────先ほど村松さんが、自分たちでも変態だという認識があるということでしたが、そこは自分たちでは意識的だったんですかね。
村松しっかり振り切った音楽をやっているなということですかね、自分ら的には。でも、それぞれみんな今の流行っている音楽も聴くので。自分たちのルーツにあるものだけで音楽をやってるバンドじゃないはずなんです、僕らって。その都度、その都度、自分たちのモードがあって。塗り替えながらよりコアなものを作っていくというのをずっとやり続けているから。まさにそこに変態性みたいなものがあると思っているんですよね。曲も難しかったりするだろうし、万人受けするものじゃないだろうなとも思うし。
──確実にこの4人でしか鳴らせない音になっていますしね。
生形そうですね。これまでたくさんの曲を作ってきて、年齢も重ねてきて思うことって、今、拓ちゃんが言ったようなことなんですよね。自分たちにしかできない音楽をやらないと意味がないなっていうことで。誰かみたいな曲をやってもしょうがないし、いま売れてる音楽を真似してもしょうがない。ただ、今は世界中の音楽が手軽に聴けるじゃないですか。そういうところから刺激を受けるし、もちろん日本の音楽からも受けるけど、でもやっぱり根本は自分たちにしかできないものを作らなきゃバンドをやってる意味がないなというのは、最近とくに思いますね。
──新たな影響なりいいものは取り入れるけど、アウトプットはNothing’s Carved In Stoneになる。そういう強固なフィルターができていそうですよね。
生形これでも結構、揺れたりもするんですよ?ポップな曲をあえて作ろうとか。でもそういう時って大抵、元に戻っていくんです。
村松そうだね。
生形やっぱり自分たちらしいものがいいなってなる。15年やって今思ってるのはそういうことかな。結局自分たちしかできないものをやらないと意味がないなっていう。
──これぞという自分たちの音楽を築き上げてきた活動の中で、ずっと連れ添ってきたファンも多いと思いますが、この数年、コロナ禍で配信だったりいろんな取り組みの中で若いファンが増えたり、ファンの新陳代謝を感じるところはありますか。
村松どうなのかなあ。
生形あまりはっきり見てるわけじゃないんだけど、でも年齢層は広いと思いますね。若い子もいるし、すごい上の世代もいたりするよね。学生の子で、バンドでコピーしていますっていう子もいるので。嬉しいですよね。10代の子で聴いてくれてるって。
村松自分の10代を振り返っても、そのころに聴く音楽って確実に自分に影響を与えてるもんね。そういえばこの間、ひとりで仙台に行ったんですけど、6、7年前にライブに来てくれてたときは高校生だった20代の女の子ふたり組が話しかけてくれて。めっちゃ大きくなったなって思いましたけどね(笑)。10代からずっとナッシングスを聴いてくれてるのは本当に嬉しいし。そういう若い世代も全部巻き込んでいきたいなと思いますよね。
──時代によってモードの変化はあるにしろ、時代や流行に合わせることなく、鳴らしてる骨太な音楽、まっすぐに自分たちのやりたいことをやっている音楽が伝わっていることはバンドにとって大きなものになりますね。
生形そうですね。時代に合わせようともするんだけど、結局無理なんですよね。俺ら。そこに気づいたっていうか。
村松そうそう。5回くらいそういうのがあった気がするけど(笑)。
生形自分たちがそれで楽しいのかなっていうことですよね。1stアルバムを作ったときの気持ちって、とにかく世の中を驚かすようなもの、バンドを作ろうっていうことだけでやってたから。そういう気持ちでやらなきゃダメなんだなっていうのは、なんとなくわかったんですよね。
──1stアルバム『PARALLES LIVES』(2009年)はいま自分たちの中ではどういう評価ですか。
生形とにかくエネルギーが詰まったアルバムですね、今聴いても。
──ファンの人気も高そうですよね。
生形高いんですよね、投票するとわかるんですけど(笑)。明らかに高い。
村松初期曲は人気高いよね。
生形だからそこかなって思ってる。やっぱり“エネルギー”なんですよ。
村松うん、熱量だよね。
──世の中を驚かせてやるっていう気持ちが音になっていた。
生形そういうのがありましたよね。若かったしね、怖いもの知らずだったし。
村松お客さんからの、あのエネルギーでもう一回アルバムを作れよってことですかね、今回の投票の感じは。
生形まだ中間発表ですけどね。それを教えてもらったかな(笑)。
──では最後にこのあとはじまるツアー、そして武道館公演への思い聞かせてください。
村松個人的には久々のNothing’s Carved In Stoneの対バンツアーなんですけど、ツアーをやるとバンドにも良い変化がおこるし、それを経ての武道館ライブだと思っているところもあって、僕らツアー中によく曲の話しをするんですけど、その期間を経てまた新しい作品にもつながると思うんですよね。そうやって新しい変化もたくさんおこるだろうし、自分たちにすごく期待して楽しみなんです。なので、いつも以上に気合が入ってるNothing’s Carved In Stoneをぜひ観にきてほしいなと思ってます。
生形対バンライブは久しぶりだし、ナッシングスで(コロナ禍での)規制がないライブはひさびさなのかな。
村松コロナ禍以降では初じゃないかな。
生形そこも、どうなるかすごい楽しみだし。まだリハ前ですけど、パワーアップしてる気がします。対バンツアー初日の時には。以前のNothing’s Carved In Stoneとはまたちがうものになってるんじゃないかなと思うので、期待してほしいですね。
PRESENT
村松・生形直筆サイン入りポスターを2名様に!
※転載禁止
受付は終了しました