ソロ・ツアーにあたって、どのような過程を経て現在のような、「思考も行動も他の人の倍ではきかない活動」に踏み出したのかについて、そしてそこから生まれる音楽について、じっくり話してもらった。
自分のスピード感で動きたい、だったら自分でやればいい
もうけっこう前なんですよね。話し合いを始めて、円満に独立するまでに、1年はかかったので。CHEMISTRYとしては、今年で20年やってきて、音楽の形というのが、いろいろ変わっていく景色を見てきたので──。
そうです。という中で、歌だけで一生、死ぬまでやっていく、とは考えていなかったので。歌もやって、他の好きなこともやっていく、というのが目的で。自分のことを「マルチ・シンガー」と言っているんですけど、それはもう、デビューしてそんなに経たない頃から言っていたんですね。で、40歳になった時に……僕は40歳って、人生、半分だと思っていて。そこで決めましたね。独立して、自分のスピードで動きたい。大きい事務所にいると、やっぱりどうしても、人を介すじゃないですか? 何をやるにしても。
当然そうなんですけど、それだと時間がかかる。自分のスピード感で動きたい、だったら自分でやればいい、という。
そうです。コロナ禍になったからだ、みたいに思われていたらイヤだな、というのはあります(笑)。
はい。曲に関しては、とにかくリリースをしたかったので、連続でいこう、っていうのは決めてたんですよ。で、サプリを作ったのは、去年の3月から話していたので、これも1年かかった。あと、YouTubeは、独立する前に始めていて。YouTubeと17LIVEは、2年以上前からやりたくて、事務所に話していて。でも、事務所に所属していると、さっきも言ったように、然るべき手続きが必要で、時間がかかる。自分ひとりだったら、自分で動いて、映像チームを探して、撮って、編集して、アップして、ってすぐできる。もちろん責任は問われるけど、その方が自分には合っているというか。本当だったら、コロナ禍で身動きが取れない時に……だから今、個人だから身動きが取れてるんです。それはありがたいな、と思います。