都度都度あったけど、シンガーソングライターとしてデビューして、西尾(芳彦)先生と二人三脚で曲を作らせていただいて、目まぐるしいスピードで進む日々を過ごしてました。ただ、アウトプットとインプットのバランスが取れなくなって、どんどん曲が書けなくなって苦しくなって…。そこから、何かを変えたいと思って、多保孝一さんと新しい音楽の作り方を学んで、その先で杉山勝彦さんと出会って。
ここもまた、勝負どきなんだろうなって思ったんですよね。自分で書いてないけど、私が書きましたって自分自身が錯覚するくらい、私はこの曲とひとつになるべきだし、なりたいと思える曲だったんです。親和性を高めるために、移動中も散歩中もずっと聴いてて。オーダーメイドで書いていただいているけど、どうやったら、家入レオにしか歌えない曲になるんだろうと思って。何かを届ける時に、自分がいくら思いを込めても、伝わってないと意味がないじゃないですか。でも、結果的に「すごく好きな曲です」って言ってもらえることができた。全部自分で作らないとやっていけないと思っていたけど、歌うことも、作ることも、両方に私らしさがあるんだって思うことができた。そこから、提供曲の幅も広がって。自分にはこんな面があるんだって気づけて、自分の曲作りにも反映されて。いい相互作用になってきた。全部が転機ですけど、提供曲を歌うようになったことは大きな転機だったと思います。
実は『Borderless』の方は西尾先生にお願いした曲なんですよ。
そうなんです。いろんな音楽のスタイルと出会って、5年の時を経て。やっぱりもう一回、西尾先生と音楽作りがしたいと思って。しかも、今回は完全に提供曲で、歌詞は、以前音楽塾ヴォイスで出会った江刺愛梨さんにお願いしました。当時、愛梨さんが書いていた言葉や世界観が忘れられなくて、ぜひ今回の歌詞は愛梨さんに書いてもらいたいと思ってご一緒することになりました。
愛梨さんとはお互いにぐちゃぐちゃになりながら、叩かれて、壊れて、それでも、前を向いていた時間を共有していたのが強くて。今、私はこういう気持ちで、もう一回、西尾先生と音楽を作りたいし、音楽でみんなと強く繋がりたいという気持ちをお話しして、歌詞を書いていただきました。デビュー当時は<対人>だったんですよね。あの人に負けたくない。西尾先生に対してもそういう気持ちがありました。でも、自分のテーマを深めていくと、他人の視線が気にならなくなって、<対自分>になってきて。あの時の自分を超えたいし、昨日の自分を超えたい。10周年から20周年を目指すときに、自分とどれだけ向き合えるかが大事だと思ったし、このベストに入れることができて、すごくよかったなと思います。
リスペクトしているし、怖くもあるし、常に真剣勝負をしてる感じ。動物と動物、みたいな。西尾先生との制作に戻ってきて「歌が上手いって言われたら、もっと落ち込んだ方がいいよ」って言われたんですよ。「ピッチも取れるし、生にも強いけど、今後また10年やっていく上では味のようなものがもっと必要になってくる。だから、もっと感動させろよ」って言われて。すごく悔しかったけど、悔しいという気持ちで歌うと、周りのスタッフが伝わってくるという顔をしていたりして。生きてる!ってこの感じだわと思って(笑)。
作曲はJazzin’parkの久保田真悟さんと、作詞は岡嶋かな多さんと一緒に制作させていただきました。2月20日にステージでファンの皆さんの前で歌うために作った曲で、10周年を迎えるからこそ作れた曲になったと思います。
そうですね。照れくさいけど、ちゃんと節目でしか伝えられないことがあるなと思って。でも、「10周年だからありがとう」だけじゃないんですよ。綺麗事だけではなく、ごめんねも伝えたかったんですけど、やっぱり、今、ここでつないでる手が全ての答えというか。「傷付き すれ違ったけど 一緒にいる今日という今に感謝してるよ」の歌詞に繋がってくるのですが、私、ファンの人たちは友達だと思っているので、お互いにいろいろあったねって笑いながら、絆を確かめ合うことができればいいなと思ってます。
ピュアでいたいなと思う。ピュアでいるということは、ただ単に人の意見を聞いたり、優しくなったりすることじゃなくて。ちょっと自分と感じ方が違うなと思うことでも、話し合いをしたいですという姿勢を怖がらずに伝えること。なんでも「YES」ということがピュアではないと思うんですよね。もちろん、大人になればなるほど、ここは「はい」って言っちゃった方が楽なんだけどな〜って思うことはある。でも、そっちに流されずに、もう一回、10代の頃の剥き出しの自分でやっていくんだ!っていう気持ちでいますね。
本当に早く会いたい。シンプルにそれだけですね。「今日、この日のために生きてこれました」というメールやお手紙をいただくこともあって。もし、誰かの生きる支えになれていたら嬉しいし、その方たちに届く歌を歌いたいです。
今まで関わってくださった皆さんにありがとうございますっていう感謝を伝えたいです。生でしか伝えらえないことはたくさんあるから。そして、やっぱりこれからも一緒に歩みたいって思ってもらえたら良いな。10年の歴史があるからという情を抜きにして、みんなに信じてもらえるパフォーマンスができるように、自分ともしっかり話したいですね。
そういうのが好きなんですよ(笑)。他の場所でやっていたら痛いやつかもしれないけど、音楽では本気を見せることができる。本当に音楽があってよかったなって思います。