Chage、いよいよ9月からツアー開始。「Boot up!!の曲はすべてライブでやることを想定して作っているので、ドカンとやります」

インタビュー | 2021.08.25 17:00

──今年5月からオンラインでのファンミーティングを81回開催されましたが、そもそもこの企画はどういうところから?

昨年、ツアーとファンミーティングが中止になって、みんなと会えなかったじゃないですか。“会う機会を作れないだろうか”ということでスタッフといろいろと模索した結果、今年5月から81回、オンラインでファンミーティングを開催しようと決めました。1回につき20人、総勢1600人以上とオンラインでつながろう、せっかくだから、1対1のマンツーマンの時間を1人2分くらいずつの個人面談をしようということになりました。

──1600人とのマンツーマンの会話も実現したファンミーティング、実際にやられてみて、いかがでしたか?

ともかくファンの方々に会えたことがうれしかったですね。去年は会えなかったですから。みなさんがオンラインという設定に負けずに会いに来てくれたことに、まず感謝しています。ファンの方が自分達のパソコンで設定しないと、成立しなかったシステムですから。実際にやってみて感じたのは、ファンの方のご自宅が映ることの新鮮さですね。今までの40何年間、ファンの方とお会いするのは、ライブ会場だけでしたから。ファンの方の部屋が映ると、猫や犬は通ってくるわ、赤ちゃんは泣き出すわ、日常がかいま見えるので、“どこでもドア”みたいな感じでした(笑)。オーストラリア、イタリア、マレーシアなど日本以外に在住のファンの方とも繋がりました。画面越しではありますが、「頑張った、頑張った」って手をカメラのレンズに近づけて、頭をなでる仕草をしたり。

──かなりスキンシップに近いですよね。

そうなんですよ。しかもソーシャルディスタンスはバッチリという。ただ、会話の内容的にはそんな距離感を感じさせない親戚の集まりみたいでした(笑)。

──マンツーマンで話をされて、印象に残ったことは?

ずっと応援してくれている人がいっぱいいるんだなということですね。「当時小学生でした」「初めて見たライブは“チャゲ&飛鳥”時代でした」とか(笑)。42年間近く音楽をやってきて、一緒に年を重ねた方々がたくさんいるんだということを改めて感じました。オンラインならではのおもしろさで、昔のチケット、パンフレット、グッズを見せてくれるんですよ。うちの事務所にもないものを保管してくれていて。こんなに大切にしてくれているんだってキュンキュンしたり、うれしくなったり。興味を持ってくれたきっかけを聞くと、「ライブでドカンと電流が走りました」「友達の付き添いでイヤイヤ行ったのに、ステージを観てハマってしまいました」とか。ライブの力の大きさも再確認しました。

──ファンミーティングでは歌を歌ったりもしたのですか?

ギター1本で鼻歌で歌わせてもらいました。みなさんのお家にお邪魔している感覚で歌えたので、楽しかったです。ただし、オンラインはまだ音がズレるので、一緒に歌ったりするのは難しいんですよ。そういうこともゆくゆくはできるようになるといいですね。人間って、制限があるならあるで、工夫していろいろと考えていけるんですよ。コロナ禍という大変な状況の中でも、オンラインという楽しめるアイテムをひとつ、手に入れたのかなと思っています。オンラインで会えたからこそ、「今度は生で音楽が聞きたい」という声もたくさんいただきました。歌も歌った、みなさんともふれあった、でもライブの生音に優るものはないということも実感しました。ライブはライブであって、替えが効くものではない。みなさんとオンラインで交流するほどに、ライブが恋しくなりました。

──「Chage Live Tour 2021〜Boot up!!〜」ももうすぐ始まります。

やっと『Boot up!!』に金メダルをかけることができますね。もちろん『Boot up!!』の曲は全曲やらせていただきますし、『Boot up!!』を軸として、今、自分が歌いたい楽曲と皆さんが聴きたいだろうなという楽曲を織り交ぜてやります。観客数が半分であるとか、声を出せないとか、いろいろ制限はありますが、可能な限りの安全対策・感染対策を行って、安心して楽しめるライブにしたいですね。紙飛行機を飛ばすのは今回は無理だろうと考えています(注・Chageのライブでは「Windy Road」という曲の演奏時に観客がステージに向かって紙飛行機を飛ばすのが恒例になっている)。でも「紙飛行機のないChageのライブも新鮮だったね」と、5年後10年後に笑い話になってくれればいいかなと。

──特別なシチュエーションだからこそ、記憶に残るライブになりそうですよね。

その時にしか観ることのできない景色があるので、その景色を大切にしたいと思っています。

──声を出せないからこそ、伝わってくるものもあるのでは?

そうなんですよ。去年年末のBillboard Live でも感じたんですが、みなさん、制約がある中で声を出せないんだけど、拍手がものすごく温かかったんですよ。拍手で会話できるのも楽しみです。バンドはいつものとおり、西川 進君をリーダーとしたメンバーが揃っていますから、阿吽の呼吸で完璧な音を出したいですね。『Boot up!!』の曲はすべてライブでやることを想定して作っているので、ドカンとやります。

──「君に逢いたいだけ」という曲も今回のツアーにぴったりですね。

「君に逢いたいだけ」は2020年にコロナ禍の中でツアーが中止になる事態の中で作った曲です。“あるべきものがなくて、なくてもいいものがある”というフレーズもそういう状況だからこそ、出てきたところがあります。作った時にはその翌年まで、コロナが長引くとは思っていなかったんですが、今、この歌を歌うことが自分にも響いてくるんですよ。二番で“下北沢の路地裏”というフレーズが出てくるんですが、ここの部分は飲食関係の方々へエールを送る気持ちで歌っていますし、大サビの楽屋の描写が出てくるところでは、音楽業界へエールを送る気持ちで歌っています。音楽って、メッセージがあるようでないようで、あるんですよね。去年とはまた違った気持ちで、その瞬間にしかない歌を歌えることは幸せだなと感じています。

PRESENT

Boot up!!ステッカー(非売品)を20名様に!

※転載禁止

受付は終了しました

公演情報

DISK GARAGE公演

Chage Live Tour 2021 ~Boot up!!

2021年9月3日(金) Zepp Fukuoka・福岡
2021年9月5日(日) Zepp Nagoya・愛知 ※1日2回公演
2021年9月6日(月) Zepp Osaka Bayside・大阪 ※1日2回公演
2021年9月18日(土)19日(日) 豊洲PIT・東京 ※1日2回公演

※9月18日(土)2回目公演はライブ配信あり

チケット一般発売日:2021年7月31日(土)

RELEASE

『Boot up!!』

最新アルバム

『Boot up!!』

2020年12月9日(水)SALE
  • 取材・文

    長谷川 誠

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