兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第210回[2026年5月後半・ホフディランとベーシスト6名・the telephonesとゲスト12名、などの9本を観ました]編

コラム | 2026.07.21 17:00

イラスト:河井克夫

音楽などのライターである兵庫慎司が、自分が生で、もしくは配信で観たライブのすべてのレポを書いて、月二回ペースでアップしていく連載の210回目=2026年5月後半編。プロレスや演劇などの音楽以外のものも、生で観たら書きます。今回は音楽8本、演劇1本でした。

5月17日(日)18:00「SGCホール有明 オープニングシリーズ」奥田民生xウルフルズ @ SGC HALL ARIAKE

前回のこの連載で触れた電気グルーヴと同じく、SGC HALL ARIAKEの「オープニングシリーズ」の中の1本で、奥田民生とウルフルズが対バンするという、まるで自分のためみたいな企画がこの日。このハコ、音がいいし、観やすいし、本当に良いです。DI:GA ONLINEにレポを書きました。
【ライブレポート】奥田民生とウルフルズが、2026年に同じステージに立った日。ありそうだけど実は長年なかった、ソウルメイトの夢の共演

5月19日(火)19:00 フラカン&ヨコロコ合同企画「俺たちのザ・ベストテン2026」東京編 @ 荻窪TOP BEAT CLUB

グレートマエカワと奥野真哉が中心になって、フラワーカンパニーズ・うつみようこ&YOKOLOCO BAND・ヒックスヴィルの真城めぐみと中森泰弘、の総勢9名で行っている、自分たちが子供の頃に夢中になって観ていた『ザ・ベストテン』を再現する企画。
ギター:竹安堅一&中森泰弘、ベース:グレートマエカワ、ドラム:クハラカズユキ、キーボード:奥野真哉、が演奏して、鈴木圭介・うつみようこ・真城めぐみ・ミスター小西が入れ替わり立ち代わり出て来て、昭和の歌手たちに扮して、当時のヒット曲を歌う、というものである。
グレートマエカワの誕生日企画として、2024年9月26日に荻窪TOP BEAT CLUBで行ったのが最初で、毎年秋にフラカンが地元名古屋で開催しているイベント『DRAGON DELUXUE』で、2025年10月17日に名古屋ダイヤモンドホールで行ったのが二回目。で、今年は、5月14日大阪・十三GABUと、この荻窪TOP BEAT CLUBの東阪二ヵ所、ということです。「ベストテン」だと10曲で終わってしまうので、「今週のスポットライト」(ベストテン圏外だが注目の曲として紹介される、本家『ザ・ベストテン』にもあったコーナー)という扱いで、5曲プラスして、計15曲でした。以下、歌った人と、歌われた曲。

鈴木圭介:「セクシャルバイオレットNo.1」(桑名正博)、「悲しみ2(TOO)ヤング」(田原俊彦)
うつみようこ:「セーラー服と機関銃(薬師丸ひろ子)」「モンキー・マジック」(ゴダイゴ)、「ライク・ア・ヴァージン」(マドンナ)
真城めぐみ:「フレンズ」(レベッカ)、「少女A」(中森明菜)、「魅せられて」(ジュディ・オング)
ミスター小西:「ワインレッドの心」(安全地帯)
ミスター小西&竹安堅一:「チャンピオン」(アリス)
うつみようこ&鈴木圭介:「大都会」(クリスタルキング)
ミスター小西&真城めぐみ:「カナダからの手紙」(平尾昌晃&畑中葉子)
うつみようこ&真城めぐみ:「ウォンテッド」(ピンク・レディー)
鈴木圭介、うつみようこ、真城めぐみ、ミスター小西:横浜銀蝿のメドレー(Johnnyのソロ曲も含む)

終始爆笑させられっぱなしだったが、その中でも特に笑ったのは、うつみようこが「モンキー・マジック」を歌う前に、グレート&奥野に放ったこの言葉でした。
「あのさ、毎回言うよ?100回言うけど、性別、決めて!」
男性ボーカルの曲と女性ボーカルの曲を、ごっちゃで次々と歌うのは、いくらようこさんでもきついんですね。
そして、最後の曲=ベストテンの第1位は、ラッツ&スターの「め組のひと」。4人全員で歌って、華やかに盛り上がって終わりました。

5月20日(水)19:00 ホフディラン『春のベースまつり2026』 @ 新代田FEVER

毎年この時期恒例、多数のベーシストが登場して2曲ずつ弾いていく、ホフディランの『春のベースまつり』に、今年は新たな試みが。ほぼレギュラー状態で毎年出演して来たが、今年はベースを弾かないふたり=田中貴とおかもとえみがクジを引いて、次に出るベーシストを決める、という企画である。ベーシストは自分の出番がわからない、バンド側は次の曲がわからない、というのがスリリングで、いい方向に作用していたと思う。結果、こういう順番になりました。
ワタナベイビー(最初の2曲は毎年弾く)→junko(打首獄門同好会)→グレートマエカワ(フラワーカンパニーズ)→関根史織(Base Ball Bear/stico)→ウエノコウジ(the HIATUS/Radio Caroline)→カジヒデキ→田村明浩(スピッツ)→アンコールでグレートマエカワ
今回の目玉は、初出演の関根史織。1曲目は、sticoで使っているチャップマン・スティック(ベースとギターを同時に演奏できる、みたいな楽器)を弾いて、ワタナベイビーは歌だけで「コジコジ銀座」。お客さんも共演者たちも「おおおー!」となる。演奏を終えて、本人「比較的、うまく弾けました」。で、もう1曲は普通にベースで「恋はいつも幻のように」を弾いた。
ちなみに。ホフが、この日のベーシストたちのブッキングをやっている時期に、ワタナベイビーに「出演したことがない人にオファーしたいんですけど、推薦、ありません?」と相談されたので、「ベボベの関根さんが弾くの、観たいです」と返信したら、そのままオファーが通って、決まったのでした。と、わざわざ書いたのは、MCでワタナベイビーが「関根さん、音楽ライターの兵庫慎司推薦枠です」と言ったので、なのにここで触れないのは変かな、と思ったからです。なんにせよ、レアかつすばらしいセッションを観れて、推薦してよかった、と思いました。

5月23日(土)18:30 須藤寿(髭(HiGE))、佐々木健太郎(アナログフィッシュ) @ 那覇AZAT FANFARE

去年と今年に行われた、佐々木健太郎が須藤寿と全国を回る弾き語りツアー『WEEKENDS』、その今年の、全16本のうちの那覇は、5月22日(金)OUTPUTと23日(土)AZAT FANFAREの2デイズ。
僕は年に2〜3回、意味もなく那覇に数日間行って、安宿に泊まって、仕事をしたりジョギングしたりしている。次は5月のこの時期に行くことを決めていた。そしたらこの『WEEKENDS』の日程が発表になったので、健太郎に「その日、那覇にいるから、見せて」とお願いしたのだった。
OUTPUTはいわゆるライブハウスで、AZAT FANFAREは座席ありで、パンパンに詰め込んでも30人は入らないかな、くらいの、アコースティック・ライブ向きのハコで、ビルの4階。この日の沖縄は、天気が荒れ模様で、窓の外で雷がビカビカ光る中でのライブだった。
先攻は佐々木健太郎で、後攻は須藤寿。健太郎は「SHOWがはじまるよ」でスタート、「ロックンロール」「Tonight」「STAY GOLD」等々を歌唱。このツアーのために書いたという新曲「キスをしよう」や、朝の満員電車に乗った時の光景や、そこで考えたことを歌にした(いや、歌というより、ギター付きのポエトリー・リーディングにサビでちょっとメロディが入る感じ)「LOSTAGE」という新曲も歌った。
須藤寿、最初の2曲「もっとすげーすげー」「それではみなさん良い旅を!」を歌ったところで、「こんなに毎晩楽しくていいのかなあ。頭が爆発しそうなんだけど。もし歌ってる最中にさ、俺の頭がいきなり爆発したら、みんなで少しずつ頭蓋骨のカケラを持って帰って。甲子園球児みたいに」。そして、「健太郎、出会ってくれてありがとう。みなさん、この景色を僕に見せてくれてありがとう」などと言いながら、「魔法の部屋」や「せってん」や「闇をひとつまみ」等々を歌う。ブルーハーツ「情熱の薔薇」のカバーもやった。
それから、健太郎とふたりで4曲。HiGE(髭)の「ブラッディ・マリー、気をつけろ!」、アナログフィッシュの「Good bye Girlfriend」、ユニコーンの「開店休業」、エクストリームの「More Than Words」。終始、とても気分のいい時間だった。
なお、そのままおふたりは那覇で飲んだくれて、翌日は石垣島でライブ。だったことを、翌日の健太郎のインスタで知りました。いいなあ。

5月24日(日)17:30 JUN SKY WALKER(S)、中島卓偉 @ 渋谷CLUB QUATTRO

ジュンスカの対バン企画『狼煙上がる時』が、2026年のツアー“READY TO GO”の中に何本か組み込まれている、その中の1本。渋谷クラブクアトロの2デイズ、1日目はワンマンで、この2日目が『狼煙上がる時』で、中島卓偉と対バンだった。
中島卓偉、ルックスや曲の感じから、ZIGGY好きなんだろうな、という印象があったが、というか、初めて観たライブがZIGGYだそうですが( ≫中島卓偉が初めて観に行ったライブとは?中学生の卓偉青年に多大な影響を与えたZIGGY! )、ジュンスカも好きであることを、この日のMCで知った。
中学を出て東京に出て来て以降、渋谷公会堂や日比谷野音などで何度もジュンスカを観ていて、1997年6月14日・日比谷野音の解散ライブも行ったとのこと。13歳の時、リハスタで「すてきな夜空」のタブ譜のコピーを拾って、スタジオのお兄さんに届けたら、「きみいい奴だね、こんなのもらっちゃいなよ」と言われ、帰りのバスの中でそのタブ譜を見ていて、それだけでどれだけいい曲かがわかった──というのが、最初の出会いだったそうです。
ほぼ1時間の演奏の中で、6月から全国順次公開の映画『偏向報道』のテーマ曲になった2024年のシングル「最後の一人になっても」など、オーディエンスが大シンガロング状態になる曲、何曲もあり。
で、ジュンスカは、「歩いていこう」「いつもここにいるよ」「ななしの詩」「BAD MORNING」と、初期の名曲連発でロケットスタート、オーディエンス大喜び。で、宮田和弥の、例の「たとえ言わなくてもいいことでも、頭に浮かんでしまったことは全部言う」で何度も笑いを起こし、3日前に発表したばかりの新曲「でっかい太陽」を披露する。
アンコールでは、中島卓偉を呼び込み、和弥「市川くん(サポート・ベースの市川勝也)の誕生日なので」(※5月27日)」)と、ジュンスカの「HAPPY BIRTHDAY…MOON」、そして「MY GENERATION」を、ふたりで歌った。
あと、中島卓偉が、「和弥さん、昔から、ウロウロしながらMCしますよね」と指摘したのに大笑いしました。確かに。

5月27日(水)18:30 銀杏BOYZ @ LIQUIDROOM

「銀杏BOYZ ツアー2026『夢で逢えないから☆』」の1本目。ぴあ音楽にレポを書きました。ツアー初日なので、なるべくネタバレしないよう書きましたが、でもちょっとだけネタバレしています。
銀杏BOYZ「大した騒ぎだな」リキッドが沸騰! 熱狂のツアー初日と、待望の新曲披露

5月29日(金)14:00 『はがきの王様』@ 大阪・森ノ宮ピロティホール

金沢知樹の脚本・演出による演劇で、東京:本多劇場と大阪:森ノ宮ピロティホールでの公演。タイトルどおり、ラジオのハガキ職人が主人公(現在=松岡昌宏、高校時代=渡部秀)の物語で、そのラジオ番組のDJ役で、ピエール瀧が出演した。
ピエール瀧が舞台仕事をするのは、18年前にシティボーイズの舞台に出て以来。僕が気がついた時には、東京公演のチケットは売り切れていたが、大阪の日程を調べたらウルフルズの『ヤッサ!』の前日にも公演があったので、じゃあ前乗りして観よう、とチケットを買った。
前にも何かに書いたことがあるが、僕も中高時代にラジオへのネタ投稿に熱中していたので(『ビートたけしのオールナイトニッポン』で3週続けて読まれたのがピークでした)、観ながら「そうそう」と言いたくなったり、逆に「いや、それはちょっと違うかも」と思ったり、という、その両方の振れ幅も込みで、楽しく観た。
あと森ノ宮ピロティホール、初めて行ったけど、やたらと大きくて立派な会場で驚きました。

5月30日(土)16:30 ウルフルズ @ 大阪・万博記念公園もみじ川芝生広場

ウルフルズ、毎年この時期恒例の巨大野外ワンマンライブ『ヤッサ!』。ここ数年ご無沙汰していたが、今年は3月19日にウルフルズの本「『バンザイ』ザ・インサイド・ストーリー」を出したこともあって、観ておきたくなった。そしたら当日の会場に、その「バンザイ」本の版元のリットーミュージックが本の販売ブースを出す、というので、開演前と終演後に、そのブースに行って、手伝ったりもしたのだが。
ご希望者の購入者には、著者がサインを入れます、ということになり、15人くらいにサインしました。こいつがなんだかわからないけど、とりあえずもらった、という人も、確実にいたと思う。というか、俺だったらいらない、サイン。ウルフルズのサインならほしいけど。でも、サインしてないのも含めると(当然そっちの方が全然多い)、ちょっとびっくりするほどの数が売れました。ありがとうございます。
で、結局、そのリットーミュージックの音楽サイトに、ライブレポを書くことになりました。納品済みですが、まだアップされていないので、されたら貼ります。

5月31日(日)17:00 the telephones @ Zepp Shinjuku(TOKYO)

『the telephones SUPER DISCO HITS!!! -20周年ファイナルだよ、全員集合-』というタイトルで、結成20周年イヤーのいろんな活動の締めくくりとして開催されたワンマンライブ。4月に出たコラボアルバム『THIS IS A DISCO CALL!!!』に参加した人も、していない人も含めて、総勢12名のミュージシャンがゲスト出演した。頭3曲はメンバー3人で演奏し、4曲目からゲスト登場。順番に書きます。
・しのだ(トップシークレットマン):「Jump Jump Jump!!!」
・ハヤシ(POLYSICS):「TOISU de DISCO」
・イチロック(SPARK!!SOUND!!SHOW!!):「Baby,Baby,Baby(2025)」
・4s4ki:「Pink Gang」
・菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet)&ROY(THE BAWDIES):「BIG BANG」
・さかしたひかる(ドミコ):インストゥルメンタルのセッション
・アユニ・D(PEDRO):「My Robot」
・HIROKI&NAOTO(ORANGE RANGE):「IKITAI DISCO」
・金井政人(BIGMAMA):「BAKETSU DISCO」
で、最後のゲストは、2023年5月に脱退したベーシスト、長島涼平。蝶ネクタイに赤いベース、という、the telephones在籍時のスタイルで登場し、「テレフォンズに誕生日のプレゼント」と、当時ライブのオープニングでかぶっていたアフロのウィッグを配る。石毛、「でもさ、これ、演奏する時には着けてないんですよ」などと言いつつ、「HABANERO」を演奏した。
そこから3人で3曲やって本編終了、そしてアンコール二回。最後の「Urban Disco」を終えて、石毛、「このメンツが集まることは、なかなかないので」と、トップに出たしのだ以外の全員と、所属事務所の遠藤社長を呼んで、記念写真を撮った。なお、しのだがいなかったのは、渋谷WOMBで自分たちのツアーファイナルがあり、出番が終わるや否やそっちに向かったためです。こっちの彼の出番が終わったのが17時20分くらい。WOMBの開演は18:00で、対バンありだから間に合うと踏んだんだろうけど、だとしても、断らなかったのがすごい。
それから。ドラムの松本誠治がバンドを離れることが、7月8日に発表になった。7月22日〜9月6日に入っている3本が、この3人で行う最後のライブで、それ以降は石毛輝とノブ(岡本伸明)のふたりで活動を続けていく。

  • 兵庫慎司

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    兵庫慎司

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