ステージを作る時に、このメッセージだけはきちんと伝えて帰りたい、というものを置いているんです
──その時にしかないものを楽しんでいる一方で、あれだけのパワーでギターを弾き、歌っておられるわけで。終演後はへとへとじゃないですか?
それが意外と大丈夫です。特に、喉は自分でもビックリするくらい痛まないんですよ。もちろん、アイシングしてアフターケアを怠らないようにしていますけどね。2時間とか2時間半のライブは走り抜けられていますし、2日くらいなら続いても大丈夫だと思っていますよ。普段、自炊して食に気をつけているのもいいんでしょうね。
──確かにそうですね。コロナ禍があったり、この数年間で世の中が変化したように思えます。
本当に世の中は変化したね。
──コロナ禍で観させていただいた野村義男さんとのユニット・音屋吉右衛門のライブでは、今この瞬間だけでも楽しんで、というメッセージを強く感じたりしました。世の中が移ろう中で、世良さんにとってのライブ、音楽をやる想いや向き合い方に変化はありましたか?
ステージを作る時に、全体のうち何曲かはここでこのメッセージだけはきちんと伝えて帰りたい、というものを置いているんです。ただ世良の音楽があって、世良を楽しんで盛り上がったというだけのものじゃなくて、何度も来てくれている方、初めての方関係なく、元気をもらった、とか、結構ヘヴィーなメッセージを歌っていてもそれが楽しいに変化したとか、なにかしらが残っていつまでも心で繰り返し鳴っているという。特にコロナ以後はそういう言葉を含んでいる曲を1、2箇所意識して選んで入れる傾向がありますね。
あのヒリヒリする感じと楽しくてたまらない感じが同居している歌や空気感をまた味わえる!と今からワクワクしているんです
──このインタビュー中に世良さんは、“役者である佐藤さんは、歌詞の捉え方とか空気感がシンガーやミュージシャンの方とまるで違う”といったことをおっしゃいました。メッセージという意味でも、10月の『DOORS “ヨロコビノトビラ”』は、佐藤さんが発する言葉と宇崎さん世良さんの発する言葉で違うよさを味わえるのかもしれないですね。
大きなメッセージを含んだ言葉に限らず、それは感じていただけると思いますよ。前回「酒事-さかごと-」を歌っていただいた時、“体が芯から熱くなる”というフレーズをシンガーがシャウトするのと、俳優である浩市さんが歌われるのではやはり違って。役者さんの解釈で、今までたくさん演じてきた佐藤浩市としての経験や伝えたいものが乗った熱量と、そのひと言を発する力を真横で歌から感じましたし、やはり表現者だと、と改めて思わされて。僕も自然と力が入りましたから。あのヒリヒリする感じと楽しくてたまらない感じが同居している歌や空気感をまた味わえる!と今からワクワクしているんです。ただ、浩市さんにはリラックスして楽しくやってほしいと思っていますけどね(笑)。
──では、年内にたくさんのライブが残っている中ですけれど、世良さんは今後どういった表現活動をしていきたいと考えておられるか、最後に教えていただけますか?
ライブに向けてギターに触れる時間を増やしていくんですけど、そういった時や日常でギターをポロポロと弾いている時に、生まれるフレーズがあるんですね。同じ曲を弾いていても、ふと弾いた弾き方だったり、少し溜めを多くとってみたりで楽曲が変わる。そこに入っていくことが次の自分の音楽性のような気がしています。僕の中では変わっているんだよね、という変化がどんどん次に繋がっていくんじゃないかな、と。このインタビューの前にもギターに触れていて、こっちの弾き方でやってみよう、と思う瞬間があったり。それがどういう形で次のステージに活かせられるかが、進化へ繋がるのかな、と思いながら、ギターを弾いたり、軽く歌ってみたりしていますよ。
──閃きとか偶然性が曲や音楽を進化させていくんですね。
それをキャッチするというか、気づくことが大切ですよね。ただ通り過ぎていることっていっぱいありますから。それは、身近なスタッフに言われて気づくこともあります。ここまで来ると、目からウロコが落ちるような劇的な変わり方、例えばこれから大きくステージを変えていきますとか、30代、40代の頃の“俺はこう変わっていくぜ”といったものではなく、ちょっとした気づきが実は、時間をかけても変われなかったことを変化させるキッカケになるような。そういう年齢に入ってきた気がしているんです。そして、日常のふとしたところに気づきが転がっているように思っています。
──前回のスタジオオリジナルアルバム『Howling Wolves』でも、日常のふとした気づきや時間が音楽になっていて、それが心地よかったですから。今の世良さんが感じられている何気ない心の動きが形になった新曲を聴いてみたいです。
直ぐにお約束はできませんが、そういうものを曲として形にしていくことも続けていって。自分自身をコンティニューしていきたいですね。やっぱりクリエイターですから。
MESSAGE FROM 宇崎竜童

世良公則sanへ
逢う度に新しい世良君と付き合ってきた。
たった今、世良君が何処に向かっているのか訊きたい。
いや、訊かなくても分かる、同じステージに立っていれば。
世良君の行きたい所とは、「魂の境地」なのだ。
それも「新境地」にちがいない。
だから、私はこの目で見届けたくて同じステージに立つ。
from R.U.
逢う度に新しい世良君と付き合ってきた。
たった今、世良君が何処に向かっているのか訊きたい。
いや、訊かなくても分かる、同じステージに立っていれば。
世良君の行きたい所とは、「魂の境地」なのだ。
それも「新境地」にちがいない。
だから、私はこの目で見届けたくて同じステージに立つ。
from R.U.
PRESENT
世良公則 直筆サイン入りポストカードを3名様に!
受付は終了しました








