なんとなく歌っていたくはない。「この人に興味が湧いてくる」っていう人間になりたい
そうです。たとえば、先輩たちがやってきた時代の今と、僕らがやってきた時代の今は、まったく違うと思うんです。で、後輩たちの今と、僕らの今も、また違うと思うんですよ。だから今僕は、後輩たちを見ていて……自分たちで音楽を作って、リリースして、レーベルから「入ってくれませんか」って言われるような状況を作っていく、そうすると契約の結び方も、前の世代とは全然違う。そういうやりかたとか、ほんとに賢いなと思って。自分は、歌はずっと歌いたいですけど、テレビをつけると同じ人しか出ていない、っていう場所にはいたくはないな、というのは、正直あって。若くて無名だけど歌がうまい子たちとか、新しいことをやっている子たちとか、日本の音楽を変えてくれる子たちを、引き上げたいというか。そういう作業ができたらいいな、と思ってるんですね。
あります、あります。人と話して、新しい刺激をもらって……「あ、そういう考え方があるんだ?」とか、そういうのって、自分ひとりで、同じ人とずっと一緒に仕事してるだけだと、得られない。ましてや今なんて、コロナでどこへも出かけられないし、どんどん世界が狭まるし。でも、今、ソロになって……それこそ「歌ってみた」動画をやっていることでも、あれでいろんな曲と出会えて、歌ってみて、「じゃあこの子とコラボしたらどうなるんだろう?」とか。そういう刺激がないと、自分の歌に返ってくるものがないというか。なんとなく歌っていたくはないので。聴いてくれる人たちに、成長してるって思わせたいし、「この人に興味が湧いてくる」っていう人間になりたいな、と思っているので。
僕は、コロナで、あたりまえはない、っていうことがわかったんです
イヤなんですよ。
それはもう、やってきたことなので。で、そのままでは、この先は通用しないと思うので。その時代はそれでよかったけど……僕は、コロナで、あたりまえはない、っていうことがわかったんです。ライブができないじゃないですか? あたりまえってなかったんだ、ということがわかった。コロナって最悪だけど、それによって気づかされたことも、いっぱいある。だから、上にデーンといて、現場に指示を出してる、みたいなのはイヤですね。プレイヤーとして現場にいて、自分で動いて、っていうのじゃないと。
やりました。こういうことを、全部人にやってもらってたんだな、と思って。去年から今年で3曲出した新曲の宣伝資料も、全部自分で書きました。キャッチコピーとか笑いますよ、自分で書いてるのが(笑)。
「それは難しいよ」とか「うまくいくわけないよ」とか、そういう考えがイヤなので
そうそう。でも、それができちゃう時代なんだな、とも思いました。僕らは、オーディションとか受かって、メジャーと契約しない限り、音楽人になれるなんて思えない時代だったので。でも今の子たちって、レーベルに入っていなくたって、メジャーじゃなくたって、「何やってんの?」「シンガーやってます」って言えるじゃないですか。自信を持って胸を張れる場所があるから、そう言えるんだな、って気づきましたし。だから、チャートとか、今もうむちゃくちゃじゃないですか。たとえば、テレビだって……今って、テレビのリモコンに、NetflixとYouTubeのボタンがあるじゃないですか。あれってどう思います?
ですよね。YouTubeやNetflixがテレビ以上にアドバンテージをもらってる、あの時点でもう「ああ、そういうことだよなあ」と思ったというか。だからYouTubeも、「それは難しいよ」とか「うまくいくわけないよ」とか、そういう考えがイヤなので。やってみて、難しいとか合わないとか思ったら、やめる時もあるだろうし。始めてみないと何もわかんないじゃないですか。だからYouTubeを始めたけど、チャンネル登録人数が、5000人から全然動かなくて。難しいな、でも絶対どこかに抜け道があるはずだと思って。そこでひとつわかったのは、とにかく続ける、ということで。で、続けていって、ようやく今11万人を超えて、ほんとやってきてよかったなと思いました。この間、銀の盾が届いたんですけど、もうすごいうれしくて(※チャンネル登録者数が10万人を超えるとYouTubeから贈られる)。
ああ、そうですね。「Crossroads」は、独立の一発目として……この曲は、2020年の1月にはもうあって、ライブで歌ったんですよ。これを独立のタイミングで出す1曲目にしたいな、と考えて。僕、どちらかというと、歌詞が全部ストレートなので。で、「FLASH BACK」は、僕の現場時代ですね。
その時代に、夢を見つけようとしてた頃を歌った曲ですね。
そうですね。これから始めるという。で、「NO LIMIT」も、自分の限界を超えるという歌で。そこはまさに、これからの自分がやっていきたいことなので。
足らないぐらいなんです、もっとほしいんです、1日の時間が
違いますよね。こういうコロナの状況なので、お客さんがどれぐらい来てくれるんだろう、ほんとにできるのか?っていうところが、まず全然違うし。あと、「NO LIMIT」で、久しぶりにダンス・ナンバーをやって……ファンのみなさんからも、「ダンス・ナンバーをやってほしい」という声が多かったんですよ。この5年ぐらいずっと。ありがたい話で。で、「NO LIMIT」を作って、踊って、そういう部分もライブに付け加えていこうかなあ、とか。これからが楽しみになってもらえるようなステージにしたいな、という思いですかね。
はい。
いや、でも、バンドとソロ両方やってる人、いるじゃないですか?
僕は両方同時の方がいいです。やっぱり、常にやっていないと。CHEMISTRYだけやっていたら、CHEMISTRYの僕しか見えないし。「あ、そういえばソロもやってたよね」ってなりたくないんですよ。だから同じように、同じ立ち位置で走らせたい。あと、僕、もともと、すごいせっかちなんです。1日のスケジュールも、もうバンバン入れたい。予定と予定の間に隙間があったら、そこに配信を入れるとか。今日も、ここ(取材場所)に早く着いたので、クルマの中で17LIVEの配信をずっとやっていたし。足らないぐらいなんです、もっとほしいんです、1日の時間が。とにかく、前もって予定を組んで、動くのが大好きなので。だから、合ってるんだと思うんですよね、こういうやりかたが。用意されないとできない人っているじゃないですか?僕も、人に用意してもらったことをやる、という経験も、させてもらいましたし。でも、用意されるのを待ってるよりも、自分で取りに行って、自分でそこに向かって行く方が合うんですよね。だから、今の道を選んだんだと思うんです。
PRESENT
直筆サイン入りツアーポスターを1名様に!
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