ニューアルバム『Knightclub』を9月4日にリリース、それに先駆けて槇原敬之と絢香が参加した「Yomigaeri」を8月26日に先行配信。そして、9月27日愛知から12月8日福岡まで6本を回る全国ツアーを控えているビッケブランカ。フルアルバムとしては3年ぶりになる『Knightclub』のこと、1年ちょっと前から激化している……というか「やっているのが普通」になっている海外でのライブ活動のことなどを、みっちり訊いたインタビューをお届けします。なお、このDI:GA ONLINEで、ライブレポ等の記事はありましたが、インタビューは3年ぶりです!
槇原敬之と絢香、このふたりが1曲で揃うなんて、こんなすごいことあるか?
──久々のニューアルバムが出ますね。
ビッケブランカはい、EPは出しまくってたんですけどね、アルバムは気がついたら3年出てなくて。
──アルバムサイズの作品は作ってないけど、新曲はコンスタントに出していると……特に今の時代は、人から言われないと、アルバムって作ろうと思わないですよね。
そうなんですよ。でもやっぱり、EPとかミニアルバムよりも、一大イベント感があるんですって、スタッフのみんな的にも。じゃあ久しぶりに出そうかな、というので、既発の曲以外に、新しく6曲作って。
──よくできましたね、あれだけ頻繁に海外に行っていて。
もう南米ツアーに行く、フライトの日の朝まで作ってました。今回、アレンジも全部自分だし、歌のレコーディングも自宅スタジオでしたので。それがワールド・スタンダードになってきているので、やんなきゃいけないなと思って。だから、自分の時間で自由に作れましたけど、ギリギリまで作ってましたね。
──「Yomigaeri」に、槇原敬之と絢香が参加しているのは?
これはまず、「Yomigaeri」という壮大な曲ができて。あのふたりの圧倒的な強さを持ったボーカルに堪える曲なんじゃないか、という謎の自信があったので、直接連絡させてもらいました。槇原さんはラジオの方を通じて1年前くらいに知り合った尊敬する先輩で、「めちゃめちゃ壮大な曲ができたので、不躾ですけど、二番を歌ってください」と連絡したら、「もちろんいいよ」と。で、絢香はマネージャーが一緒ということもあって繋がって、僕の主催ライブにも出てくれたんですね(2024年5月4日大阪フェスティバルホールの『RAINBOW ROAD -伝-』に出演)。「最後に女神が必要だ、頼む」と連絡したら「おもしろそうだから、いいよ」と。このふたりが1曲で揃うなんて、こんなすごいことあるか? と思いました。
──あと、『ヒプノシスマイク』の有栖川帝統(野津山幸宏)&観音坂独歩(伊東健人)に提供した「Rivals!」のセルフカバーを入れたのは?
あのふたりのために、あのふたりのストーリーで書いて、デモを作ったんですけど。そのデモを、僕のスタッフのみんながやけに気に入ってくれて、「これ絶対アルバムに入れたい!」と。レーベルのスタッフには「こういう曲をもっと作るべきです。なんで自分で歌わないんですか!」とまで言われて(笑)。「ほんとに? じゃあ入れようか」って。
──で、9月から久々に日本でのツアーが……って言いたくなるくらい、最近は海外の方が多いですよね。
そうですね。
──まず、海外に行き始めたのは、アニメ『ブラッククロ―バー』の第3シーズンと第10シーズンに提供した「Black Rover」と「Black Catcher」が、海外ですごい再生回数になったのが、直接的な理由?
だと思います。海外のプロモーターとかイベンターも、あの2曲があるから組んでくれる感じがありますね。
──アニメだから海外でも観られるだろう、だから俺の曲も海外でいけるんじゃないか、という読みはありました?
なかった。こんなふうになるとは、まったく思ってなかったです。第3シーズンに「Black Rover」を書いた時に、やけに回るなあ、やっぱりアニメってすごいんだなあ、と思って。で、「次にまたエイベックスに話が来たら、絶対俺に!」って、タイアップの部署に直接電話して、第10シーズンで無理矢理もらって、「Black Catcher」を書いて。今はもうそっちの方が回ってるんですけど。データを見たら、アメリカとかメキシコとかが多くて。ほんとにそうなんだな、って思いましたね。
──あの、Vistäの話をしてもいいですか?
はい。懐かしいですね。
──コロナ禍の前ですけど、日本国内ではビッケブランカ、海外ではプロデューサーDJのVistäとして、分けて活動を始めようとしていた時期がありましたね。
はい、ありましたね。でもその直後にコロナ禍になって。それで、日本でのことが大変になって……ツアーの延期をどうするのか、リリースをどうするのか、とか。でも幸い僕は、タイアップが連続してたんですね、コロナ禍の中でも。だからそっちに比重を置いていたらコロナが明けたと同時に、Vistäとしては活動はしなくても「Black Rover」と「Black Catcher」を出したビッケブランカの方で海外にも活動を広げていくことができましたね。