春のファンミーティングと夏のツアーが中止になってしまって、ずっと歯がゆい思いをしていたんですよ。みなさんも“集まってはいけない”と言われるのは初めての経験だったと思うのですが、僕たちも同じで、“ステージに立ってはいけない”と制限されるのは初めての経験で、困惑していました。2020年12月に安全対策・感染対策をしっかり行った上で、Billboard Liveでライブを行うことができて、少し救われた気持ちになりました。
『Boot up!!』の中の冬の曲2曲と「君に逢いたいだけ」をやることもできましたし、お客さんの前で生音で演奏できるのはなんて楽しいんだろうって、うれしい気持ちでいっぱいでした。
35、6年前に出したCHAGE and ASKAのクリスマス・アルバム『Snow Mail』の曲をクリスマスのたびに歌っていて、去年のクリスマスも歌いましたが、さすがにそろそろブランニューのクリスマス・ソングを書こうかなと思いました。
お客さまの温かい拍手があって、「待ってるよ〜」って声が聞こえてきて。その温かな反応に背中を押されたところはありますよね。有言実行ということで、数日前にクリスマスソングを完成させました。
そうなんです。東京で35度を超えた日にリズム録りをして、真夏のスタジオに雪を降らせました(笑)。昨年のクリスマスライブで「来年は新しいクリスマスソングを2曲お届けします」って曲数まで言っちゃったこともありますし、“ライブから繋がっている感”を出したかったこともあり、レコーディングをして、歌入れも終わりました。あとはミックスをするだけですね。
「ふたりの愛ランド(注・1984年4月発売、石川優子とチャゲ(現:Chage)のコラボレーション・シングル)」を書いた時も真冬ですよ。だいたい音楽業界って、季節物を出す時は季節が逆転して作っていますから。真夏に真冬の曲を書く感覚、久しぶりだなと思いましたし、おもしろかったですね。プロデューサーが島田昌典君ですし、ゴキゲンなナンバーに仕上がりました。自分の中ではまた新しいクリスマスソングを36年ぶりに作ることができたことがうれしいですね。しばらく前から60代のクリスマスソングを歌いたいという思いがあったので、完成して良かったなと思っています。