聴いていて気持ちが良いです。ほんまに嘘はないと思いますね。あほみたいやなって(笑)。逆に、こんなに正直に、こんなに気持ち良く音楽をやっていていいんかなって思うくらい“言うたったわ!”みたいな感じです。今、聴いても思い入れの強い曲は同じところでグッときて泣きそうになったりするし、その曲を書いた宛先の人のことを思い出して嬉しくなったり、寂しくなったりするし。そういう曲がいっぱいできたので、別に狙わなくていいんかなみたいな(笑)。いろいろな人が力を貸してくれるからこそ、こうやって作品を出すことができるわけじゃないですか。だったらちゃんと結果を出して、その人たちの協力に応えなきゃいけないみたいな気持ちもあるんですけど、マジでやりたいことをやってるっていう申し訳なさというか、“気持ち良くてすみません!”みたいなところはありますね(笑)
嬉しいですね。即完だったんで、イエー!って。ただ、11月28日に追加公演がマイナビBLITZ赤坂であるんで全然浮かれていられない(笑)
ライヴがないとダメなんですよ。以前、なんか自然に元気がなくなって、気分が全然アガらへん、どんどん落ち込んでいくみたいな時期があったんです。なんでやろう?って思ったら、ライヴをしてなかった(笑)。それぐらいライヴが自分にとってエネルギー補給の場になっているんです。そこで自分も元気をもらって、これで明日から頑張れる!ってなるものですね、僕にとってのライヴは。誰かに会えて、好きなことが思いっ切りできて、満タンになって帰れる。それがライヴです。
悪い時でもエネルギーになるんですよ。逆に“この次こそは!”みたいな。友だちに会うのに近い感覚かもしれない。人に会わないでいると、元気ってなくなっていくじゃないですか。
最初からそうでしたね。高校の時にバンドを組んで、3カ月にいっぺんライヴハウスに友だちを80人くらい集めるところから始まって。それがライヴハウスでできた友だちに代わって、お客さんに代わっていってというふうにどんどん大きくなっていっただけで。その感覚はいまだに残ってます。
矢井田瞳さんに憧れたからです(笑)。僕らがバンドを始めた頃、裸足のシンガーさんが多かったんですよ。とくに歌姫と言われていた人たちに。一青窈さんとか、元ちとせさんとか。そういう人たちが裸足で歌っているのを見てカッコ良いと思って、裸足で歌い始めました。でも、メジャーデビューした時、見栄え的に靴を履いたほうがいいかなと思って。アーティスティックに見られたくて裸足でやってたけど、僕がやったらただの野生児みたいに見えるって気付いたんですよ(笑)。それが2年前で、靴を履いてがんばったんですけど、“やっぱり無理!”って脱ぎ捨てました(笑)
つまり、ライヴの売りですね?(笑)それはやっぱり生感です。ライヴだから生が当たり前なんですけど、たぶん、もっと生なんで。ライヴに関しては、いわゆる歌ものというジャンルのバンドの中でも、生レベルは結構上のほうだと思います。ライヴってその日にしか歌えない歌があるんですよ。同じ歌を何回歌っても、その日目の前にいる人とか、その日感じたこととかがどんどん歌に乗っかって変わっていくので、そういうのを観てもらえたらと思います。だから、僕はお客さんの顔が見えるライヴハウスが好きなんです。特に照明のポジションがいいところ。ヴォーカルのピンスポットが目の前にあると、お客さんの顔が全然見えなくなっちゃうんですよ。そしたら誰に歌っているのか分からなくなってしまう。目を見て歌えるところがいいですね。
正直言って10周年うんぬんよりも、あなたが出会った瞬間から、今、一緒にいられることがスペシャルで。今、一緒にいて、これからの話を一緒にできるから最高なんだよってことやと思うんですよ。だから、マジ、それだけです。今をちゃんと大事にできるライヴをやりたいだけなんで、いつ出会ったかは関係なく、今を一緒にいられることが最高だってハイタッチできるようなライヴにしたいですね。とはいえ、“10周年”と言っているんで懐かしい曲もちょいちょい出しながらできたらいいですね。できたら、その日、その場所のために用意したセットリストで、思い入れのある曲を歌えたらいいな。