サウンドもライヴ空間も、クセがある。そのスパイスを1度味わってしまうと、もっとそれを味わいたくなるーー。DracoVirgo(読み:ドラコヴァーゴ。以下、ドラヴァゴ)はボーカル+リズム隊という変則的な編成で結成されたバンドプロジェクトだ。メンバーは、MAAKIII(Vo)、mACKAz(Ba)、SASSY(Dr)の3人。昨年末には、すでにライヴではおなじみだったMAAKIIIのオリジナルアルバム『兎に角、ジェネシス!!!!!』収録曲をドラヴァゴversionにリアレンジした9曲とインストゥルメンタル楽曲3曲、全12曲を連続リリースも行なったドラヴァゴが、1月から<DracoVirgo 3rd LIVE TOUR“Opportunity 2019”>を開催する。メンバー3人にドラヴァゴの魅力、ツアーについて話を聞いた。
──このグループが誕生した経緯は?
mACKAz(Ba)きっかけは去年の夏、7〜8年ぶりぐらいにMAAKIIIと久しぶりに会ったんですよ。
MAAKIII(Vo)それまで音楽はのんびりとマイペースにやらせてもらってたんですけど。そのなかで、常に思ってますよね。メンバーのことというのは。
──そういうものですか?
MAAKIIIええ。家族よりずっと一緒にいたので、常に気持ちのなかにはみんなのことがありまして。それで、久しぶりにまずSASSYに連絡したら「会えるよ」っていってくれたんで。
SASSY(Dr)「スケジュール大丈夫だよ」って。
mACKAzSASSYとはコンタクトはとってたんですよ。
SASSYソロを出したときに、MAAKIIIがまた音楽をやりだしたと思ってコンタクトをとって。「会おうよ」って話はしてたんですけど、お互い忙しくてそれが先延ばしになってたんです。それからまた連絡をくれたので、「これは縁だ。このタイミングで会おう」と思って。
MAAKIIIそこにmACKAzも来てくれて。
mACKAzそうそう。SASSYからMAAKIIIと会うって聞いたんで「俺もまぜて!」って。そのときは一緒にバンドをやるような話はなく、ただただ久しぶりに会って。
MAAKIIIいまなにやってるの?って。
mACKAz近況報告をする感じで。
MAAKIIIそこから、私もソロでやりながらもみんなで一緒に作り上げていくというチームが欲しかったので、そうなったときに、気心知れてる彼らとやりたいなと思ったんですよね。バンドをやってる頃にお互い同じものを見て、同じ経験をして同じことを感じたっていう経験は、言葉では超えられないなにかがあるので。だから、これでまた一緒に音が出せたら嬉しいなと思って声をかけさせてもらって。それぞれミュージシャンとしてのスキルは磨き続けてきた2人だから、私がまた肩を一緒に並べてできるようになるのかなという不安はあるんですけど。“そんなこと考えるよりも先に行動だ!”と思って飛び込みました(笑顔)。
SASSYそれが、俺らとしても新たなことをやるきっかけとなるエネルギーになったんです。
──最初にどんな音楽をやろうというのは決めてたんですか?
MAAKIIIいえ。この3人でなにができるかというのは、やりながら模索していけばいいなと思ってました。各々の好みもあるので。例えば2人にはこれまで培ってきたヘヴィネスやロックという部分があって。私的には、なんだか踊りたくなるようなクラブサウンドやディスコ。そこに、その時々の時代とともにキラキラしていた部分もアクセントとして入れられたらいいなというのが漠然とあって。そういうものがうまくミックスできたらって考えてたときに、まず最初にマルチクリエーターの毛蟹さんが書い下さった「清廉なるHeretics」(スマートフォンアプリ『Fate/Grand Order -Epic of Remnant- 亜種特異点Ⅳ 禁忌降臨庭園 セイレム 異端なるセイレム』テーマ曲)に参加させていただくお話をいただいたんですよ。それも、じつは昔、私たちのプロデュースをやって下さった方が私たちのことを思い出してくれたみたいで。私にはこの曲を歌ってみないかと、mACKAzとSASSYにはミュージシャンとして参加しないかと別々に声をかけてくれて。
──うわー。それもまた縁ですね〜。
MAAKIIIそうなんですよ。それで「じつは私たち、これから一緒にやるので」というところで、DracoVirgoとしてフィーチャリングさせてもらったんです。その楽曲をやったときに「私たち、ドラヴァゴってこういうことなんだろうね」という矢印が一つできたんです。
SASSYそれまでもいっぱい曲は作ってたんですけど、どこにベクトルを向けていくのかという指針がなかなか定まらなかったんですね。でも、この楽曲がきっかけで「KAIBUTSU」(1st配信シングル)とかが。
MAAKIII導かれるようにね?
SASSYできていったんです。
MAAKIIIあの「清廉なる〜」で2人と久々にやってみて、この感覚久々だな、落ち着くな〜と思ったんですよ。ソロのときはいろんなクリエーターと一緒にやることで、ハイカラのときとは違う自分の世界を発見できるという面白さはあったんですけど。歌ってて「この感じ、私だな」というのは「清廉なる〜」ですごくあって。故郷に帰ってきたじゃないですけど(笑)。懐かしさとともに「あー、ここだ」という感覚がすごくあったので、レコーディングもスムーズにいきました。
mACKAz早かったね。2人と再開してからここまでスピーディーに進んでいって。
MAAKIIIそこからSASSY、mACKAzの音と私の言葉がどんどんハマっていって。だから、曲作りはいまのところですけど、そんなに時間もからないんですよ。これをやろうとなったら、バババッと各々がやる作業が早いというか。私の場合は歌を入れるギリギリ前に詞を書くんですけど。それでも意外とできちゃうんですよ(微笑)。できちゃうってことは、これは3人でしっかりやれってことなんだな、必然なんだなって思うんですよね。
SASSY“神待ち”タイプなんですよ。MAAKIIIは。そこで1つ出てくるとすごい瞬発力でいいものができるんです。僕もmACKAzも「これだ」って思ったメロディーを出すんですけど、そこにこっちが予想しないようなメロのラインを入れてきたりするんです。それが、めちゃくちゃいいんですよ。それで曲の雰囲気がガラッと変わったり。そういうところはバンドならではですよね。自分で突き詰めて持っていったもの。それすらもmACKAz、MAAKIIIのプレイで、さらに2倍3倍とカッコよくなる。そこはやってて楽しいですね。
MAAKIII私は音に呼ばれるタイプなんですね。なにもないところからというよりも。なにかしら装飾されたお皿があって。それがあった上で、自分はここにこういう料理をのせたいという風にモチベーションが上がっていくタイプなので。そういうお皿を2人が作ってくれるというのは、私にとってこれほど嬉しいことはないんです。