
MUCC、Psycho le Cému、Waiveによるタイバンライブ『MUD FRIENDS』が7年ぶりに開催決定、杉本善徳(Waive)、seek(Psycho le Cému)、逹瑯(MUCC)による“泥友”鼎談が実現した。2000年代を振り返る貴重なエピソードや開催の経緯など、前後編でお届けする。
【後編は8月25日(月)18:00公開予定】
次は誰かの葬式!? 7年ぶりに3バンドが全員集合する『MUD FRIENDS』
──11月13日に行われる『MUD FRIENDS 2000-2025』の開催を記念した鼎談企画。実に7年ぶりとなる、このイベントの開催ですが。現在、来年1月に控えたWaiveの日本武道館で行われる解散ライブに向けて、この3人でYouTubeライブ配信『ウエイ武(仮)』を定期配信中。今日も放送直前の取材となりますが、最近は3人で会う機会も増えました?
逹瑯この3人だけね。最近、田澤(Waive)とも遊んでないし。
seekでも言われてみれば、頻繁には会うようになってるかもしれないですね。毎回、収録が終わったら、翌月の空いてる日を3人ですり合わせて、次の配信日を決めてるんですけど。プライベートでもそこまで途切れず、定期的に会ってたり。やっぱりWaiveの解散が軸になってから、頻繁に会うようになったって印象ですね。
──7年前のイベント開催時のライブレポを見てたら、トークセッションで「この3組で集まろうって話をしてから10年かかった」と話していたそうですが?
杉本そこからさらに7年経ってるから、いちいち時間かかってますね(笑)。MUCCとは去年の11月にツーマンをやったので、お互いのメンバーと会ってて。Psycho le Cémuは6月に出た「シャクティ シャクティ アスティ」のプロデュースを僕がやらせていただいたんで、そのレコーディングで会っていたりするんですけど。昔は対バンだなんだでよく会ってたから、半年会わないとめっちゃ久しぶりだと思っていたのが、お互いに対バン構成での活動をあまりしなくなって。なにかしらの理由がないと、全員で会うことは無くなっちゃったから。全員で最後に会ったのなんて、下手したら7年前かもしれない。
逹瑯これでWaiveが解散したら、貮方(孝司)くん(Waive)と次に会うのは、誰かの葬式だね(笑)。
──縁起でもないこといいますね(笑)。
逹瑯ははは。俺の葬式だったら会えないしなぁ。
seek「来てくれたんや!」って、上から見るしかない(笑)。でも、2000年代初頭はあんだけバンドの数もあったのに、少しずつ減っていってるのも時代やと思うんで。
──こうしていまもバンドを続けてて、一緒にイベントをやれるというのが奇跡的だし、すごく素敵ですよね。2000年代初頭、この3バンドで対バンする機会ってあったんですか?
逹瑯あの頃は雑誌が元気だったから。雑誌主催のイベントがあったりして一緒になって、みたいなことはあったよね?
seekそうやな。初対面まで振り返ると、僕らは兵庫県の姫路で結成して、Waiveは大阪で結成されて。Psycho le Cémuの前身バンドの時から、(杉本)善徳さんの前身バンドと面識があったんで、お互いの新しいバンドのスタートから共有してたりするんですけど。MUCCは茨城のバンドだったんで「大阪に来るぞ」ってところで、当時の心斎橋MUSEで対バンしたのが一番最初でした。
──関西拠点と関東拠点みたいなところで、活動範囲も違ったと。
杉本でもMUCCは一発目の大阪から、すごい人気あったよね?
逹瑯俺、Waiveとの対バンは梅田HEAT BEATが一番覚えてるな。会場も好きだったし。
杉本楽屋も一緒だったからね。あれが2回目くらいの対バンやったかな?
逹瑯まぁ、覚えてるっていっても、善徳くんの声がデカかったことくらいしか覚えてないけど(笑)。MUCCもうるさかったと思うけどね、外で駆け回って遊んでたから。まだ地方に行くこと自体が珍しいから、「大阪に来たぞ!」ってはしゃいじゃって。表現としてじゃなくて、リアルに走り回ってた。
──逹瑯さんは以前の記事で、「善徳くんとこんなに仲良くなると思わなかった。もともと嫌いだったし(笑)」って発言してたんですが、最初の印象は良くなかった?
逹瑯良くはなかったです。口悪いしね、メンドくさそうな人だなと思ってた(笑)。
seek善徳さんは「ええもんはええ、悪いもんは悪い」って、はっきり言うんです。僕らは思っても飲み込んでしまうようなことも、口に出していうみたいな。
杉本まぁ、いまでこそ仲良いバンドがいたり、MUCCやPsycho le Cémuとも25年くらいやってきて、戦友だ旧友だっていうけど。当時は対バンしてる人たちと友達になるなんて、思ってもなかったですからね。ライバルと思うほど高い意識もなくて、その日会っただけの人くらいの感覚だったんで。例えば、曲がすごい良いとか、使ってる機材がめちゃ良い音するとか、そういうので話して会話が深まるヤツがたまにいるだけで、仲良くするとかどうとかなかったし。イベントに5バンド、10バンドって出てることも多かったから、その中の1人や2人は仲良くなることがあったけど、正直言うと興味がなかった!
逹瑯対バンで倒す相手ですからね。お客さんに観て比べられて、どっちが勝った負けたって対象の相手だから。「一緒に盛り上げましょう」なんて気持ちは1mmも無かったよね?
seek無かった。さらに距離の話もあって、こっちは東京まで8時間もかけて来て、バイトも入れずにライブやってたから。たった20分の持ち時間ってなったら、客取って帰るしかないですから。東京のバンドが仲良くしてるのを見ると、「そんな感じなんや!」と思って。「今日のライブ良かったな」とか言ってると、「褒めたりすんねや」って驚いてた。
杉本そこで言葉を飲み込むか言うかだけで、僕は仲良くする必要もないし、キレられたらぶん殴り合えばいいと思ってたから。面と向かって「君、下手だね」なんて言わないけど、誰か第三者がおる時に「あそこ下手やもんな」みたいな言い方をわざとするようなキャラではいたから。イヤな人はイヤだと思うし、逆に「言ってくれて気持ちよかった」っていう人もいるし。そういう人とは仲良くやってた。








