──1曲目「Please Don’t Stop The Music」の最初に、みんなのワイワイした声で、「ウェルカム・カナダ!」とか言ってるでしょう。パーティーの始まりみたいな感じで。
Blaiseあれはね、ちょっとカナダらしいこと入れたいなと思って、スタジオのエンジニアさんに、「カナダ弁で面白いこと言って」って。「ビーバー、好きですか?」とか「ウイスキーまだ残ってる?」とか(笑)。うしろでみんながクラップしてる、アットホームな、フレンズ的な感じを出したかったから。音楽って、楽しいからね。
──ああー。まさに。
Blaiseビンテージの、50年代のプリ・アンプがあって、その音がすごくかっこよくて、それを使ってます。モノにヒストリーがあるね。魂が入ってる。
──日本人みたいなこと言うなあ。よくわかる。あと、僕が好きな曲は「Tunnel Vision」。80’sっぽい感じのダンス・ポップで、聴けば聴くほどクセになる。
TAXこれは、デモ段階の曲を車の中で聴いてて、ちょうど信号が変わって、アクセルを踏んで走り出す時にサビに入ったんですね。「この感じ、気持ちいいな」と思って、疾走感が出て来る感じをうまく歌詞にできないかな?と。
Maynardアクセルを踏んだ時に景色が流れていく、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」みたいなイメージを、どう表現すればいいか?ということで、“とろけるRainbow”が出てきた。その車にどんな女性が乗ってる?という話になって、「何の車? どんなサングラス?」言いながら、ずっと笑いながら作ってました。「サングラスはキャッツアイにするか、ティアドロップにするか?」とか(笑)。
──細かい(笑)。でも楽しそう。
Maynard「Tunnel Vision」というのは、ダブル・ミーニングで、アクセルを踏み込むと、目の前の景色がトンネルに入ったように見えることと、もう一つは、サラブレッドが目の周りを覆って、トンネル・ビジョンにさせること。それを、一人の女性にハマってしまって、それしか見えなくなるという意味で使ってます。
──深いなあ。
Maynard実はわりと深いんですよ(笑)。でも遊びがあって、軽い感じもありつつ。ちょっとダサい感じの、80's感入った曲になりました。
──Blaiseが好きな曲は?
Blaiseフェイバリットは全部。でも20周年アルバムだし、ファンたちに伝えたいメッセージを曲にした「I Need Your Love」が今は一番好きかな。今までずっと一緒に人生をシェアして、ありがとうソングですね。ミックスが終わった時に一番聴いてたのは、「Tunnel Vison」とか、「Amazing」。「やっと終わったよ!」って、聴きながら盛り上がってた。アルバムを作ることは、そんなに難しくない。イメージはすぐ作れるけど、そのあと、細かいところがすごく時間がかかります。そこは大変。きれいにやらないと、アルバムは永遠に残るものだから、パーフェクトにしないと。それが全部できた時に、アルバムを聴きたいですよね。車に乗ってどこかに行って、1曲目から10曲目まで、「OK、やっとできた、いいアルバム」って。ゆっくり寝れる(笑)。
──結成20年で、ちゃんと時代にアジャストした音を出してるのが、かっこいいなと思うんですね。1曲目「Please Don’t Stop The Music」とか、まさに現代的なダンス・ポップだし。
Maynard今っぽい音楽と言っていただくと、すごくうれしい。でも、古い感じもあるなあと思っていて、最近作ってる音楽が。バンドを始めた頃、ちょい古だった音が、今はビンテージを超えて新しくなる。それって面白いですよね。
──ああー。なるほど。
Maynardオルタナティブ・ロックとか、スリーピースのエモーショナル・ロックとか。もっと前に行くと、グランジとか、もはやビンテージ感が半端ない。「20年前にめっちゃ聴いてた」というものを今聴くと、「うわー、こんなんだったね」って思うじゃないですか。そこにもう一回Revisit(再訪)すると、新しく聴こえたりする。長くやっていけばいくほど、両方とも感じられるし、両方とも作れるというか。どっちもリアルタイムでいるから、なんか不思議な感じ。
DICKMONKEY MAJIKの幻のファースト・レコーディングって、パンク寄りだったんでしょ?
Maynardスリーピース・バンドで、ほぼパンク。オルタナティブな感じの。もう、メンバーは僕しかいないけど。
──パンクなMONKEY MAJIK…想像つかない。
Maynardふざけたパンク(笑)。まさにダフト・パンクのファースト・アルバムに近い感じ。DAFTはダサいという意味だから、ライターが彼らを「ダサいパンクだ」と言ったのを、「それ最高じゃん」って、グループの名前にしたんだけど。MONKEY MAJIKもDAFTな感じだったね。若い時の、皮肉と、エッジが効いてる感じの、シュールなパンク・バンド。当時、そういうの流行ってたから、そういうのを作りたくてやってた。
──そうなんだ。J-POPをやろうと思って始めたわけじゃなく。
MaynardJ-POPが何かわからなかった(笑)。日本語では歌いたかったけど。でもそのあとにメンバーが変わったりして、違うものを作り始めた。誰でもあるよね、そういう時代。
DICK青森のライブ・バーのオーナーが、昔の音源を持ってて、俺はそこで初めて聴いた。Maynardは「俺も持ってないのに」と言ってた(笑)。
Maynard持ってない。MTRの中に入ってたんだけど、どうなったんだろう。ミサオ(漆坂ミサオ/初期メンバー)が持ってるのかな。“海でナンパをするぜ~”“サーフボード抱えて飛び込め、背中がヒリヒリする~”って。「おかサーファーのススメ」っていう曲。“日本は蒸し暑いぜ、カナダ人にはつらいぜ”みたいな。ふざけた曲でした。
──面白すぎる(笑)。そこから20年という歴史を考えると、本当に長いし濃いし、感慨深いというか。
Maynard髪、全部なくなったけどね。
──アハハハ。自分で言う。
Maynard早いですね。でも、そんなに長くは感じない。楽しかったからかな。
──さあ、そして、7月11日には、東京ガーデンシアター[有明]で記念ライブが。ゲストを呼んで、にぎやかにやるという噂ですけど、どんなライブになりますか。
Maynard20周年らしいパーティーですね。ゲストはこれから発表していきますけど、たぶんみんな、なんとなくイメージできると思います。その期待に応えようかなと。ビッグ・パーティーですね。みんなが聴きたい曲、見たいコラボができると思います。
DICK新しい会場で、お祭りですね。お神輿とか、出したほうがいいかな。
TAX「おかサーファーのススメ」やるか(笑)。
Maynard♪海で~ナンパをするぜ~。
Blaiseセットリストはまだ決めてないけど、まずはビジュアル。どういう見せ方をするか、少しずつアイディアを出してるところ。とりあえず「花鳥風月」が終わって、次のチャプターに入りたいですね。すごい楽しみにしてます。
PRESENT
サイン入りポスターを3名様に!
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