3・25代官山UNITに向けての「つしまみれ17年史インタビュー」、前回は結成からメジャー所属期までふり返りつつ、そのメジャー末期にすでにDIYな活動を行っていたことなども語っていただきました。後編は独立以降のハードな歩みと現在地、そして代官山UNITワンマンとその先にそびえるでっかい目標について、話していただいております! 彼女たちの決意を共有していただければ幸いです!
「3・25勝負の代官山UNIT成功させるぞ」祈念:つしまみれ17年史インタビュー!(前編)
インタビュー/兵庫慎司
独立とそれに伴う苦難
やよい で、ビクターと契約が終わる時に、「自分たちでやれば?」って言ったのも、そのライブ制作の人で。1年ぐらい迷ったんですけど、なんか、「そうか!」と思って。レコード会社を探すのか、事務所を探すのか、よくわからないままにいろんな人に会ったりしてたんですけど、なんか今いちピンとこないな、って。なんか「この人とやりたい」っていうのが見つからなくて。でも、何かないと物事が円滑に進まないから、モジャーレコードを作りたいって前から言ってたから、作ろう、って。
まり 2010年にレーベルを作って、流通をスペースシャワーにお願いして。
やよい その流通の契約を交わさないといけない段階になって、自分たちがどこにも所属してないととても分が悪い、という話になって、それで会社にしたんですけど。
まり で、華々しく「独立してワンマンツアーだ!」って組んだんですけど、それが2011年の3月だったので、モロに震災で……ライブ中止になって、延期にして、けっこうそれで負債を(笑)。
やよい 自分たちにとってはすごい負債だったね。
まり 西日本の方は関係ないから、普通にキャンセル料とか請求されて、「いたたた」とか。北海道に行く飛行機も取ってたけど、乗れないからまた取り直して。いちいち「いたたた」ってなったし、心もやられてるから。
みずえ 折れたねえ、心(笑)。
まり それで「どうすればいいんだ?」ってちょっと悩んで、「あ、みんなが違う世界に行けるような音楽を作ればいいんだ。あたしたちも違う世界に行っちゃうような音楽だ」と思って、『SHOCKING』(2012年)っていうアルバムの制作にとりかかるんですけど。つしまみれ版『ジギー・スターダスト』みたいな、架空の星の話を曲にしよう、ロック・オペラみたいなのを作ろう、って。それで3人で集まって、構想とストーリーを考えるのにめちゃくちゃ時間をかけて。
やよい だから2011年はライブ少ないんです。
まり で、2012年はツアーしたんだ?
やよい でも、『あっ、海だ。』の頃ほどガツガツとはやってなくて。
まり ああ、そうか。本数をしぼってクオリティを上げよう、っていう方に向いてたんですよね。でも東京でいっぱいやってた頃みたいにもっとライブを観たい、っていう人の声も聞くようになったりして。ちょっと悩んだりしました。アメリカも行ってなかったし……だから、独立して1~2年は、けっこう迷える年だったかもしれないですね。
名エンジニア、中村宗一郎との出会い
やよい でもその『SHOCKING』っていうアルバムを、ずっとこの人に録ってほしいと思ってた、エンジニアの中村宗一郎さんに録ってもらって。それがすごくいい出会いだったんですよね。『SHOCKING』は、私たちが作り上げたものを持って行って録ってもらったんだけど、それが終わった直後に「次は一から僕と一緒にやりませんか?」みたいなことを言ってくれて。今まで、はりつめてはりつめて、自分たちだけでなんとかしなきゃ!みたいにがんばって、変わりたいのにどうやれば変われるかわからない、ってなってたところに現れてくれて。でもけっこう叩きのめされるんですけど(笑)。「きみたち、今のままじゃダメですよ。変わらなきゃいけないの、わかってますよね?」みたいな。
まり 10年以上やってて、動員はこれくらいで、状況はこんな感じ、っていうことは、今の自分たちでは足りない、変わらなきゃいけないんじゃない?って言ってくれて。自信がないとできないから、「私たちは私たちしか好きじゃありません」みたいな感じで、気を張ってたんですよね。それをメタクソにされて。「いいバンド、いくらでもいるよ? ほかのバンドちゃんと聴いてる?」とか言われて。それで、大学生の時みたいに洋楽を聴き漁ったりしなくなったな、自分たちでバンドやって満足してたな、と思って。
だから、中村さんが一緒にやってくれるようになって、音楽的にはすごい未来が明るくなって。「歌えるリフにしようか?」とか、「歌詞、わざと難しくしてない? もっと簡単にしてみたら?」とか、「ドラムとベース、なんでそんなに詰め込んじゃうの? 一回もっとスカスカにしてみたら?」とか何気なく言われて。それでその場で演奏してみたら、自分たちが作ってきた曲がガラッと変わって。
やよい 「この曲はこうだ!」って思ってたのが、ほんのひとことで可能性がバッて広がって。「あ、この曲のいいとこってこっちだったんだ!」とか。それで、『つしまみれ』(2013年)っていうアルバムから、一から一緒に作るようになったんですね。
最新アルバム『人間放棄』
まり で、そのあと15周年ってことで、2枚組のベストアルバム(『つしまみれまみれ』2014年)を出して、その次が、2015年の2枚のアルバムです(ニューアルバム『人間放棄』と、通販&ライブ会場限定リリースの『今月の歌 2015』)。
やよい 『つしまみれ』っていうセルフタイトルのアルバムが、ほんとに生まれ変わったというか、最初の挑戦の第一歩、みたいなアルバムだったんですけど。だから、反省すべき点も多かった、それを生かして作って、今の自分たちをいちばん表現できたのが、この『人間放棄』で。
まり ハードな部分と繊細な部分、両方をもっと生かそうっていうアルバムです。
やよい 『つしまみれ』に比べたらちょっとシリアスな雰囲気で。前がポップだったので。
まり 納得できるものができるまで出さないようにしよう、とか言って、プリプロから中村宗一郎さんと作り始めて。で、リリースが見えた頃にツアーを組み始めたので、あんまりがっつり本数できませんでしたけどね。15本くらいがせいいっぱいで。
みずえ しかも全部平日になって。
まり でも、意外にそれにしてはよかったよね。「あ、全国に待ってくれる人がいる!」と思って……だから最近、音楽的には充実してるけど、ライブももっとがんばろう、という気持ちになれました。
勝負のライブ、3・25代官山UNIT「つしまみれワンマンライブ 花まみれ2016」
まり これは、私たちの「武道館でぶどうパンライブ」への第一歩のライブです。ディスクガレージで初めて一緒に仕事させてもらった時から、「武道館でぶどうパンを投げるライブがやりたい」ってずっと言ってるんですけど。
それを絶対にかなえなきゃ、って思ってて。まず代官山UNIT、600人集めて満員にすることを、自力と、今いるファンのみなさんの力で成し遂げなきゃ、私たちはダメになってしまうと思っていて。
去年12月にフラカン先輩(フラワーカンパニーズ)が、武道館やったじゃないですか? 去年の9月に、出雲の『BURST MAX’15』っていうフェスでお会いして。そしたら(グレート)マエカワさんが私たちのステージを全部観てくれて、「めちゃくちゃよかった。かっこよくなってるね」って言ってくれて。そのあとフラカン先輩のライブを観て、(鈴木)圭介さんが風邪で全然声出なくて、四星球が一緒に歌ったりするライブだったんですけど、すごい感動したんです。そのあとマエカワさんを呼び出して、「打ち上げ始まる前に一緒に飲んでください」って。そしたらQちゃん(ローディー)とふたりで来てくれて、一緒に飲んでくれて。
「武道館でやりたいんです。でも独立してなかなか大変なんです」みたいな話をして。「じゃあどんどん仲間を作っていこうか、とりあえず今日の打ち上げから。仲間を作っていくのがまず大事だ、俺らもできたんだからつしまみれもできる」って言ってもらって、すごい勇気をもらって。で、打ち上げでいろんなバンドの人に紹介してくれて。
そこから「もっと具体的に『武道館やる!』と思わないとダメだ」と考えるようになって。それで12月にフラカン先輩の武道館を観に行って、めちゃめちゃ感動して、うちらも一歩でも近づけるようにがんばろう、と思って。この2、3年が勝負かなと思ってたら、ちょうど代官山UNITの週末が空いてるという情報が入って「そこ、いただきます」と。
もう一回、ちょっと背伸びしたところで、「あ、つしまみれってまだいたんだ?」からでいいから、やってみようと。それが代官山UNITです。まずは昔来てくれてたお客さんたちとか、もともとつしまみれの音楽を好きだった人を取り戻していこう、そこから始めよう、っていう。なので、今まででいちばん集中してます、1本のライブに。
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