有安杏果にインタビュー!ライブで大切に育んできた楽曲たちを収録したアルバム『雫ノ音』をリリース。作品、1年半ぶりとなるツアーへの想いを訊いた

インタビュー | 2026.05.15 19:00

──アルバムのリリースは9年ぶりになるんですね。

自分ではあんまり数えてなかったので、SNSでリスナーの方が『9年ぶり』って書いてるのを見てびっくりしました(笑)。あ、そうか、9年ぶりか〜って。

──(笑)。改めて、9年ぶり2枚目のアルバム『雫ノ音』(しずくのね)が完成した感想を聞かせてください。

ようやく、やっとっていう感じですね。

──制作前はどのようなアルバムにしたいと考えてましたか?

実は、結構前から制作をしていて。ソロアーティストとして活動を再開して、2019年3月にEXシアターで最初のライブ「サクライブ2019 〜Another story〜」と同じ年の夏に全国ライブハウスツアー「Pop Step Zepp Tour」をやったときに、二つ感じたことがあって。一つは曲が足りないってこと。ライブでセットリスト組む時にもっとたくさん曲があった方がいいなと思ったので、とにかく曲を作ろうって思いました。もう一つは、その時のバンドメンバーのアンサンブルが本当に好きで、ツアーを経て私がやりたい音楽ってこれだなっていうのを感じて。だから、このメンバーでアルバムをレコーディングしたいなって思って、雫ノ音』の制作がスタートしました。

──2019年から製作が始まってるんですね。『雫ノ音』っていうタイトルも決めてた?

いえ、最初は決めてなくて。2019年に作り始めて、2020年からレコーディングを始めました。

──2020年3月には本作に収録されている「サクラトーン」「虹む涙」の2曲が配信リリースされてます。

そうですね。2020年に本当は全国ツアーをする予定だったんですけど、コロナ禍になってしまって。何回も延期して、何とかやろうと思ったけど、結局できなくて。その年は11月の渋公リベンジ公演が精一杯で。

サクラトーン MV【Rec ver.】 Ariyasu Momoka -Sakura tone MV【Rec ver.】

「虹む涙 」MV【Rec ver.】 Ariyasu Momoka -Nijimu namida MV【Rec ver.】

──2020年3月5日から27日にかけて予定されていた「サクライブ2020」は中止になり、同年11月に渋谷公会堂でリベンジ公演と題し、1公演だけ開催しました。

それでもまだあの時期にライブをやるって……バンドメンバーもお客さんを入れてライブをやるのが、その年は私のライブで初めてだったぐらいでした。そんな中でもなんとか活動を止めたくないと思ってライブをやって、曲も一生懸命作りました。その次の年、2021年にバンドツアーをやろうと思ってたんです。

《ライブレポート》
有安杏果、1年3ヶ月ぶりのライブで、「音楽は人の心を豊かにする、心の栄養剤になると信じてます!」
(「有安杏果 サクライブ 2020」2020年11月12日(木)LINE CUBE SHIBUYA[渋谷公会堂])
https://diskgarage.com/digaonline/liverepo/149231
──渋公で発表して、結局は中止になってしまったのが、【有安杏果 LIVE TOUR 2021「雫ノ音」】でしたよね。

そうです。このバンドメンバーでツアーができるんだったら、そのタイミングでこのアルバムを出そうって思ってたんですよ。

──え? じゃあ、このアルバム『雫ノ音』が出て、そのアルバムを引っ提げたツアーになるはずだったんですね。

そうです。だから、当時、そのバンドメンバーでこだわってレコーディングをしていました。あのメンバーでツアーは……多分、難しいんですけど(笑)、ほんとにスケジュールを押さえるのが大変なんですよ。コロナ禍だったっていうのもあって、2021年の 1月の時にブッキングしたツアーは、奇跡的に会場もメンバーも全員抑えることが出来ていました。その時だったらツアーもやって、アルバムも出せると思って。なので、そのタイミングで『雫ノ音』を考えました。

──ちなみに、どうして「しずくのね」でしたか?『雫ノ音』で「シズクノオト」と読むこともできますが。

この『雫ノ音』に込めた思いは色々あるんですけど、要は汗と涙ですよね。ソロでこの活動を始めて、いろんな嬉しい涙もあれば、苦しい涙もあれば、沢山汗もかいてっていう。その思いをぎゅって絞って、滴り落ちた音っていう意味を込めてます。あとは、曲をどんどん作っていって、全部の曲が揃った時に歌詞を自分で見返したら、歌詞に涙がすごく多くて。全く意識してなかったんですけど、やっぱり“雫”のイメージが自分の中で自然と出てきていました。それと、個人的にこの“雫”っていう漢字がなんか可愛くて好きで。

──漢字を使いたかったんですね。

そうですね。でも、雫だけだとあれだなと思って色々考えてる中で、前作『ココロノオト』とか、いろんなのが繋がって、最終的に『雫ノ音』にしました。

『雫ノ音』ジャケット写真

──「虹む涙」には<みんなの雫 この手の平に 集めて>っていうフレーズがありますが、どんなイメージですか?

「『サクラトーン』と同じタイミングで作ったんですけど、ソロで活動するって発表した後かな。これから頑張るんだっていう時に作った曲で。でも、世間からはいろんな声が聞こえてきて。自分も悲しかったし、私のことを応援してくださってるファンの方もきっと悲しい思いをさせてしまった。でも、みんなの涙を集めて、いつか、この道は間違いじゃなかったよって思える日が来たらいいなっていう思いを込めて。本当にあの時の思いをそのまま曲にしたっていう感じです。いつもは曲を先に作るんですけど、『虹む涙』は唯一、曲と歌詞が同時にできた曲でもありますね。

──音源ではピアノとボーカルをメインにチェロが寄り添うアレンジになってます。

最初、もっと弦を入れるとか、いろんなアイデアがあったんですけど、アレンジしてくださった山口(寛雄)さんが、この曲は派手にするっていうよりかは、チェロ 1本どう? って言ってくださって、結果的にすごく素敵なアレンジで仕上がりました。

──「LAST SCENE」にも<窓を濡らす雫>というフレーズがありますね。

この曲は自分要素はそんなに入ってなくて。割と、サウンドやイメージを楽しみながら作っていった感じですね。

──個人的にはホーンとコンガが効いたソウルミュージック風の「Do you know」からジャズピアノにワウギターが絡む「LAST SCENE」の流れにワクワクしました。この「LAST SCENE」は2025年3月にKT Zepp Yokohamaで開催した「サクライブ2025」で披露した新アレンジのバージョンですよね。

そうです。その2曲は2020年に一旦、レコーディングしたんですけど、どうしても録り直したくなって。自分の中で、もっとこうしたいっていうアレンジや世界観がどんどん生まれてきてしまったので、同じメンバーでもう一回、録り直して。でも、バンドメンバーは2020年のバージョンも好きって言ってましたし、ライブでもやってたので、特典の方には入れてます。本当に全部、生音で録ったのが贅沢ですし、こだわった部分だなとは思います。

──ちなみに全11曲はどう選曲したんですか? ここ数年のライブで披露してきた「オレンジ」や「指先の夢」、「Tsuki Talk」「Regeneration」「Prélude」は入ってないですよね。

あはははは。全部知ってくださってて、ありがとうございます。ただ、シンプルに、当時これで出す予定だったので、そのままにしてるっていうだけですね。それをいじりたくなかったっていう。

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