そんな信念を擁し、これまでラップをポップスにまで昇華した共感性溢れる数々のラップミュージックを世に送り出してきたHilcrhyme。現在はMC TOCひとりのユニットとして活動中だ。そんな彼が今年デビュー10周年を迎え、その動きを更に活発化させている。
6月12日発売の新曲も交えたリメイクベスト盤『SUN ~リメイクベスト1~』を皮切りに、来春までに3種のテーマ別のリメイクベスト3作を連続でリリース。そして、7月13日~15日には豊洲PITにて「Hilcrhyme LIVE 2019 "MILESTONE 10th"」と銘打ち、日毎違ったコンセプトや内容で3Daysライブも行う。
まさにオールタイムベストな内容が期待される、この3Days。13日は地元・新潟にゆかりあるアーティストたちと対バン形式のライブを。14日はアコースティック楽器も交えた優雅に楽しめる1日が。そしてメジャーデビュー日でもある15日は新曲の披露も視野に、これまでとこれからを同居させたワンマンライブと、どれもが見逃せない。
ありましたね。メジャーデビューしてから毎日「忙しい日」の連続で。この10年、一日一日を必死にクリアし続け、気づいたらここまで来ていたという印象です。
いやいや、その逆です。その時々に思ついた、今やるべきことを即実行してきただけです。新潟には大きなスタジオがあまりにないので、その必要性に駆られて、「だったら自分が作っちゃおう!!」とか。なので成功ばかりではなく、失敗や、途中で頓挫したものもあります。でも、今ではそれらをやってきて良かったとつくづく感じています。
これまで点でやってきたものが、いつしか線になって繋がっていくんだという実感が、ここ最近は頻繁にあるんです。当時「やらなきゃよかった」等の後悔があっても、今になって、「あの時やっておいて正解だった」「あの時経験しておいてよかった」「けっして無駄じゃなかった」に変わる瞬間に多々出会えるようになりましたね。
道を外れたり、何かに挑戦したり、失敗しないと見えなかった景色や分からなかった経験も多々ありますから。そう考えると遠回りしたこともしっかりと今に繋がっていたんだなと実感してます。
「万人の共感を得る」、そこですね。ラップって技法をポップスに変えて、他の音楽に負けない位置にまで引き上げたいし、自分がその立ち位置に常に居たい。それは今後も変わらないし、揺るがないですから。
まさにその辺りは常に大事に活動してきました。
今は一人だけなので、逆にこれまでとは全く違ったスタイルです。2時間半、最初から最後まで一人だけで歌う、今はそんな魅せ方です。でも基本、やっていることはあまり変わってないかな。
ファンの方々が信じてついてきてれるし集ってくれるので、その辺りは全くないです。逆に一人になってからの方が孤独感が無くなったかも。まさかこんな10年目を迎えるとは、去年の今頃は思ってもみませんでした。
自分一人でスタジオにこもってライブ用のトラックを作っているのも楽しいし、それを披露するのも楽しいです。体力面や作業面では2倍の負担になりましたけど。
まさにそうです! 2009年や2010年の曲を、今のスタジオで、今の技術でミックスしたり作り直したりして、今の感じの作品になりました。あとは、よりライブを意識して作ったりミックスしたので、かなり聴きごたえはあるんじゃないかと思います。
Hilcrhymeの曲の中でもライブでは外せないキラーチューンばかりで、普通に幅広い人におススメできる1枚です。これだけ聴いてライブに来てもけっこう楽しめると思います。
あえてそうしたかったんです。「今の俺だったらこうするぜ!!」的な内容にする気は全くありませんでした。そのような行為自体が好きじゃないので。
みなさんに深い思い入れがあるであろうトラックは、そのまま踏襲したかったんです。
『SUN』は明るいイメージの曲、『MOON』は「大丈夫」等のちょっと癒しや泣ける曲、『STAR』はもう<ザッツTOC!>と言える自分自身をボースティングしている曲、をセレクトしました。『STAR』は完全にラップがメインで盛り上がる曲ばかりです。
この10年を大事にした内容にしたいです。「10周年だから久々に行ってみようか」って方もいらっしゃると思うんです。その方々が聴いていた頃の青春やHilcrhymeの想い出を、現在に蘇らせられるような、そんな空間にしたいです。それこそ解像度の高いタイムマシン、そこを目指しています。
若手で今、ガッときているユニットとバンドをお迎えしてお送りします。Creepy Nutsは同じヒップホップ/ラップ畑なので、付き合いもあるし、特にDJ松永は同じ新潟出身で昔から親交が深かったですからね。実はMy Hair is Badは今回が初の絡みなんです。地元の新潟、しかも同じ上越出身で3人組でここまで大きくなった若手のバンドが居るって話は数年前から聞いていました。で、どこかのタイミングで会えたらいいなと思っていて。この間、初めてライブを観に行かせてもらったんです。自分たちもかつて立ったことのある、地元では最大規模の朱鷺メッセという会場だったんですが、その際の彼らのMCが、かつて自分たちがそのステージに立った際とほぼ同じようなことを言っていて。ジャンルは違えど、思っていることや気持ちが、どこかでキチンと繋がっていたんだなと改めて確信しました。これは記念すべき10周年のライブにお誘いして大正解だったなって。
基本自分はワンマンしかやってこなくて、実は対バン企画自体が初めてなんです。彼らを自分のファンに紹介したいというよりも、これからも彼らと絡みたい。その思いの方が強いですね。
バンドや弦楽器も入れてのライブを予定しています。いやー、この日は自分でこの日用のトラックを作らなくていいので助かります(笑)。選曲と当日のラップに専念すればいいので。あとは一流のミュージシャンたちの創り出す生の音に乗った僕のラップも是非楽しんで欲しいです。
この日はオールタイムベストで王道を行きますが、新曲も発表する予定です。どちらかというとそっちの方が自分としては楽しみかも。
実はこの日が正真正銘デビュー10周年の日なんです。スタンダードなHilcrhymeはもちろん、10周年だからこそ新しいHilcrhymeを提示したいと思っています。過去を振り返るのが好きじゃないタイプなので、より今後が楽しみになるようなライブにしたいです。あと13日からは僕がプロデュースしているサングラスもお披露目します。
今後も<Hilcrhymeはこう!!>というのをブレずにやっていきたいです。10年もやっていると批判の声も減ってきて。それは自分としてもつまらないし、寂しいことでもあります。デビュー時のバッシングは半端なかったですから(笑)。それが10年同じことを続けているとそのような批判もなくなってきちゃう。芯を持って続けていることを認めてもらえたからかなって。でも、それでもダメだと戒めています。
それは常にそうであって欲しいです。それが売れている人の定めでもありますから。常にある程度の否定派が居るのが理想です。そう考えるともっと色々なアクションを起こさないと、と。これからも、いつも危機感は持って活動していきたいですね。
PRESENT
オリジナルハンドタオルを1名様に!
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