ClariS、クララ・カレンの2人に5月リリースのSingle「アンダンテ」、7th Album『Iris(イーリス)』について、ライブに対する思いをたっぷり語ってもらった【後編】

インタビュー | 2024.05.09 17:00

7曲目の「ふぉりら」から12曲目の「一期一会」までクララ・カレンが解説!

──7曲目の「ふぉりら」は、アップテンポのサウンドにお二人のウイスパーボイスやクラップ、チップチューンのような仕掛けもたくさんあって、おもしろい曲です。
クララこの曲も情緒があっちこっち行きすぎて、ビックリしちゃう曲です(笑)。この歌詞の女の子はABメロでは片思いしている男の子にイライラしたりネガティブなのに、サビになる「好き」の気持ちが一気にあふれ出してボルテージが上がって。『カノジョも彼女』Season 2 ED曲ということで、恋する女の子の素直な気持ちをそのまま表現しているし、ラップっぽいものに挑戦したりと遊び心がたくさん詰まっています。この気持ちの忙しさを楽しんでください(笑)。

ClariS『ふぉりら』 Music Video 【TVアニメ「カノジョも彼女」Season 2 エンディングテーマ】

──アニメの主人公の直也はたくさんの女の子から好意を持たれたり、アプローチされていることもあって、この曲の女の子がよりヤキモキする感じが出ています。
カレン私たちもアニメを見ていて、「直也くん、しっかりしてよ!」とちょっとイライラしました(笑)。
クララ本当にもどかしくて。
カレンアニメを見進めていくと「直也くん、いい子だな」と良さがわかってくるから憎めないんですよね。だからこそ、どの女の子にも当てはまるような曲になったので、片想いしている女の子は特に共感してもらえるのでは。こういう少しコミカルな曲も久しぶりで、新鮮な気持ちで歌えました。
──次はまたガラっと雰囲気が変わって、8曲目は新曲の「アサガオ」です。せつないバラードナンバーで、離れ離れになった気持ちを歌いながら、相手がどうなったのか想像も膨らむような。
クララ本当に感情の動きが忙しくて、すみません(笑)。今思うと、ここまで王道のバラード曲ってなかったかも。私たちがこの年齢になったからこそのせつない感情や歌い方を楽しんでいただけたら。
カレン私はアップテンポの曲が得意ですが、クララはバラード曲が得意ということで、クララの歌声やニュアンスをたっぷり楽しんでいただけると思います。その中でもところどころ、ユニゾンになることで、この曲が持つメッセージ性や伝えたい想いが届く曲になったかなと思います。あと、ここまで皆さんの感情を振り回す曲が続いたので、一旦クールダウンもしていただいて(笑)。
──9曲目の「スノーライト」はお二人が作詞された冬の透き通った空気感やワクワク感もあるウインターソングですね。
クララこの曲はコンセプトミニアルバム『WINTER TRACKS ー冬のうたー』に収録されたオリジナル曲です、冬をテーマにした曲の中で、ここまで冬が感じられて、かわいらしい曲はなかったので、お気に入りの曲になったし、またアルバムに収録できて嬉しいです。
カレン作詞は、宮嶋淳子さん(SUPA LOVE)との共作の形で作らせていただきましたが、私たちは北海道で育ってきたので、雪国で暮らしているからこその恋愛観や情景を皆さんにお届けしたくて。「私たちだったら冬をこう歌うよね」というものを落とし込めたと思います。

ClariS『スノーライト』リリック Music Video (Illustration: magako)

──私は2022年12月の『ClariS HALL CONCERT 2022 WINTER 〜 Let's Snow Parade ! 〜』でこの曲を生で聴きましたが、クリスマス時期ということもあって、都会で初雪が降って来たようなワクワク感も更に感じました。
カレンありがとうございます。クリスマスなどのイベントをテーマにした曲がClariSにはなかったので、この「スノーライト」がクリスマスらしさを感じられる曲になったので、私たちとしても「やっとイベント事の曲ができて良かった」という気持ちでした(笑)。
クララぜひ皆さんの冬のお気に入り曲やクリスマスソング集に加えていただけたら嬉しいです。またお店や商店街の方には、12月に流していただいて(笑)。
カレンそれとも私たちがスピーカーを持って曲を流しに行こうか?
クララそういう意味!?(笑)
──10曲目の「トワイライト」は「夕暮れ」という意味ですが、これから夜に変わっていく中で、新しい世界に入っていく気持ちを力強く歌っているような。
クララ「ALIVE」を歌ったことで、「疾走感があってカッコいい曲もいいね」と思っていたので、この曲を選曲しました。最初から最後まで全力で駆け抜けるような疾走感を感じられる曲になっています。メッセージ性も強くて、生活の中で生まれる様々な葛藤に立ち向かっていく時にこの曲を聴いて昇華していただいたり、背中を押してあげられたらいいなと思っています。
カレン珍しくBメロがないおもしろい構成だなと。また曲頭やサビで「だれも知らない僕を探している」と歌いながらも、また生まれ変わってもきっとまた自分を選ぶだろうと。誰でも自分にしかない良さや自分だからこそ輝けるものを必ず持っているはずなので、この曲を聴いて自分自身を見つめ直したり、自分の良さや特長を見つけ出すきっかけになってもらえたらいいですね。
──11曲目の「未来航路」もアッパーで元気づけられる曲です。「無感情のリライフ」や「ありふれた日常に 押しつぶされちゃいそう」など誰しも感じていそうな現実に対して、「終点なんてみえない この旅路を進み続けていく」と前への推進力を上げていくように。
クララいつも曲を作っていただいている重永亮介さんの作詞・作曲ということで、最初に聴いた時、ClariSらしさが現れている曲だなと思いました。タイトルからも未来を予感させたり、明るい未来へ走り続けていく道を走っているような気持ちになるので、歌っていても気持ちが良くて。
カレンまたタイトルの「航路」は、未来に向かっていく滑走路を走り抜けている感じがして。いつも取材を受ける際、「ClariSとしての終わりを決めていないからこそ、1つひとつのことに全力で向かっていけるんです」とお話ししてきました。この曲のサビにも「終点なんてみえない この旅路は始まったばかり」が何度も登場しているのがまさに私たちのことを歌っているような気がして、お気に入りです。
──アルバムがリリースされる5月は、新生活が始まって、必死に頑張ってきたけど、ちょっと疲れが出てくる人も多いと思いますが、もうひと押しやリフレッシュさせてくれる曲でもありますね。
クララ1コーラス目のAメロやBメロではネガティブな気持ちを歌っていますが、いつも気を張っていてはもたないし、そういう時も必要だよと言ってくれる曲ですし、2コーラス目になるとただただ前に進むしかないと思わせてくれるので、私も歌っていて「頑張るぞ」という気持ちになれます。
カレン歌っている時、すごいニコニコしてるもんね。
クララ自然と元気になっちゃう(笑)。皆さんにも聴く栄養ドリンクみたいに、元気やパワーを感じてもらえたらいいなと思っています。
──アルバム最後の「一期一会」は、和テイストのしっとりした、さわやかな曲で、こういう曲でアルバムを締めくくるというのも珍しいですね。
クララ和を感じる曲は、和ロックなどこれまでも歌ってきましたが、この曲は王道の日本の良さや雅を感じる曲になっていると思います。
カレン歌詞も古典を読んでいるような気持ちになれる言い回しになっていますし、二人の掛け合いも「一期一会」の出会いを歌えている気がします。今までこんなに掛け合ったり、途中で二線に分かれてハモったりする曲はなかったので、新鮮な気持ちもありつつ、楽しくレコーディングできました。
──1曲目の「ALIVE」からアップダウンが激しかったけど、最後はきれいにソフトランディングしたような(笑)。
カレンそうですね。終わり良ければすべて良し、みたいな(笑)。
クララでもこのアルバムは、それぞれ個性が違う曲がそろっていて、各曲を聴くたびに新鮮な感覚や発見があるので、まさに「一期一会」かなと思ったので、最後の曲にしました。

SHARE

ClariSの関連記事

アーティストページへ

最新記事

もっと見る