2018年11月11日、東京・NHKホールでMONKEY MAJIKが全国ツアー「MONKEY MAJIK Tour 2018 ~Singles Collection~」をついに開幕。ここではその初日公演のレポートをお届けする。一部曲名を掲載しているため、どんな曲をやるのか、当日まで知りたくないという方はライブ鑑賞後にでも読んでいただければと思う。
「Around The World」をはじめ、数々のヒット曲を世に放ち、最近ではサンドウィッチマンとコラボした「ウマーベラス」で話題を集めるMOKEY MAJIK。彼らは、カナダ人兄弟のMaynard(Vo&Gt)、Blaise(Vo&Gt)のフロントマンと日本人のDICK(Ba)、TAX(Dr)がリズム隊をつとめる4ピースのロックバンドだ。今回のツアーは、会場入り口でメンバーの等身大パネル(←かなり巨大!!)が観客をお出迎え。この日は日曜日ということもあって、家族連れのファンが多数見受けられ、このパネルの前は彼らの絶好の撮影スポットになっていた。いまも仙台を拠点に活動している彼らは、東北復興支援に向けた活動も継続して行なっていて、本ツアーでもMONKEY MAJIK×オーガビッツ×さくら並木プロジェクト(=東日本大震災の津波到達地点に桜を植樹)とコラボしたアイテムが物販コーナーには並んでいるので、ライブに参加する際にはぜひチェックしてみて欲しい。
開演時間を少し過ぎた頃、メンバー4人とサポートのキーボーディストが登場。ライブはステージがイエローの照明に染まり、TAXの力強いドラムで幕開け。前半から彼らの名前を世に知らしめた「Aroud The World」をはじめ、ドラマやCM曲としておなじみの数々の代表曲のなかから、ノリのいいアップチューンを連続パフォーマンス。観客たちは序盤から「うわっ、きた!」の連続で、彼らの歌唱に合わせて席で飛び跳ね、ハンドクラップにタオル回し、シンガロングと爆発的な盛り上がりを見せていく。それを見てMaynardが「どうもありがとう」とまずは挨拶。そして、リハのときに興奮し過ぎてギターを額にぶつけ、タンコブができたことを話し「コブ、見える?」とおどけてみせる。
バンド結成以来、MONKEY MAJIKがシングル曲をメインにしたツアーをやるのは今回が初となる。しかし、ライブが始まってみると、演奏するのはシングル曲だけではなかった。それについてMaynardが「配信を入れたシングル曲と、シングルにはなってないけどアルバムのプッシュ曲、合わせて40~50曲近くのなかから懐かしい曲、いままでやったことがなかった曲、レアなシングル曲を選んだんだけど。どうですか、いまのところ?」と観客に問いかけると、客席からは「いいよ」の代わりに拍手と指笛があちこちから鳴り響く。英語詞と日本語詞、洋楽と邦楽が心地よくクロスオーバーしていくMONKEY MAJIKのライブ空間では、お客さんのノリも邦楽アーティストと洋楽アーティストのコンサートのノリがクロスオーバーした独特の雰囲気がある。
このあとライブ中盤に差し掛かかり、2人は情感たっぷりにバラードを次々と熱唱。ここではBlaiseが「夢の世界」の歌い出しを間違え「もう1回。いまのわざと」と笑って再度のこの曲を歌うという初日らしいハプニングもあった。そのBlaisは「最近痩せた。11kg! 『ウマーベラス』のお陰。だから、DICKからベルト借りた」という報告でファンを驚かせた。さらに「久しぶりに俳優の活動してるんだけど。みんな朝ドラ(NHK連続テレビ小説『まんぷく』)見てる?すごい楽しいです。アクターたちと最高の友達になれました」といって、この日ライブにかけつけていた共演者たち(なかでも、瀬戸康史は彼らの大ファン!)に向かって手を振ると、彼らも嬉しそうに手を振り返し、場内は華やかなムードに包まれた。
そうして、楽しいメドレーで後半戦を盛り上げていったところで、Maynardが「メドレーはクリスマスライブ以来ですね。クリスマスといえば発表があります!」と告げると客席がざわめき立つ。「12月5日(配信限定での)リリース決定。『ウマーベラス』に続いて、今回も仙台コラボ第二弾!稲垣潤一さんのあの曲、『クリスマスキャロルの頃には』をリメイクしましたー!」とサプライズ発表。一足早い彼らからのクリスマスプレゼントに、観客たちは“ウォー!!”と歓喜の声をあげる。「稲垣さんが仙台って知らなかったでしょ?」と続けたあと、この曲に稲垣潤一本人の歌唱と仙台在住のヒップホップユニット・GAGLEが加わり、仙台にゆかりのある3アーティストで「クリスマスキャロルの頃には -NORTH FLOW-」を制作したことを報告した。そして「今日は稲垣さんもGAGLAもいないけど歌います」と、Blaiseがサビのフレーズを原曲のまま歌い出し、そのあとAメロからはラップというMONKEY MAJIKバージョンのこの曲を、ファンの前で初披露した。
しかし、この曲以上にお客さんが興奮したのは、はやり最新曲「ウマーベラス」の演奏が始まったときだった。もちろんこの日の「ウマーベラス」もご当地バージョン。東京公演は「もんじゃ、柳川、ちゃんこ鍋」をみんなで大合唱しながら、振りマネをして踊り、場内はこの日最大の盛り上がりを見せた。この歌詞は各地ごとに変わるので、ライブに行く人はぜひともこの場面がやってきたら積極的に参加して「ウマーベラス」を大いに盛り上げ、楽しんで欲しい。最後にBlaise がいい放つ「もういいぜ」の決め台詞も素敵なので、ファンはここも見逃せないところだ。
こうしてオープニングからアンコールまで、MONKEY MAJIKの代表曲をここまで一挙に聴けるのはこのツアーだけ。「彼らの曲はシングル曲ぐらいしか知らない」とか「名前は知ってるけどライブは1度も見たことがない」という人にとっては、MOKEY MAJIK入門編としてうってつけのツアーであり、また、ファンにとってみればベスト盤的選曲プラス最新の彼らも楽しめる内容になっているので、このチャンスを見逃すことなく、彼らのツアーに足を運んでみて欲しい。