司会:兵庫慎司
撮影:堀清香
BOOWY→De-LAX→GEENA→再結成De+LAX→そして2016年結成の新バンドJET SET BOYSのセカンドアルバムのツアー中である高橋まことと、昨年15年ぶりに再集結したTHE YELLOW MONKEYのANNIEこと菊地英二の対談、3回目は現在のおふたりの「ドラマーとしての矜持」についてと、「昨年からバンドを本格始動した者同士」であることについて、お話をうかがいました。
「音の大きい美学」が僕の世代はある(アニー)
アニー あと、自分のドラムも、音が大きい美学っていうのがあって──。
高橋まこと そうだよな。今はもう、叩く時の身体の動き方が、自分でわかってるんで。昔みたいに力いっぱい叩くんじゃなくて、どうやったら楽に叩けるかみたいなことばっかり考えてるから(笑)。
力入れないで叩くことしか考えてないんだけど、ちゃんとでかい音が出ないとまわりに「しょぼい」とか言われるから(笑)。
アニー はははは、それイヤなんだよね(笑)。
高橋 そう、しょぼくなるのがいちばんイヤなんだよ。
アニー ねえ。でも、今の若い子、平気みたいですよ。音が小さくても。
高橋 そうなの? 「ちゃんと叩いてんのかよ?」って思うけど。
アニー だから、音の大きい美学が僕の世代にはあるんですけど、今の子はないじゃない?だから、今生まれてたらもっと器用でうまいですよ、僕ら(笑)。あの時代に生まれちゃったから不器用なんだけど、でもやっぱそこが好きだし、好きになってもらえたらいいなと思ってはいるんですよね。
高橋 やっぱ音、でかくないとな。
アニー うん。モニターから音を出して……今は僕、イヤモニ使っちゃってますけど、本来はホールでもなんでも生音で演奏できないとダメだと思ってるんで。アンプの位置を下げてもらって、お互いの顔が見えるようにして、ステージの中は生音でやって──。
高橋 俺もそうだよ、ずーっとイヤモニしてないし。BOOWYで(東京)ドームやった時、イヤモニも何もなかったもんな。
アニー あ、当時はないもんね。そうか、ドームでイヤモニなしってすごいなあ。
高橋 だからドラムの横に、タンスみてえなでっかいモニター置いてもらって。
──まことさんがJET SET BOYSを結成したのも、THE YELLOW MONKEYが再集結したのも去年、2016年ですよね。
高橋 うん。俺、さいたま(スーパーアリーナ)に観に行ったから──。
アニー ああ、恥ずかしい。1日目ですか? 2日目ですか?
高橋 1日目。
アニー よかった。1日目の方が調子よかったから。最近、たいてい1日目の方が調子いいんですよ。
高橋 2日目ダメなの?
アニー 2日目は疲れちゃって(笑)。ただ、お客さんもスタッフも2日目の方がいいって言うんです。あれ、なんでしょうね? 自分の評価と人の評価って違いますよね。
高橋 人から見たら、2日目で力が抜けていい感じになってからの方がいいんじゃない? だから力入ってんだよ、1日目は。
アニー ああ、そっか。なるほどね。
高橋 でもよかったよ、すごい。
アニー ありがとうございます。まことさんのJET SET BOYS、観に行かないと。