう(笑)環境だったんですよ。
谷家だね。一軒家をスタジオにしたみたいな。でもそこでマルーン5が録ってたみたいで、プラチナディスクがありましたけど。
谷川意図的なんでしょうかね?意図的にしてはコントロールルームにドラムの音漏れ聴こえすぎだろと思いましたけど。
谷川まずそこから全然違うなっていうのはありました。あとそこで教わっためっちゃ細かい(笑)テクニックですけど、まずギターをチューニングしてフレーズを弾きます、その後にチューニングをわざとずらしてもう1回同じフレーズを弾くんですよ。そうするといわゆるコーラスっていう効果がかかるという原理で。それをエフェクターじゃなくてアナログでやったりしましたね。そういうアナログなやり方とかいい意味での大雑把さみたいなのもありつつ、ダイナミックな感じもありつつ。
──それはスタジオのエンジニアさんとのやりとりなんですか?
谷川エンジニアさんが日本人だったんですよ。前年度のラテン部門のグラミー賞を受賞したアーティストの音を録ったエンジニアさんがそのSadaharu Yagiさんという方で、「グラミーエンジニアを日本人が獲った」ってちょっと話題になってて、そのYagiさんが日本人アーティストを1回やってみたいみたいといろいろ探してたらしいんですけど、なぜかうちが引っかかって、楽曲の制作から携わってもらいながらプロデューサー的にやってもらいました。
──それ以降その日本での制作に影響はありましたか?
谷ベース的には向こうの人たちは踊れればオッケー、踊れればいい曲、踊れなければ悪い曲みたいな(笑)のを感じて、それはすごい勉強になって今にも生きてるとは思います。
谷川日本人がカッコいいと思うものと向こうの人がカッコいいと思うものってやっぱ違うじゃないですか。その辺の違いを僕らがどういうふうに解釈してやればいいのかなみたいなのをちょっと考えたかもしれないですね。それこそ踊れるか踊れないかで言うと結構ループフレーズを使うことが多くなったかもしれないです。コード進行をシンプルにして、楽曲の大部分をループフレーズメインで構成して行くやり方はもしかしたらそこからかもしれないですね。
──では今年の30周年のライブにまつわるお話をお伺いして行ければと思います。今年のライブは“Another departure”というタイトルが付いていますが、これは1stアルバム『departure』にちなんで?
谷川そうですね。30年やったんで新しいスタートをもう1回切りたいなということと、もうちょい続けたいなという思いもありますし、っていう感じですかね。
──具体的なことをお伺いして行くと谷さんと吉田さんの企画があるじゃないですか。これに関してはお2人がセットリストを組む感じなんですか?
──それぞれネタバレにならない程度に教えてもらえますか。
谷この間終わったツアーもセットリストは全アルバムから1曲ずつ選んでたんですけど、今回の僕の企画も全アルバムから1曲選んだんですけど、その中でも踊れる曲というか、the telephonesのディスコみたいなテーマなんですよ。だからひたすら踊る夜になるかなと思ってます。

吉田曲はまだ決めてないですけど、普段やらない曲を多めにしたいなっていうのは一個ありますね。最近昔の曲とかやってなかった曲を結構やってるんですけど、やっぱ楽しいので(笑)、やり慣れてる曲じゃなくてやってなかった曲をやるってのもスリルもあるし楽しいです。ファンの皆さんにもそういうのを求めてる人もいると思うので、そっちに寄せて考えようかなと思ってます。

──2マン企画は長い付き合いのアルカラとLACCO TOWERで。この2組に白羽の矢を立てた理由はなんですか?
谷川お互い長年やってきてて未だにバリバリやってるみたいなとこですかね。
谷アルカラは最初の僕らの2マン企画の1回目にも出てもらってるというのもあって声かけさせてもらいました。ラッコは彼らの「I ROCKS」に出させてもらったりしていますし、久々にやりたいなということで組みました。
吉田アルカラとラッコはバンドとしての生き方がかっこいいですよね。なんか真似できないですけど真似したいなと(笑)思いますね。
──そして11月のZepp Shinjukuワンマンはツアーとはどういうふうに差別化されるのかな?と。
谷ゲストを呼ぼうかなとは思ってるんですけどね。来るかどうかはさておき(笑)。
谷いやー、それもちょっと考えたんですけど(苦笑)、どうなんでしょうね?30曲やったら2時間半ぐらい?でも聴く方もツラくないですか?30曲(笑)。
──(笑)。まだ11月の話なんで楽しみにしたいと思います。そして目下の状況はどんな感じですか?新曲鋭意制作中であるとか…。
谷川新曲制作中ではあるんですが……なかなかちょっと形が見えてきてないんですけど。30周年で改めてUNCHAINが曲出したっていうのを想像すると自分の中でめちゃくちゃハードル上がっちゃうんですよ。で、そうやって苦しんでる中で昔の楽曲とかを覚え直さないといけないという期間がこの半年間続いてて。まあでもやっぱ続けられたことに対する感謝をね、うまいこと自分たちなりの形にできればいいなと思うんですけどね。
──あんまり感謝や30年とか気負い過ぎるとハードル高くなりそうですもんね。
谷川(笑)、そうなんですよ、まさに。作ってて30周年にふさわしくないだろこの曲調、と思っちゃう。そういう意識を捨てることから始めないといけないかもしれないですね。
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