
現在東阪TOUR『FATE』を開催中の、経歴や素顔を明かさずに活動する正体不明の4人組バンド・G over。彼らがツアー初日の大阪Live House ANIMA公演にて、3年ぶりのフルアルバム『FATE』を11月5日にリリースすることを発表した。
G overは2021年1月に初楽曲「曙光」を発表し、コンスタントに楽曲リリースを続けるなかで2023年3月にリリースした「drive」がバイラルヒットを記録する。同年11月から有観客でのライブ活動を開始し、それ以降はワンマンはもちろんフェスやサーキットイベント、対バンライブなど精力的に取り組んだ。『FATE』はその経験から生まれたライブアンセムが多数揃う、ジャンルレスでポジティブな作品である。東阪ツアーは残すところ12月6日の渋谷duo MUSIC EXCHANGE公演。バンドの歩みやポリシーを訊いたインタビュー前編に続き、後編ではアルバムの話題を通して“ハッピーエンド編”となる東京公演への意気込みを語ってもらった。
G overは2021年1月に初楽曲「曙光」を発表し、コンスタントに楽曲リリースを続けるなかで2023年3月にリリースした「drive」がバイラルヒットを記録する。同年11月から有観客でのライブ活動を開始し、それ以降はワンマンはもちろんフェスやサーキットイベント、対バンライブなど精力的に取り組んだ。『FATE』はその経験から生まれたライブアンセムが多数揃う、ジャンルレスでポジティブな作品である。東阪ツアーは残すところ12月6日の渋谷duo MUSIC EXCHANGE公演。バンドの歩みやポリシーを訊いたインタビュー前編に続き、後編ではアルバムの話題を通して“ハッピーエンド編”となる東京公演への意気込みを語ってもらった。
──現在東阪ツアー「FATE」真っ最中のG overですが、初日大阪公演で3年ぶりのフルアルバムとなる『FATE』のリリースが発表されました。「FATE」というライブタイトルは、実はフルアルバムとイコールだったんですね。
『FATE』
Yoki(Gt)実はアルバムタイトルよりも先に、ツアータイトルやコンセプトを決めていたんです。結果的にアルバムタイトルもツアータイトルと同じにしたんですよね。
Ibuki(Dr)2023年11月からライブをやるようになって、ライブの本数が増えるごとにセットリストが似てきているなと感じていたんですよね。G overはもっとライブ会場を盛り上げられるし、そういう曲がいっぱい欲しくなったので、アルバムにはそういう曲たちがいっぱい入っています。つまり東阪ツアー「FATE」の東京編、ハッピーエンド編に必要な曲たちがいっぱい揃っているということですね。
──東阪ツアー「FATE」は2公演それぞれ内容が異なるとおっしゃっていましたが、大阪公演がバッドエンド編、東京公演がハッピーエンド編であるということですね。
Ibukiだから大阪公演は初期曲を中心に、それまでにリリースした楽曲でセットリストを構成しましたね。昔の自分は反骨精神を歌詞にしていたり、海を見ながら山の曲を書けるくらいあんまり深く考えていなくて、頭の中で描いた想像を歌詞にすることも多かったんです。最近はトゲがなくなったというか……丸くなったというか。最近の世の中が暗いニュースばっかりすぎるじゃないですか。
──そうですね。
Ibukiそういうニュースは単純に楽しくないから観ないようにしていて。僕は楽しいのが好きなので、みんなが笑っているのがいちばん幸せだと思ったんです。普段の生活で暗い気持ちになって疲れているんだとしたら、ライブに行ったときくらいは楽しんでほしいし、嫌な仕事の帰りとかにもイヤホンつけたらちょっと元気になれるような曲だけをいっぱい書きたいと思うようになって。だから『FATE』では自分の楽しかったこととか、自分が面白いと思っていることを曲にしています。
──暗いニュースが多い世の中への反骨精神とも言えるかもしれませんね。今年3月にリリースされた「Abandonne」がアルバムの1曲目を飾っていますが、これまでのG overの路線だった曲がちょっとアルバムで異端児的立ち位置なのも興味深いです。
Ibukiこれは『Hood』をリリースした2022年半ばにはできていた曲なんですよね。僕はそのままお蔵入りにするつもりだったんですけど。
Yokiライブで盛り上がれるような楽しい方向にシフトしようと話し合ってた時期に、なら最後に今までのようなダーク路線の曲を出したいなと僕が希望を出して、デモを引っ張ってきました。
Ibuki『FATE』の中では浮いているんですけど、やっぱりそういう曲が好きなG overのファンの方もいるので「Abandonne」を1曲目にしました。今までのG overの路線を別の角度や雰囲気で表現したくて作ったのが「最終戦線」ですね。
──その結果『FATE』はG overの原点的な楽曲やライブで盛り上がれそうな踊れるロックだけでなく、ポップス的アプローチの「Summer Jump!!」や「season」、ストレートな応援歌「No Thank you!!??」も含んだ、カラフルな作品になりました。
Nao(Vo)だから今回のアルバムの曲は全曲歌い方が違うんですよね。「俺ってこういう歌い方もできるんだ!」という発見がレコーディングのたびにあったので、それが楽しかったし面白かったです。こんなに新鮮な気持ちでレコーディングができたのは久しぶりでしたね。
Aoi(Ba)いろんなタイプの曲があったので、どういうベースにしたらかっこいいかなと一つひとつ考える時間が楽しかったです。今までのベースラインとちょっと違ったことがしたいなっていろいろ考えたりしました。ただソングライターのIbukiから曲が届くのがレコーディングの3日前とかで(笑)。
Naoこれはほんまにそう(笑)。いちばんギリギリで前日で、「明日これやるから覚えといて」って……マジで!? みたいな(笑)。
Ibukiぎりぎりまでアレンジャーさんに意見をもらったりしてたから(笑)。
YokiIbukiはピアノで曲を作るので、それを弦楽器で弾くとなると結構大変な箇所があるぶんギターとベースは毎回苦しめられています(笑)。でもいろんなジャンルの音楽が演奏できるのは楽しいよね。
Aoiレコーディング直前に曲が届いて、そこから頑張ってベースラインをつけて……。大変やったけど面白かったです。ゲームみたいな感覚ですね。
Yokiいろんな曲調の9曲が揃ったので、やる側も聴く側も楽しいよね。初期の路線と違うかもしれないけど、今までのG overファンにも楽しんでもらえる内容になったと思います。






