
黒フェス2026〜白黒歌合戦〜
2026年9月6日(日)豊洲PIT
【出演】松崎しげる / ももいろクローバーZ / T.N.T / 山内惠介 / クレイジーウォウウォ!! / DJ KOO / 宮川大聖 / 歌心りえ / 私立恵比寿中学 / パンサー尾形 with sis / 夢グループ石田社長・保科有里 / sis(シス) / 華MEN組(オープニングアクト) / 伊津野 亮(MC) / 守永真彩(MC) *順不同
圧倒的歌唱力で日本の音楽シーンを牽引してきたレジェンドシンガー、松崎しげる。昨今は国外でもその知名度を高めており、衰え知らずの活躍を続けている。そんな彼が自身の色黒にちなみ、毎年9月6日に“黒フェス-しげる祭-白黒歌合戦”を記載しているが、そのフェスも今年で12回目を迎えた。出演ラインナップは~御大、松崎しげるをはじめ、黒フェスの初開催から皆勤賞で出演してきたももいろクローバーZ、そして手越祐也率いるロックバンドのT.N.T、演歌界の貴公子、山内惠介、2024年5月に音楽学校の同級生4人で結成された期待のバンド、クレイジーウォウウォ!!、国民的大ヒットを連発したTRFのリーダーにして現在もパワフルに活動中のDJ KOO、配信やSNSなどを駆使し、多くのフォロワーを持つ新時代のシンガー、宮川大聖、50歳で挑戦したオーディション番組『トロット・ガールズ・ジャパン』でファイナリストとなり、その圧巻の歌唱力で注目された実力派シンガーの歌心りえ、“エビ中”の愛称で親しまれる王道アイドルグループの私立恵比寿中学、お笑いコンビ、パンサーの突撃担当、尾形貴弘、音楽プロダクションのみならず、通販番組でも注目を集める夢グループからは石田重廣社長と歌手の保科有里、そして歌心りえ同様、『トロット・ガールズ・ジャパン』がキッカケで結成された女性シンガー4人組のsis。さらにはオープニングアクトとして昭和アイドルを彷彿とさせるボーイズグループ、華MEN組が出演する。
このラインアップの幅広さこそ、黒フェスの真骨頂。松崎は開演前の囲み取材で「12年続けてきて、若いアーティストから刺激をもらっています」と、“黒フェス”の意義を語り、さらに「僕はアナログ世代でAIにはついていけないと思ったけど、今回はAIを駆使してやってみたい」と、新たなチャレンジを示唆した。果たしてどんなステージが繰り広げられるのか……各出演者のパフォーマンスに期待がかかる。ここでは当日の模様をお伝えしよう。
2026年9月6日、今年はあいにくの雨模様。ただ、開演前のお楽しみとして定着しているのが豊洲PITの場外エリア名物のキッチンカー。今年も日本橋たいめいけんや焼き鳥 信玄などの名店が出店。開演前から来場者の多くが豪華なフェス飯でパワーチャージする姿が見られた。
今年のオープニングアクトで登場したのは華MEN組。彼らはメロディーが際立つアッパーチューン「ゲキアイ」を披露。MCでは誠意を感じさせる挨拶とキラキラのイケメンパワーで場内の空気を和ませてくれた。
華MEN組がはけると、MCの伊津野亮(毎度おなじみ)と2年ぶりの登壇となる守永真彩がステージへ。軽快なトークを交えつつ、松崎しげるを呼び込む。12回目となった黒フェスについて松崎は「スタッフのおかげ!出演者の皆さんのおかげ!」と、感謝の言葉を述べながら、いきなり開会宣言!こうして2026年の“黒フェス”の幕が切って落とされた。
本編の幕開けはパンサーの尾形貴弘がsisとタッグを組んだ“パンサー尾形 with sis”が担当。披露したのは「サンキューロック!!」。これはパンサー尾形としてのソロデビュー曲で、彼自身が作詞も手掛けたという力作。持ちネタの“サンキュー!”をフィーチャーしたノリノリのナンバー。ここにsisがコーラスとダンスで華を添え、絶妙なコラボでの熱いパフォーマンスを展開した。
続いてはsisがステージを受け継いで出場。sisは太良理穂子、MAKOTO.、かのうみゆ、あさ陽あいという個性豊かな4人組で、現在、韓国でも人気上昇中という国際派の一面を持つ。この日のメニューはデビュー曲の「愛のバッテリー」に加え、9月9日リリースの「DIVER」を披露。息の合ったハーモニーを聴かせ、しっかり魅力をアピールした。
この後、クレイジーウォウウォ!!が初登場。夏の野外で聴きたくなるような「Axel F」を皮切りにネットでバズった「トンツカタン」など、アッパーなロックチューンを連発。MCではボーカルの杉村優希が今回の参加について松崎に感謝の言葉を述べると、何とステージのソデから松崎本人が姿を見せた……が、杉村が気づかず、ライブを進行するという微笑ましいハプニングも。ラストの「心臓マッスル」でも観客をグイグイ引き込み、好感度の高いパフォーマンスで強い印象を残した。ちなみに彼らは11月から来年1月にかけ、1st全国ワンマンツアー「CRAZY WOWWOW!!」を開催する。気になる人はぜひチェックすべしだ。
続いてネットやSNSを駆使した活動でフォロワーを増やしている宮川大聖がステージへ。オフィシャルのアーティスト写真は黒髪だったが、この日の宮川は華やかな金髪姿。2人のダンサーを従え、DJがトラックを担当するというまさに令和らしい編成でのパフォーマンスを展開した。「イダテンドリーマー」や「ナイトステップ」でダンサブルなサウンドで場内を揺らせる。MCで宮川は「黒フェス、ノリがヤバいと聞いたんですけど、とんでもないじゃないですか!」と興奮気味。観客からもらったパワーをそのままぶつけるようにラストの「略奪」を熱唱。短い時間ながら、躍動感のあるパフォーマンスだった。
続いては“エビ中”こと私立恵比寿中学が初出しの衣装で登場。総勢8人の彼女達は、ももクロにとって妹分のような存在。それだけに1曲目の「epitude」から“エビ中ファミリー”(エビ中ファン)や“モノノフ”(ももクロファンの総称)が一体化しての大声援が起こる。2曲目の「えびチリ、はじめました」では、場内とのコール&レスポンスを引き出し、全力のパフォーマンスで客席を挑発。後半も「仮契約のシンデレラ」や「愛のレンタル」でテンションを上げていく。ラストの「シンガロン・シンガソン」ではさらなる盛り上がりで、中盤とは思えぬ燃焼ぶりを見せてくれた。
ここで紅白連続出場を更新中の演歌界の貴公子、山内惠介がステージへ。彼のファンは親子三代にわたる層も多く、幅広い人気には定評がある。ライブ運びも抜群で、MCも軽妙だ。この日の山内は昨年のレコ大で着用した肩に羽根がついたド派手な和装で登場。1曲目には「惠ちゃ~ん」の合いの手が人気の定番曲「恋する街角」で観客の心をつかむ。2曲目は地元福岡の先輩である椎名林檎の書き下ろし曲「闇にご用心」を披露するなど、話題曲を並べてきた。そしてラストは今年2月にリリースした「この世は祭り」。壮大な楽曲に強いメッセージが込められており、山内としては新境地ともいえそうなだ曲である。力のこもった歌声は圧巻のひと言で、納得の実力を見せつけた。
続いて歌心りえが登場。彼女は「フライディ・チャイナタウン」や「しあわせのまわり道」などの名曲を次々に歌唱。場内はその美声に酔いしれる。ライブならではの熱いノリとはまた一線を画した彼女の時間は格別の清涼剤となった。ラストは『トロット・ガールズ・ジャパン』のオーディションでもその熱唱が話題となった、さだまさし氏の名曲「道化師のソネット」を熱唱。彼女の特徴は誰の曲であっても、自身のオリジナル曲か?と思うくらいの情感を込めた歌に昇華すること。この日も温かい歌声で会場を包み込み、その巧みな表現力で観客を圧倒した。そんな彼女は現在、ソロライブツアー中である。機会があればぜひその奇跡の歌に触れていただきたい。
さて、フェスもぼちぼち後半戦に突入という時間帯に突入する。ここで登場したのがT.N.T。彼らは昨年に続いての参加だ。メンバーは手越祐也(Vo)をはじめ、kyohey(Dr)、Furutatsu (B)、Ryu.(G)という面々。今年はライブツアーも精力的にこなし、バンドの結束を急激に高めてきた。そんな彼らの1曲目は「Fast Lane」。いきなり拳が上がり、ライブハウスのようなノリに。その後も「数センチの、その先へ」や「I Don't Care」、「SHINE」など、力強いロックチューンを叩き出す。手越はMCで「去年、黑フェスでT.N.Tを見た人が、去年よりカッコよくなったと思ってくれたら嬉しいです」と、この1年間で積み上げたライブ活動に自信を見せた。次にバンドが披露したのは昨年から今年にかけての全国高校サッカー選手権大会のテーマ曲「未来へ」。印象的なパワーバラードも魅力的だ。ラストは再びアグレッシヴな「Mist.」でフィニッシュ。あまりの熱演に、演奏が終わったあとには場内から“T.N.Tコール”が起こるほど。彼らは来年2月4日に“SUPERNOVA”と銘打ったバンドとして初の日本武道館公演が決定しており、その勢いはまだまだ続きそうだ。
ここで後半につなげる橋渡し役としてDJ KOOが降臨。会場は一気にアツいクラブ空間と化す。最近のヒットチューン映画『KPOPガールズ!デーモンハンターズ』の主題歌「Golden」はもちろん、新旧織り交ぜたエモい選曲で観客は爆上がり。さらにはフィンガー5の「個人授業」をプレイするなど、反則ワザのセンスを見せる。クライマックスにはTM NETWORKの「Git Wild」やTRFの「EZ DO DANCE」、H Jungle with tの「WOW WAR TONIGHT~時には起こせよムーブメント~」など、小室メロディーのオンパレードでバブル期を彷彿させる熱狂を演出した。
トリ前の登場はもちろん、ももいろクローバーZ。メンバーは百田夏菜子、玉井詩織、佐々木彩夏、高城れにの4人。黑フェス出演皆勤賞の彼女達はもはや、このイベントには松崎しげると並んで欠かせない存在だ。モノノフにとっても、“黒フェス”は年中行事になっているに違いない。さて、今年の1曲目は「ワニとシャンプー」。ここで彼女達は自身のメンバーカラーが入ったデカ扇子を手にキュートなダンスを披露。客席にはそれぞれのメンバーカラーを手にしたモノノフ達が今日イチの大声援を送る。2曲目は“黒フェス”に欠かせない「黒い週末」。激しさのある鉄板曲にステージも客席も一気にヒートアップしていった。続いての「『Z』の誓い」もなかなかハードなパフォーマンス。このあと、メンバー4人が自己紹介していくのだが、各自名前だけでなく、しっかり年齢も公表。このあたりの誠実さも彼女達の人気の一因だと思う。ラストナンバーに「走れ!」を選んだ彼女達は、観客達に手を振りながら挨拶。「来年もよろしく!」と楽屋の松崎に声をかけてステージを降りた。
ラストを前には異色の出演者が登場。何と、夢グループの社長、石田重廣社長と歌手の保科有里。このコンビはテレビの通販CMでおなじみだが、そんなやりとりがステージでも展開していく。ただ、通案CMと違うのは、持ち歌「やすくして」を披露してくれたこと。保科有里生の美声に驚いた観客も多かったに違いない。
そして大トリは“黒フェス”主催者の大御所、松崎しげる。囲み取材で実は昨年の9月6日は「体調がヤバかった」と語っていた松崎。ただ、今年はバッチリということで、ひと安心。万全の状態でいざステージへ。1曲目に選んだのは「TAKE A FLIGHT」。92年リリースながら、今聴いても新鮮でクールなバラードだ。そして、2曲目には尾崎紀世彦が歌う昭和の大ヒットナンバー「また逢う日まで」を、何と“with AI尾崎紀世彦”というスタイルで披露ここで松崎が「キヨちゃ~ん!」と呼びかけると、ステージ上のスクリーンにAIによって甦った尾崎紀世彦の姿が!松崎と「久しぶりだね」と話しながら、画面上で松崎とのデュエットが実現する。何とも不思議な感覚だったが、リアルタイムで尾崎紀世彦の歌を耳にした人にはこみ上げるものがあったと思う。余韻を残しつつ、3曲目には「スタートライン~新しい風」を披露。彼自身も「救われた」という名曲だ。松崎は各地で起こる災害に思いを馳せながら、諦めないことの大切さを込めて歌い上げた。次の曲でいよいよラストとなる。曲はもちろん「愛のメモリー」だ。感情を込めて歌うことのパワーがいかに素晴らしいことが……この曲にはすべて詰まっているように感じられる。ラストのフェイクまで、彼は存分に魂を込めて歌い切った。
松崎はMCの中で「来年喜寿になります!絶対やります!」と、早くも開催宣言。2027年に大いなる意欲を見せた。次回はどんな仲間が集まってくれるのか、楽しみだ。






















