フルカワユタカ 3年振り、2枚目のフルアルバム「And I’m a Rock Star」リリース!ロングインタビュー!

インタビュー | 2016.12.09 12:00

フルカワユタカ

インタビュー/山田邦子

──2ndフルアルバム「And I’m a Rock Star」、ついに完成しましたね!

ありがとうございます。以前は1ヶ月以上かけてレコーディングとかしてましたけど、今は制作にかける時間もすごく短くせざるを得ないんで、「やっと出来た!」みたいな感じは昔ほどないんですよね。でも、3年ぶりにリリースするということに関しては、感慨深いものがあります。

──ちょっと極端な言い方ですけど、今回はまず、自分のためにこの作品を作らなきゃいけなかったんじゃないかなと思いました。

そうですね。うん。前作もそうだし、バンドの時もそうで、こんなことを言うとファンは悲しむかもしれないけど、結局はそうだったんだなと思うんですよ。だけど、その意味合いが違ってきてて。意固地に自分のためっていうんじゃなく、いちばん素直な意味での「自分のため」が今回だった気がするんですよね。

──では、この作品にたどり着くまでの過程を振り返ってみたいのですが。

バンド解散の時にもすごく心は折れてたんですけど、ソロになったらどうなるんだろうっていう漠然とした期待はあったんですね。ただ1枚目の「emotion」を2013年の11月に出して、ツアーが思うようにいかなかった時に、その解散の時よりもネガティブになってしまったんです。上手くいかないもんなんだなあってことを強く思ったし、レーベルこそ使わせてもらってましたけど、事務所に所属せず自分でやることの限界を知った。で、前の事務所に戻ることになるんですけど、周りは結構反対したんですよ。「これでまた戻るのはどうなんだろう?」って。

──でも、フルカワさん自身が音楽制作に没頭できる環境にはなったんですよね。

はい。最初の頃は、自分の中にも「負けて戻った」みたいなところがあったと思うんですけど、あれから2年半くらいかな。もう、感謝しかないです。当時はいろいろ言われたけど、戻ってみて思ったのは、やっぱり僕は良くも悪くもサポートを受けながら、神輿に担がれるようなタイプなのかなってことなんです。自分じゃ全然出来なかった。わがままだし、自意識過剰なところもあるんでね。へんな話、今の環境が100点かと言われたらそうじゃないところもあるし、ひょっとしたらこの先また(事務所を)出るかもしれないけど、僕はこういう環境が向いてる人なんだってことをあらためて感じたんですよね。

──2014年に事務所に戻り、翌年には東京・WWWのライブでドーパンの曲を解禁されましたよね。

それも、ひとりでやってたら考えなかったことでした。バンドの曲はもうやらないって決めてたし、「emotion」を出す時もバンドとは違うように違うように、日本語っぽく、J-ROCKっぽく、これまでとは違う場所で歌を歌うとかロックが出来たらってところを狙ってたから。でも、それが上手くはまらなかった。もしかしたら自分自身も無理してた部分があったからかもしれないんですけどね。だけど自分ひとりじゃなく事務所にサポートしてもらってるからには、返さなくちゃいけないものもある。そんな中で、自分が喉元まで出かかってたけど言えなかったことを言ってもらったような感じが強かったんです。

──なるほど。

ただ単にライブをやるのは面白くないよねって話が出てきた時に、言いたくて言わなかったことを言わせてもらえたんですよ。ドーパンのライブには「無限大ダンスタイム」っていう四つ打ちの曲をバーッとやってるセクションがあって、あれを僕がやるってのはどうですかねって。それは話題にもなるし、興業としても成り立つし、足踏みしてた僕が一歩踏み出す要素にもなるわけで、いろんな意味で面白いですねと。で、僕も、ちょっと語弊があるけど、事務所のせいにも出来るしってところがあったんです。最初の頃はね。

──正直に言うと。

はい。いろいろ言われましたよ。過去にこだわってとか、昔に頼ってるとか聞こえてきたけど、ライブやってみたら、そんなのどうでもいいくらい楽しかったんです。自分がかっこいいと思って書いてた曲ですから、まさにそこだったというか。もちろん1stの「emotion」は無理して書いたわけじゃないし、かっこいいと思って書いた曲ばっかり。ドーパンの曲は古傷みたいなところがあって聴けないところもあるけど(笑)、1stはいまだによく聴いてますしね。そういう意味でも、1stがどうこうじゃなく、ドーパンの曲っていうのは特別なものがなきゃおかしいし、それはきっとお客さんも一緒だと思うんですよ。だから、ワンフレーズ出ただけでスイッチが入っちゃうみたいに盛り上がる。サポートメンバーなんてびっくりしてましたからね、「この人、こんな人気あったんだ」って(笑)

──いやいやいや(笑)

そういうことのために昔の曲があるとは思わないけど(笑)、ちっちゃいことだったんだなと思いました。やらないとかこだわってたことが。ちっちゃくないって思う人もいるかもしれないけど、でもきっと500とか600の人を集めてそういうライブをやって、それで何かが変わるんだったらちっちゃいことだなって思ったんですよね。すごく。

──その年、2015年の11月にミニアルバム「I don’t wanna dance」がリリースされ、12月には東京と大阪で「無限大ダンスタイム」を開催。

そのライブが決まってたんで、いっそのことそういう音源を作ってみようかなと思って作ったのがあのミニアルバムで。それでひと区切りみたいな感じにして、来年、つまり2016年は漠然とアルバムを出してツアーかなと思ってたんです。

──いよいよ今回の2ndアルバムが近づいてきたわけですね?

いやその一方で、これでまたソロを出して活動するって、何か意味があるのかなと思う自分もいたんです。友達のバンドとか見てると、自分たちで事務所作ってやってるような人たちは、ある意味生活していくために必要なサイクルとしてアルバム作ってツアーやってるんですね。本当はどう思ってるかはわからないけど。でも、圧縮された制作環境で作りながら、苦しんでる部分もある。止まったら終わりだから、みんな無理矢理にでも頑張ってバンドをまわしてるけど、僕がいる環境はそうする必要がないわけで。

──サポートがあるわけですからね。

無理にやらなくていい環境にいるから、モチベーションが上がらないんですよ。ナメまくってますけど(笑)。だから年末の「無限大ダンスタイム」が終わった後、すごくふんわりしちゃってたんです。無理する必要はない。だけど、やろうとすると予算の問題とかがあったりする。ドーパンの時は、たとえば照明機材まで持ち込んでライブやってたのに、今はPAさんも我慢しなきゃいけないみたいなことになると、そこに何か意味があるのかなって。

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Base Ball Bearのツアーサポートを経て
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フルカワユタカ presents
『And I'm a Rock Star TOUR』

2017年2月10日(金)Shibuya WWW X
18:15 開場 / 19:00 開演
12月10日(土) SALE

ディスクガレージ先着受付

お申し込みはこちら
受付期間:12月10日(土)10:00〜1月6日(金)23:00

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RELEASE

2nd フルアルバム
「And I'm a Rock Star」

(Niw! Records)
2017年1月11日(水) SALE
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